閑有日記
閑有日記

小人閑居して不善をなす

パロパロ閑居して、日記をなす



2000年2月1日(火)

俗人
初詣での時期を過ぎると境内も閑散としている。
そんなわけで、本殿の裏に回ってみることができた。
昭和11年に修造時の寄付金者の名簿があった。

筆頭者の次当たりに並んでいる額は金百円也

碑文に名を残すという欲もなく、たった今金百円の賽銭を上げてきた自分は既に俗人を超越したか。

昭和11年ならともかく、今の時代100円で俗人を超越したと言うのは片腹痛い話しである
・・・・と思ったあなた・・・・
冗談言っちゃいけない、地べた三寸掘ったところで、三文の銭は出てこない。

‥‥やっぱり俗人そのものであった。

2000年2月2日(水)

供養箱
神社の裏に、大きさは犬小屋に脚のついたような形のがあった。
朱塗りで、屋根がついて、しめ縄が張られている。

何かなと覗いてみたら、ビニール袋に入れられ招き猫の置物がて無造作に置かれていた。

役目を終えた縁起物の供養箱であった。何か見てはいけないようなものを見てしまったような気がした。

その箱の横に『回収日 月曜日、木曜日』という表示が気になった

(ごめんなさい、私、嘘をついております。回収日の話しはまったくのでたらめです。お笑いのための作り話です。)

2000年2月3日(木)

病膏肓に入る
拝殿の横には、絵馬を掛ける小屋があった。絵馬掛け弁天堂である。

合格祈願、大願成就のコーナーはなにか微笑ましいものを感じたが、病気平癒の場所はとても切ないものを感じた。

科学、医学の進歩が云々といっても最後に行き着くところはここ。

人間は弱いもの、最後は神仏の力にすがるしかないのかもしれない。

こんなことはとても日記には書けないと思いながら書いている自分の病もすでに膏盲に入っている。

2000年2月4日(金)

厄落とし
今年厄年を迎えた自分にとって、玉村八幡宮に行ったのはそんな厄年に地元の神社を知ることで、厄落としになるのではないかという下心があったのは、否定できない。

ホームページ更新のネタや、日記のネタなど得るものが多く、ご利益の多い神社である。

ただ一つ気がかりなのは、厄落としのタイトルで書いた日記だけが、落ちが思いつかないのである。

やはりこんなことで厄落としをしようと考えた自分の考えが甘かったようだ。

‥‥とむりやり落とそうとしている。

2000年2月5日(土)

視点
先週の事となってしまったが、埼玉のストーカー殺人事件に深く関わっているという指名手配中の容疑者が屈斜路湖で水死体で見つかったというニュースを耳にした。

屈斜路湖といえば自分の故郷の近く、どうなっているのだろうか。

テレビには、おお!! 間違いなく屈斜路湖。
木々の間から見える湖畔、ちょっと大き目の石があるところをみると、和琴半島当たりだろうか。土産物売り場があるということは砂湯当たりでの取材か‥‥、あのあたりは温泉が出てるので、氷りも張ってないし・・・・なにもかもみな懐かしい。

見る視点がずいぶんずれていたようだ。

2000年2月6日(日)

だし
去年の秋に生ゴミ処理機から出た堆肥を使って、プランターで水菜の栽培に挑戦した。

今日、喜びの収穫。市販のものより小振りではあるが、間違いなく無農薬有機栽培。
買ってたとしても安いものだが、自分が栽培したものとなると思い入れも違う。

ところが、なんと青虫がいっぱい。一株から10匹以上出てきた。無農薬の証しとはいえ、いささか気持ちが悪い。

良く洗って鍋物に使った。味はまずまずであった。
ひょうとして、青虫が紛れ込んで良いダシが取れたか。

そう思うと、なかなか箸が進まなかった。

2000年2月7日(月)

ドラマチック
今週は、先日行った、九州の旅みやげ話の特集です。はっきり言って時間稼ぎです。
つっこみは掲示板へお願いします。   パロパロ 敬白


九州出張の朝、昨夜のうちに用意しておいた冬用のスーツを着た。
確か、去年まではボタンは止まったはずだが‥‥
ここはお腹をへこませて‥‥

プチッ‥‥( ̄□ ̄;)‥‥ボタンが‥‥‥‥

こんな場面を想像したあなた‥‥世の中そんなにドラマチックにはできていないのです。


それはそれとして・・・・ボタンはどこにいったのかな・・・・

2000年2月8日(火)

アタッシュケース
九州出張は午後の出発なので、午前中は旅支度をして出社する。アタッシュケースなどめったに持ち歩かない自分だが、出張なのでとりあえず持って出かけることとなった。

『パロパロさん、ずいぶん良いアタッシュケース持ってるね。高かったんじゃない』

『さすが、お目が高い。パロパロ一世一代の買い物、清水の舞台から逆さまに飛び降りました』

『どうせパロパロさんのことだから、近くのホームセンターで1980円で買ってきたんじゃないの』


・・・・まさか買っているところを見られていたとは(-_-;)

2000年2月9日(水)

一本
『ふくやの無着色辛明太子がいいな』

何を突然言うのかと思えば‥‥どうやら九州出張の土産の催促らしい。

『Aさん、買ってきたいのはやまやまだけど、あなたの為を考えると絶対買ってこれません。こんなコレステロールの高いものを』

一本、勝負ありと思った。

2000年2月10日(木)

ANA
帰りの福岡空港、搭乗手続きをしようと思ったが、全日空(ANA)のカウンターが見あたらない。

同行のA氏も福岡空港ははじめてなので良く判らないらしい。

案内所があったので聞いてみた。

『すいません、アナがあったらはいりたいのですが・・・・』
『エッ( ̄□ ̄;)・・・・・・・・それでしたら、出口をでて左側に曲がって第二ターミナル・・・・』


『・・・・オレ、パロパロさんと離れて歩きたい・・・・』

2000年2月11日(金)

緊急連絡
同行のA氏は仕事バリバリのエンジニアで、しかも義理堅い。

仕事の話だろう、携帯電話で職場との連絡をこまめに取る、やり手の企業戦士。
また同僚への土産、辛子明太子も欠かさない。

九州出張もやっと一段落して、あとは搭乗を待つばかり。

そんな彼の携帯電話に、突然職場から連絡が入る。急用らしい。
あわてて電話をかけるA氏。

・・・・戻ってきた。

急きょ、土産の辛子明太子4箱追加となった。

2000年2月12日(土)

勘違い
九州出張は、日記のネタを仕入れに行ったわけではない。

日記ではバカなことを書いて、実生活もそうではないかと思っている人もいるかもしれないが、仕事に対しては真摯な人間だと自負している。

仕事の結果は出張報告書で報告となる。一時間もあればまとまるが、閑有日記のようなおちゃらけたものとはわけが違う。簡潔にして明瞭、ポイントを押さえた、これぞ報告書。

『パロパロ君この出張報告、落ちがないよ』


みんな何か勘違いをしている。

2000年2月14日(月)

まんじゅうこわい
三連休のあとは職場に土産物が多く出回る。今日はことのほか量が多い。
しかも今日は出張者が多く、残った人も酒なら親指しゃぶっただけで三合はいけるが、まんじゅうは勘弁してくれとう食べ物を粗末にするばちあたりなやつばかり‥‥


必然的に自分への割り前が増える‥‥(^^)‥‥


しかしさすがに8個目を食べ終えた頃には、まんじゅうが鬼に見えてきた。

2000年2月15日(火)

改装
職場を引っ越しするらしい。工場の景気が好くなってきて設備増強のため作業現場を拡充するらしい。けっこうな話しであるが、これにより我々の職場が追い出されるわけである。

工場はすでに緑化法等で建物の増築はできない状況。残る建物といえばプレハブの下駄小屋だけである。


『あの夏暑く、冬寒いプレハブ小屋で仕事するわけ?』
『中を改装するらしいよ』
『改装するっといってもあのほったて小屋、どうやって改装するの』
『昆布やワカメを貼り付けると聞いたが‥‥』


・・・・(-_-;)・・・・誰のつっこみもなかった

2000年2月16日(水)

イントラ
自分が幽霊会員として所属している、美術同好会は、工場のイントラネットにホームページを持つ数少ない同好会である。
しかしながら、ここ二年以上更新されていない。

ホームページを作成できるということを見込まれ、自分が更新することとなった。
なんとデザインは、自分の自由にしてよいという。


美術同好会のホームページに水戸黄門のテーマが流れる日は近い。

2000年2月17日(木)

禁忌
作業者の安全衛生教育(というほど立派なものではない、単なるミーティングである)が行われていた。
誰が作った資料か、その中に『禁忌』という言葉が載っている。そんなところに行き当たる。

『パロパロさん、『禁忌』ってなんて読むんですか』
『え〜っと 確かキンキだったかな』
『意味は?』
『大阪、京都を中心とした関西一帯のこと』

『知らないなら『知らない』と言ったら・・・・』


・・・・(-_-;)・・・・



PS.禁忌:医薬品・食品などで、病状を悪化させ、または治療の目的にそぐわないもの、広辞苑より

2000年2月18日(金)

特殊メイク
昨夜は従業員クラブで、酒宴の席がある。帰りはほろ酔いでサイクリングロードを快走。
しかしながら‥‥好事魔多し‥‥サイクリングロードのところどころに設けてある、車両進入防止の柵に激突。自転車は大破、もはや走行不能。

本人はというと、目の上のこぶを作り顔にかすり傷。

翌朝、多少腫れはひいたものの、かすり傷のほか内出血で左目だけにアイシャドーでメイクしたような顔。ほとんどパンダ状態。
指を差されて笑われるだろうと覚悟していたが‥‥

あにはからんや‥‥笑うものはいない。みんなには極自然に見えたようだ‥‥

気がつかなかった‥‥自分にはこんなメイクが似合っていたのだ‥‥

午後になって、瞼が紫色に変色してまた腫れてきたようである。まさに東海道四谷怪談、お岩さんのよう‥‥さすがここまで来ると皆さんに注目される。

しかしこの特殊メイクもなかなか似合っていたようだ。

2000年2月19日(土)

詮索
いくら特殊メイクが似合っているとはいえ、やはり理由は詮索される。

以前にも飲酒運転の末、転倒ひじをすりむくという醜態をさらしている関係上、今回も飲酒運転の末、車両進入防止の柵に激突・転倒、自転車は大破とは言いにくい・・・・

とりあえず・・・・家に帰ってきてから階段を踏み外して、目の上をしたたか打ちこのありさま・・・・とごまかした・・・・

『いや・・・・家庭の中にも危険がいっぱいですね』

『パロパロさんのことだから、本当は自転車で車両進入防止の柵にでもぶつかったんじゃないの』


ギクリ・・・・読まれていた・・・・(-_-;)

2000年2月20日(日)

一期一会
土曜、日曜とイチゴOFFと題してのOFF会であった。

苺といえば一期一会(イチゴイチエ)に結びつくのがオヤジギャグ。

一生に一度限りの苺狩りだとするならば‥‥どのような食べ方をするだろう‥‥一個一個の苺をいとおしく噛み締めて食べる?
自分の場合‥‥この世の食い収めと思って、めいっぱい食べてしまった‥‥これが苺狩りの一期一会というもの。

『それって、『親の敵に会ったよう』て言うんじゃない?』

(-_-;)・・・・とんだ一期一会であった。

一期一会:(茶会の心得から。利休の弟子宗二(1544-1590)の「山上宗二記」に「一期に一度の会」と見える) 生涯にただ一度まみえること。一生に一度限りであること:広辞苑より

2000年2月21日(月)

続特殊メイク
実は今日、部内のプレゼンテーション(といえば聞こえは良いが、そんな大げさなものではない)を行う事になっていたが、このパンダ顔である。

前に出たとたんに、くすくすと声を潜めた笑い声‥‥覚悟はしていたが‥‥

プレゼンテーションが終わる。
『以上ですが、何かご質問はありませんか』

『この内容には直接関係ありませんが‥‥その目はどうしました?』


‥‥強烈な突っ込みであった。

『特殊メイクです』
こう答えるのが精いっぱいであった。

2000年2月22日(火)

シムス
昼休み、隣りの職場の若い衆がスノーボードの雑誌を見ていた。

『今、スノーボードっていくらぐらいするものなの』
『ピンきりだけど、スキーとあまり変わらないよ』

『安くなったんだね、スキーもすごく安くなったけどね、シムスっていゆうメーカがあるね』
『パロパロさんよく知ってるじゃん。でもちょっと違うな、シムス(あの特有の語尾のあがるというか、平坦な発音)ってゆんだよ』


・・・・やられたね。ナウなヤングにはわからなかったよ。

2000年2月23日(水)

手遅れ
同期入社の分析エンジニアのお姉さん、しばらく出張に出ていたので、久しぶりの出社、今週になって初めて顔を合わせた

『たいぶ良くなりましたね。ちゃんと病院行きました』

なんとやさしい言葉。不幸な中にいると、やさしい言葉が心にしみる。

『ええ、でも手遅れだと、何でもっと早く見せにこないんだ、ぶつける前なら何とかなったのにと言われました』


『( ̄□ ̄;)・・・・それはそうでしょうね‥‥あぁ〜心配して損した』

2000年2月24日(木)

特殊メイクその後
職場の先輩

『目の周りの色ぐあい、だいぶ落ち着いた色具合になって、パロパロには良く似合ってるよ』

『パンダメイクという感じですか』

『そんなもんじゃね〜な、前科三犯ヅラだ』


うわ〜( ̄□ ̄;)‥‥完全に一本取られた。
『パンダメイク』と振ったのはうかつであった。

2000年2月25日(金)

有給休暇
自分の勤める会社は、企業内労働組合がある。御用組合というそしりもあるが、けっこうまじめに活動している。
この時期になると、有給休暇をもっと取得するよう、上長経由で指導がある。いまだに親兄弟が死なない限りは、有給休暇は取り難いという『昔気質の従業員』は多い。
自分もそんな中の一人かもしれない。

『パロパロさんまだこれだけしか取ってないじゃないの、ダメダよもっと休まなきゃ』

『大丈夫です。ちゃんと会社で休んでますから』

『昔気質の従業員』というのは思い違いだった。

2000年2月26日(土)

サクラ餅
閉店間近のスーパー、なぜか桜餅が売れ残り、うず高く積み上げてある。
店員の人がそろそろ閉店前の値引きシールを張り始めている。

『これ、賞味期限明日までだけど、安くなる?』

そう尋ねたのはうら若き女性、勇気のある人だ。一家の家計あずかる主婦であろうか。・・・・やはりこれくらい生活力がなければ、このサバイバルの時代は生き残れない。

『はい』

この声を聞くないなや、ハイエナのようなオバタリアンが列をなしているではないか。
他人に火中の栗を拾わせて、そのおこぼれをちょうだいしょうという、なんと嘆かわしい・・・・

ふと気づくと自分も、のその列の中にいた。



しかし、あれはスーパーの販売戦略だったに違いない。わずか5%程度の値引きであれだけでかなりの数の桜餅が売れたのである。

気づくのが遅かった・・・・桜餅にサクラは欠かせない。

2000年2月27日(日)

フリーマーケット
昨日労働組合主催のフリーマーケットが催された。

パソコン。食器、衣類、家電etc
組合員が出店しているコーナーもある。

タッチチャンネルのテレビがあった。なんと1000円の値札・・・・
テレビがリモコンにになってからもう10年はたつだろう。10年以上前の14インチテレビ。
1000円で売るどころか、千円札を付けても持って行く人がいるかどうか・・・・

組合員の生活は厳しい。
こころなしか悲壮感にあふれていたような気がした。

2000年2月28日(月)

クラウン最中
職場の同僚が愛知県豊田市に遊びに行った。

豊田市といえば、自動車メーカー『トヨタ』の城下町である。
職場のお土産に、新発売のクラウン最中を買ってきた。まさに新車である。この洒落を知って欲しくてわざわざ買ってきたらしい。


しかしながら左党の多い自分の職場には不評で‥‥小豆餡の苦手な人が多い。


『小豆餡の素晴らしさを知らないなどとは、人生の楽しみの半分を失ったようなものですな』
『それはパロパロさんだけです』

どうやら甘党は自分一人だけであった。

2000年2月29日(火)

続イントラ
昨日、美術同好会ホームページの素稿ができあがった。さっそく顧問をしている某部長のところへ持ってゆく。

彼のデスクにはパソコンはあるが、出てきたアイコンをクリックするくらいしかできない、パソコン初心者である。

『フロッピーをドライブに入れてINDEX.htmlというファイルをクリックすれば見られますから』

今日彼から電話がかかってきた。


『パロパロ君なかなかいいできじゃないか。ところであの紫色のモザイクはなんとかならないものかね』

『エッ!!』・・・・( ̄□ ̄;)・・・・もしや・・・・

palo@wind.ne.jp
Akiary v.0.51