閑有日記
閑有日記

小人閑居して不善をなす

パロパロ閑居して、日記をなす



2000年1月1日(土)

二年参り
年の始めですので、まずは正統派で・・・・今日はカタイ日記です。

この時期毎年多くの人が神社仏閣に参詣し祈願をする、初詣である。
自分もその中の一人。近所に神社があることもあって、特に信心深いわけではないが、大晦日の夜から新年にかけての、いわゆる二年参りに行く。
ふだんは閑散とした境内もこの時ばかりは数千人の参詣客であふれる。そんな雑踏の中に身を委ね、新年の祈願をするのが恒例となっている。

今とは違い、若い頃の願い事は派手であった。日頃神仏を冒涜するような発言を繰り返しているにもかかわらず、その時ばかりは家内安全、無病息災、大願成就、怨敵退散、果ては国家安康から世界平和まで加持祈祷に及ぶというしたたかさ。初詣とはわずかな賽銭で神仏と利益誘導の契約を結ぶこと。そんなばちあたりな考えを持って参詣していた。海老で鯛を釣るという感覚での参詣など御利益もなく、願い事など叶うはずもない。

齢を重ねふと初詣の意味を考えた。やはり神仏との契約なのだろう。それは利益の誘導ではなく自分の所信や決意を神仏の前で表明すること、そして自助努力を誓約すること。遂行の主体は自分にある。
そんなに堅く考えなくとも、今年一年良い年にするぞと心に誓うこと、そしてそれは一年間事故なく健康でいられることに尽きるのではないか。

今年も二年参りに行った。そして願い事が家内安全、無病息災だけになっているそんな自分に気付くのである。
そんな謙虚な自分の中のどこかに、御利益を求めている正直な自分もまたいるのである。

2000年1月2日(日)

招福甘酒
もう昨日の事になるが、二年参りの行列に並んだところの横が『招福甘酒』の幟を掲げた出店。
テキ屋さんが経営しているのではなさそう。おばさんが3人ほどいるだけ、参詣客3千人ほども並んでいるのに誰も買う者がいない。一杯100円だが、参詣客も人がいないので買いにくいのかもしれない。

『流行ってませんね、招福甘酒がこんなに閑散としていては・・・・サクラでも出しておかないと、人が寄りつきませんよ。ひょっとして私が初めての客?それじゃサービスで大盛りひとつね』
『ありがとうございます』

・・・・本当に大盛りサービスだった・・・・

というのがいつもの落ちであるが・・・・この後がある。
自分の買ったのがきっかけとなって、今まで買うのを躊躇していた人が後から後から来て・・・
サクラ料をもらいたいくらいである。

2000年1月3日(月)

洒落
二年参りの行列に並んだところの右横は招福甘酒屋であったが、左横は自分同様のといいたいところだが、どうしてどうして、悪役商会にスカウトされそうなオヤジ、けっして人相は良くない。同じように人相の悪いオヤジ仲間3人で二年参りに来ていた。
多少お酒も入っていたようであるが拝殿に向かって言った言葉は

『今年こそ覚醒剤がやめられますように』

( ̄□ ̄;)・・・・洒落になっていなかった。

2000年1月4日(火)

2礼2拍手1礼
大きな神社ではではないが、2年参りともなれば・・・・3千人ほどの参詣客が訪れる。
午前0時の時報と共に参拝が始まる。さすが3千人ほどの人になればかなりの混雑となる。
鈴を鳴らし手を叩き願い事・・・・というごくありふれた参詣。

そんな中で、2礼2拍手1礼の参詣をした自分は、きっと神様の受けは良かったのではないか。御利益も大きいというもの。

ただ後に待っている人には受けは良くなかったかもしれない。

2000年1月6日(木)

身近なY2K
仕事始めという朝、どんより曇っていたせいもあるが、目覚めが悪い。しかも目覚まし時計が鳴ったことも分からなかった・・・・いや鳴らなかったのかも知れない。故障している可能性がある。

そういえば年が明けてから、目覚まし時計のアラームを聞いたことがないような気がした。Y2Kで誤動作したか?
目覚まし時計は現在一つしかない状況。明日が心配。まともに起きられるだろうか。

思わぬところにY2K問題が潜んでいた。

2000年1月7日(金)

続身近なY2K
目覚まし時計のアラームが鳴らない。
確かに今年になって聞いた記憶はない。
時計機能がついているものはY2K問題を疑う必要がある。
明日はアラームにたよらずに起きなければならない。
というわけで、昨夜は覚悟を決めて就寝した。

しかし‥‥アラームに起こされた。

『なあ〜んだ、ちゃんと動くじゃないか』

そして身近なY2K問題は、単なる正月ボケであることを確認した。

2000年1月8日(土)

夕焼けに燃える五重塔
画材屋さんからほとんど衝動買いしてきた、バーミリオンとカドミウムレッド。
この絵の具を使っただけで、その絵に価値が出るというもの、無理にでも使ってみたい。
今描いているのは、東寺の五重塔がモチーフ。一昨年旅行に行ってきたときに撮った写真を元に描いている。昼間の風景であるが、夕焼けに浮かぶ五重塔にしてみようと思いつく。バーミリオンの使いどころである。意を決し使ってみた。

夕焼け空に浮かぶはずの五重塔は、炎に包まれてしまった。

PS.上記題材の五重塔の絵をアップしました。興味のある暇な方、ぜひパロパロ画廊にお越し下さい。
  入場は無料、24時間営業しておりますご来場をお待ちしております。

2000年1月9日(日)

枯渇
実家に年始の挨拶に行く
・・・・もう松が取れているというのにこんな事を書くというのは、ご推察の通りである

弟夫婦が来ていた
生後1年半の子供がいる。既に部屋中を走りまわっているのだが‥‥

今日は古風なところでなぞかけ
‥‥ネタに詰まりは末期的状況を迎えてる‥‥

初孫とかけて バイアグラと解く
     その心は‥‥立った立ったと大騒ぎ

シモネタに走るようになっては・・・・
次回は最終回かもしれない

2000年1月10日(月)

年頭の辞
親会社の社長年頭の辞が場内放送で流された
ところが放送設備の調整が悪いのか、それとも作戦か‥‥よく聞こえない

みなさんあけましておめでとうござい・・・・・・・・
聞き耳を立てると突然大音量に

どのような新年を迎えられましたか
私は身の引き締まる思いで迎えました


たしかに身の引き締まる年頭の辞であった

2000年1月11日(火)

成人式
成人の日の出勤、かかってくる電話は少ない
職場を代表するAお局様に電話がかかってた

『Aさんいますか』
『お休みです、成人式です』
『あハハハ、二度目のね』

こんな日に休むと、陰で何を言われているかわからない。

2000年1月13日(木)

顔パス
作り話のようだが、実話である。今朝職場に猫がいた。
ニャーニャーという音がする。パソコンのハードディスクの起動音かなと思っていたら、実は猫の鳴き声。
どうやって入ってきたのだろう。
猫は机の下に隠れていた。覗いてみたらあっという間に飛び出してどこかに逃げていった。

『どこから来たんだろうね』
『きっと正門からだよ、顔パスなんじゃないの』

後の言葉が続かなかった。

2000年1月14日(金)

失禁
昨日のネコがまだ建物の中にいた。
悲しい声でニャーニャー鳴いている。人を恐れて逃げ回り、捕まえることも外に出してやることもできない。餌も水さえないところ。このままでは飢え死にしてしまう。可哀想だがどうにもできない。

そんなところへ自分が通りかかった。子供の頃から動物に接しているせいか、取り扱いには慣れている。
怯え振るえているネコをなんとかなだめ、落ち着付かせたところで、首筋を押さえさっと胸に抱いた。

多くの人が手をこまねいて何もすることができなかったところを、自分がわけなく捕まえることができたのである。

その瞬間、自分はヒーローになった。そして次の瞬間、ネコが自分の胸で失禁していたことに気付いた。

2000年1月15日(土)

三味線
新年会から帰る途中、高崎駅前で流しの三味線弾きが演奏しているところに出会う。

いわゆる津軽三味線だろう。けっこう若い男が弾いている。
人口25万にも満たない田舎町にこんな芸人がいるとは・・・・

夜10時過ぎの高崎駅、暖冬とはいえかなり寒い。
寒い夜空に響く三味線の音色は、ひときわ心に響く。
しばし時間の経つのを忘れ聞き入った。

そして演奏が終わった時、電車の出発ベルの鳴り響く音が聞こえた。

2000年1月17日(月)

地鎮祭
通勤ルートの途中、藁で円錐形に作られた高さ3mほどのオブジェ、先端に篠竹が立てられ、四方にしめ縄が張られている。

数日前に出現し、何だろうと気になっていたが、今朝みると、なくなっていた。
周りに焼けこげた跡、いわゆるどんどん焼きだったようである。

それまではずいぶん派手な地鎮祭だと思った。本気でそう思い込んでいた。

今、職場の人にその話しをしなくて良かったと、ホッとしている。

2000年1月18日(火)

IYAGARASE
先週の話であるが・・・・海外関連会社のエンジニアからmailが届いた。しかもかなりの長文である。英語がわかれば、苦労はしないのだが‥‥

序文はまあ言うなれば、新年あけましておめでとうから始まる挨拶文である。辞書の力を借りながら読み進むも健康、家族のこと、今年の抱負‥‥何なんだこのmailは

結局FAXを送るという内容。ほんの一行で足りることを‥‥

この英文を読むたためにどれほどの労力を使い果たしたか。けっきょく半日棒に振ってしまった。

きっと嫌がらせだったに違いない。

2000年1月19日(水)

鏡もち
会社の催し物で鏡もちの重さ当てクイズというのが行われた。鏡開きの日に計量し、重さの一番近かった人に、クイズに使った鏡もちと副賞として商品券が進呈されるという、豪勢なイベント。

鏡もちはガラスケースに納められていて、見ることはできるが、持ち上げることはできない。その鏡もちの重さを予想して記名投票する。なかなか面白いアイデアではあるが‥‥

鏡開きは1月11日だがイベント事なので、週末に行われた。

年末に作った鏡もち‥‥空調の効いた工場内、鏡開きの日まで無事もつはずはない。
仕事初めの1月6日にの時にすでに色とりどりの模様がついていた。それが1月14日まで放置されるとどうなっているかは想像に難くない。

一番近かった人には、その縁起ものの鏡もちを持ち帰ることになったようだ。

当たらなくて良かったと思ったのは自分だけだろうか‥‥

2000年1月20日(木)

『パロパロさん、串の通し方教知ってます』
食堂でいきなり声をかけてきたのは隣の職場のAさん。

なんとオタッキーな会話であろう。串を通すなんて、ネットやってる人でも知っている人はそう多くないと思う。まして一般人にはまったく解からないだろう。

『なんか外国の串通さないとダメらしんです』

・・・・第一動機が不純である。外国串を通す目的は一つ、ネットはもっと健全に使わねば‥‥

『まず外国串を探してこなければいけませんね‥‥ブラウザは何使ってんの‥‥だったら初期設定で‥‥アドレスとポートNo.‥‥』

なんだかんだ思いながらも、熱心に説明している自分に気付いた。

2000年1月21日(金)

洗わぬ理由
職場多くの人がMy coffee capを持ち自席でインスタントコーヒーを飲んでいる。このコーヒーカップ、ほとんど洗わないという人がいる。

『口に入れるものの容器をそんな粗末な衛生管理でいいの』
『人類は何百万年もの間、ごみだめ同様の環境で生活してきた。衛生だの抗菌だの言うようになったのはここ数十年のこと。これがかえってアトピーだの花粉症だのを増加させているのだ』

もっともらしい話しであるが‥‥しかしそれがコーヒーカップを洗わない真の理由ではないように思える。

2000年1月22日(土)

鍋の主役
久しぶりにスーパーに行った。
閉店時間が迫っているので、生鮮食料品が安売りされている。
白菜が1/2カットで70円。鍋物のシーズン、白菜は欠かせない。安いという先入観に誘われ‥‥何気なく買った。

家に帰って、買い物袋から白菜を取り出した。
予想はしていたが・・・・やはり、白菜だけでは鍋は寂しい。

2000年1月24日(月)

縄文土器
アトピー、花粉症の予防のためコーヒーカップを洗わないA氏。彼のコーヒーカップ、下地は白なのであるが‥‥茶渋が幾重にも重なり、すでに肉眼で凹凸がわかるくらいの厚みにまで成長している。
一般市場に出回っている陶器としての外観は失われ、縄文遺跡から出土したのではないかという様相を呈していた。

週末職場の同僚が、みかねて漂白剤につけてくれたようである。

週が明けた。偉大なる漂白剤の作用。みごとに再生していた。
しかし彼はそれを自分のコーヒーカップと認識できなかった。

2000年1月25日(火)

つばめ
お局様が髪を切ってきた。職場の若い娘の間では話題のようである。

『何かあったんでしょうかね』
『女の人が髪の毛を切るといえば‥‥不倫というの一般的だけど彼女の場合は、つばめかな』

『つばめ‥‥って』
『彼女が、夜アパートに一人いる。そこに男がたずねてくる‥‥あらどうしたのそんな蒼い顔して、黙ってちゃ分からないじゃないの、はっきり言いなさいよ‥‥あ〜ぁわかった、お金がないんでしょ。しょうがないわね〜、いくらなの‥‥たったそれっぽちのお金で、ハイ・・・・・・・・今夜は泊まってゆくんでしょ?今夜あたり来るんじゃないかとおもって、ちゃんとおでんを作っておいたからね。あんたの好きな煮抜き玉子もあるから‥‥というような男の人』

『パロパロさん、本人の前でやったら』
『・・・・・・・・・・・・ごめんなさ〜い

2000年1月26日(水)

小諸出張
隣の職場のA氏
部長に呼び出され、すぐに小諸(長野県小諸市、島崎藤村の千曲川旅情の詩で有名、軽井沢に近く標高が高いため冬は寒いところである)に出張することになった。

『どうしよう、俺、コート着てこなかった』
『小諸は寒いよ、氷点下だよ。あそこは真夏でも氷の張るところだから』
『また知らないと思って、そんな脅かして』
『ほんとだよ。ただ冷蔵庫の中だけどね』

最近、自分の話をじっくり聞いてくれる人が少なくなった気がする。

2000年1月27日(木)

パワー全開
今朝は、この冬一番の冷え込みらしい。
こんな日に限り、トイレで目が覚める。予定の起床時間より30分以上も早い。
中途半端な時間に起きてしまった。

しかたなく起きて、朝ネット。室温は5℃。なんという寒さ。

しかし、ファンヒーターの威力を見よ!
パワー全開

ピーピーピーピーピーピー・・・・・・・・

( ̄□ ̄;)・・・・・・・・燃料が切れた

2000年1月28日(金)

好青年
職場の若い衆が電気抵抗を測ろうとしているが、苦労しているようだ。

『パロパロさん、Hzって何です?』
『エッチゼット‥‥ああ、それはヘルツと言うんだよ、伊香保温泉行く途中にあるでしょ』
『あれは、ベルツの湯です』

『スイッチ切り替えてもΩにならないんですよ』
『あぁ〜そうかも知れないよ最近オームも名前変えたってゆうから』
『それはオウムです』

なんという好青年であろう。
こんなオヤジギャグでもすぐに突っ込んでくれるなんて。

2000年1月29日(土)

鑑定
はじめに:ホームページの 小さな旅に玉村八幡宮をアップしました。これから一週間、この写真を撮りに行った時に思いついたネタを書きます。出来はさほどでもありませんが、ホームページ共々よろしくお願いします。 パロパロ 敬白

ホームページの更新ネタを探しに近くの神社に取材(?)に行く。
けっこう伝統のある神社のようである。

由緒略記を記した碑文に、宝物として
後西天皇御宸筆の掛け軸、銘が菊一文字の太刀etc

お宝鑑定団に出すといくらになるのだろうか。

ものの価値をすぐにお金に換算してしまう自分の俗人根性がさもしい。

反省‥‥

でも本当にいくらになるのだろうか。

2000年1月30日(日)

慰霊碑
日清戦争戦没者慰霊碑が境内の片隅にあった。
慰霊碑の裏には明治三十年建立とある。さすがに古い。

歴史の重みがずっしり。

碑文は陸軍大臣公爵山県有朋、明治の厳君の書である。

鑑定に出すといくらになるか。

・・・・昨日と同じ落ちになってしまった。

2000年1月31日(月)

参拝
神社の参拝 のしかたは、二礼、二拍手の後願い事を唱え、一礼というのが正しい作法と聞いている。
もっともこんな参拝のスタイルは、テレビドラマ等でもめったにお目にかからない。

ホームページのコンテンツのお礼の意を込めて参拝

賽銭を上げ
鈴を鳴らし
二礼
二拍手
次に願い事は

家内安全、無病息災、夫婦円満、大願成就、怨敵退散、除厄除難、豊年満作、五穀豊穣、景気回復、国家安康、世界平和

一礼

今思うと‥‥あまりお礼の意味は込めていなかったようだ

palo@wind.ne.jp
Akiary v.0.51