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怨霊時代


平安時代。
都でははなやかな貴族文化が花咲く華麗な時代。
しかしその反面、この時代は天皇をはじめとする都の貴族たちが怨霊の恐怖に怯えた時代でもありました。
それは早良皇子の怨霊に怯えた桓武天皇や、菅原道真のそれに怯えた醍醐天皇をはじめとする上級貴族たちに代表されます。

怨霊というものが古代の人々の無知、迷信、偏見から発生したことはいうまでもないことです。
地震、落雷、干ばつは自然現象ですし、疫病の流行には当時の劣悪な衛生環境も一役かっていることでしょう。当時の平安京は新興都市として人口の流入が著しく、疫病が流行る下地はできていたのです。

しかし当時の人々にそんなことがわかるはずもないのです。
人々は純粋に怨霊の存在を信じていたし、それを祀り鎮魂することによってタタリを避けるのが科学的手法だったのですからやむを得ないことです。

無念の死を遂げた敗者の怨念が怨霊となってタタリをなすという怨霊信仰は日本だけでなく、世界中にあるものです。しかし怨霊を神(悪神)として崇め、祀る風習があるのは日本だけのようです。

怨霊に限らず、私は○○年に●●という事件が起きた、というような時系列な事実にはあまり興味がありません。私にとって興味があるのは、なぜそのような事件が起きたのか、そのような事件を起こす日本人とはどんな民族なのか、ということなのです。

これから紹介する拙文は、現時点での私の怨霊に対する考えを書いたものです

怨霊の登場は、大物主をはじめとして何人かの怨霊の出現を単純に記載したものです。

一神教と多神教は、宗教の面から書いたものです。

以和為貴は、日本人の持つ特性の面から書いたものです。

ハレとケとケガレは、日本人のケガレ意識から書いたものです。

怨霊対策は、平安貴族達はどのようにして怨霊を鎮魂したかを書いたものです。

 

●参考文献
史記(司馬遷)、逆説の日本史(井沢元彦)、出雲大社ホームページ、キリスト教とイスラム教(ひろちさや)、日本人はなぜ無宗教なのか(阿満利麿)、妖怪と怨霊の日本史(田中聡)、神道入門(井上順孝)


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