閑有日記
閑有日記

小人閑居して不善をなす

パロパロ閑居して、日記をなす



1999年10月4日(月)

ウィンドショッピング
週末、妻のパソコンを買替えるつもりで、パソコンショップに行く。スポンサーは自分。妻のお下がりを自分がもらう予定である。
自分はMACであるが、妻はWindowsという、パソコンですらもすれ違い夫婦。
妻のパソコンは二年ほど前に購入したNEC NX Pentium 300Mz、性能的には古くはないが、事業所のLANサーバーをイメージした機種らしく、個人ユーザには不要な機能ばかり。また逆に欲しい機能がない。
何よりも畳と女房ではないが、パソコンも新しいほうがいい。
欲しい機種はやっぱり高い。何よりも17インチモニタのセット販売で、妻のパソコンデスクには載らないかもしれない。
そんなわけで、結局その日は冷やかしだけで、Windowsマシンの購入は見合わせた。
まさにWindowsショッピングであった。

1999年10月6日(水)

秋の夜長
『秋の夜長』。
照明設備もない昔ならば『秋の夜長』という言葉は合点がいく。
初夏の頃に比べ日没時間が1時間以上も早く、当然そのぶん夜が長くなるのである。
屋外での活動は制限され、屋内の薄暗い照明の中でできることなど限られていた。
しかし照明設備が発達し、夜も昼間と変わらない行動ができる昨今、ましてインターネットはどんなに日が長くとも、テレホタイムの頃にはとっくに日が暮れていて、夏だろうが秋だろうがかわらない。
そんな環境下では、『秋の夜長』などもはや死語であるはずだが、個人のホームページの日記を見るとけっこう使われているのである。
季節感のなくなった現代社会ですこしでも季節感を求めるという人間の心理というよりは・・・・
単に日記のネタに困って使っているだけなのかも知れない。この日記のように。

1999年10月8日(金)

健康法
仕事を休み、人間ドックに行く。
今年はどんな診断が下るか。
診断結果はだいたい見当がついている。
高脂血症:動物性脂肪、牛乳、玉子等の摂取を控えましょう。
霜降り牛はおいしいが・・・・玉子もだめ、牛乳も。イカの塩辛は最高だが・・・・控えねば・・・・

尿酸値の上昇:肉やアルコールの過剰摂取などで上昇します。肉、アルコール、果物の摂取に注意して下さい。
酒は飲まななくとも平気だが・・・・肉、果物・・・・これも控えねばならないか・・・・

コリンエステラーゼの上昇:糖質(米、麦)やアルコールの摂りすぎです。注意しましょう。
ごはんも麺もパンだめか・・・・

こうしてみると、自分の健康を保つのは食べないことが一番のようである。

1999年10月10日(日)

セキュリティ
自転車がまたパンクした。パンクの頻度が多過ぎはしまいか。
この一年で4回。別に砂利道を走るわけでもなく、整備されたサイクリングロードを走るだけである。
もう寿命は来ている。何しろ妻の友人の県立女子大生が卒業するときにもらったものである。
4年間使った自転車、捨てることもできない。かといって持ち帰るには荷物になる。人が乗っていれば自転車であるが、人が降りてしまえばほとんど粗大ゴミというしろもの。
そんな自転車をもらってきて、できるだけ錆を落として塗装し、曲がった泥よけ直し、皮の破れたサドルにカバーをかけ、金具が外れてぐらぐらになった鍵を直す。速度距離計を買ってきて取り付ける。
とはいっても、粗大ゴミは粗大ゴミ、変わろうはずもない。
そろそろ新しい自転車買おうかとは思うが・・・・しかしこんなボロボロな自転車でも新しく買い換える自転車にはないすばらしい利点がある。
鍵をかけなくとも決して盗まれることはないという利点が。

1999年10月15日(金)

清水の舞台
自転車がまたパンクした。いくらなんでも頻度が・・・・今年5回目、しかも前回のパンクから一週間も経っていない。冷静に考えれば寿命はとうに来ている。もう元は十分取っただろう。
さほど高いものでもない。40万円を超えるようなパソコンを買うよりはるかに安い価格。パソコンの値引き分で買える額ではないか。
しかし貧乏性のせいか、まだ十分使える物を買い換えるというのも何か釈然としないものがある。
会社の帰りに、近くのホームセンターに行ってみた。いろいろと種類があった。14インチのものから29インチのものまで。こんなにも種類があるのだ。あらためて知る種類の多さ。
見てしまうと欲しくなる・・・・ここは清水の舞台から逆さまに飛び降りたつもりで・・・・買ってしまった。
598円。チューブは意外に安かった。

1999年10月16日(土)

再生タイヤ
昨日意を決して買ってきた自転車のチューブ。今日はさっそく交換作業に取りかかる。
実はタイヤの摩耗が激しく、チューブを交換してもさほど効果は期待できないということが容易に予想できていた。なにしろタイヤがすり減り、中の繊維が所々ほつれ、骸骨状態。チューブが透けて見えるところもある。シースルーというよりはまさにスケルトン。
しかし自分には秘策があった。貧乏性は時に画期的アイデアを生むものである。古いチューブで摩耗したタイヤを内側から裏打ち補強すれば強度は保てる。新しくタイヤを買う必要もなく、ゴミとなってでるはずの古チューブが活用でき、古タイヤがゴミとなって出されることもない。地球環境に優しいきわめて合理的な修理補強方法。
古いチューブを適当な長さに切断。工作用のゴム系接着剤でタイヤの内側から張り付ける。スケルトン仕様のタイヤは見事再生し、これからの過酷な環境にも耐える強度を再び得ることとなった。
他人には単にタイヤ代金をケチっただけのこととしか映らないかも知れない。確かにその通りである。しかし動機は何にせよ、地球環境に多少なりとも貢献したのは間違いない。

1999年10月18日(月)

パンク修理名人
今朝さっそうとパンクを直したばかりの自転車で通勤したが・・・・なんと会社まであと1kmという地点でシュルシュルという空気が抜ける音・・・・またもやパンク。
下手の考え休むに似たり・・・・自転車のチューブを交換し、古いチューブでタイヤを再生するという画期的なアイデアはもろくも崩れ去った。
寿命の来たタイヤは補強しても別の場所がほころぶというわけである。
しかたなく自転車は人目の着かない場所に置き歩いて通勤。
退勤は7kmの道のりを自転車を押しながらの帰宅。
帰宅後さっそくホームセンターでタイヤを買きた。すっかりと日が落ち、懐中電灯の薄暗い明かりの下で小一時間ほどかかってタイヤ交換完了。
最初からチューブとタイヤを交換していればこんな面倒なことをせずに済んだはずであるが・・・・しかし3日分の日記のネタと、手探りでもパンク修理やタイヤ交換ができるほどの技術を身につけることができた。

1999年10月20日(水)

イタリア風皿うどん
閉店時間まぎわに、近所の八百屋さんに行く。ほとんど売り切れであったが、目的の大根とほうれん草はかろうじて残っていた。
『わるいねー全部売り切れちゃって‥‥』
あいその良いおやじさんが、サービスで売れ残りのトマトをくれた。その数は10個以上ある。生で食べるにしても1個か2個、食べきれそうもない。かといって捨てるのはもったいのない話しである。
名案が浮かんだ‥‥トマトといえば‥‥イタリアン。思い立ったところで、トマトの皮を湯むきして、冷凍庫の奥から細切れ肉を取り出す。
トマトは加熱するとすぐにどろどろになる。味付けはキャラメルみたいに包装してある固形コンソメスープの素。
少し煮込んでできあがり。多少すっぱいがなかなかいけるトマトソース。
そしてできたのがパロパロ創作料理、イタリア風皿うどん‥‥
偉大なる一口は‥‥
やっぱり麺はパスタにすべきであった。

1999年10月22日(金)

掃除当番
秋晴れのさわやかな朝を迎える。ひんやりとした風の中を今日も自転車通勤。いつもと同じ時刻に家を出る。
ふと今日は職場の掃除当番だったことに気付く。
ドタキャンしたところで、ペナルティがあるわけでもないが、会社での人間関係をうまく保つには気を配っておく必要がある。
いつもと同じペースでは間に合わない。20代の頃の体力にはかなわないが、まだ人並みの体力にはあるつもりでいた。
自転車を力の限りこぎ続けた。その刹那中野に、神山に、いや利根の川面を流れる風になっていた。
いつもは35分かかる道程をわずか20分で自席に着くことができた。
しかしその時すでに自分の体力は尽きていた。

1999年10月25日(月)

夢:深層心理
日曜日の朝、久しぶりに夢を見た。
夢で運勢を占う人がいる。深層心理の分析試料だと言う人もいる。自分の場合は‥‥とりあえず夢の内容は

1.日時:某月某日
2.場所:某刑務所
3.登場人物:自分、職場の同僚、刑務官、その他多数
4.物語:自分は懲役20日間という極めて短期の実刑を略式裁判で言い渡され収監される。同期入所者に会社の同僚がいた。彼は懲役2年6ヵ月。
入所のガイダンスの会場、大勢の入所者を前に刑務官が、刑務所での注意事項を話している。その間自分は『20日間の間、会社はどうしようか。とりあえず有給休暇がいっぱいあるので、どうにかなるか‥‥』ということを考えていた。
不思議なことに自分が何の罪で収監されたかについては一切触れられていない、また収監されたことに対して自分は何の疑問も持たなかった。

このような内容であった。
この夢を夢占い、深層心理分析するとどんな結果がでるのだろうか。
いずれにしてもあまり良い結果は期待できそうもない。

1999年10月26日(火)

雨ニモマケズ
先日受けた人間ドックの結果が来た。
予想通り、高脂血症、高尿酸値、高コリンエステラーゼ。多喰らい症候群である。
脂肪、蛋白質、炭水化物のいずれも摂取過多。早い話しがものを食うなということだが‥‥所見ではさすがにものを食うなとは書いていない。
軽い運動をしましょうということである。さすがお医者様、助言の仕方が違う。
毎朝夕、計一時間あまりの自転車での通退勤は軽い運動に当たるとは思うが‥‥さわやかなシーズンしか乗らないのでは、効果がないに等しいようだ。
雨ニモマケズ、風ニモマケズ、夏ノ暑サニモ、冬ノ寒サニモ負ケズ‥‥続けなければ効果はないようだ。
しかしそんな根性はどこにもないのである。
だからこそ今の自分があるのである。

1999年10月28日(木)

2000hit
今日の真夜中にパロパロホームが2000hitを達成した。
じつは2000hit達成の日記はぜひ書いておこう、記録に残しておこうと前から気にかけてはいたのだが、名文が思いつかず単なるやおい日記になっている。
冷静に考えれば2000hitはまだまだ駆け出しのカウント数であり、金字塔になりうるhit数でもなく、そこに達するまでの間、他人に語れるほどのドラマがあったわけでもない。
ただ数万、数十万というhit数を持つ人でも必ずや通った道であり、一里塚となって記憶に残っているに違いない。
パロパロホームページがそんな偉大なホームページになるとは思えないが、しかし『千里の道も一歩から』であり『ローマは一日して成らず』なのである。

1999年10月29日(金)

割り勘負け
本日泊まりがけの酒宴がある。
会場は会社からかなり離れているので、半日年休を取ってゆっくりと出かける。
会費がなんと24000円。この日のために一年間の一ヶ月2000円の積み立てをしていた。
豪華なホテルではない。スーパー銭湯に宿泊施設のついた、いかにも安上がりでできそうな会場。
当然ながら芸者、コンパニオン、酌婦を挙げての酒宴ではない、一泊朝食と酒宴の席だけで24000円なのである。
となれば食べ物とお酒に贅を尽くしているということになる。
・・・・割り勘負けしないようにがんばらねば・・・・

明日、二日酔いは必至である。

1999年10月30日(土)

天上の美味
二日酔い覚悟で臨んだ酒宴の席。酒豪揃いの酒宴の席で、割り勘負けしないようにするには・・・・尋常な手段では勝ち目がない。酒で敵を討つことは端からあきらめ、ここは一つ二次会の寿司屋でと・・・・

世の中に特上の寿司と言うものが存在することは知っていた。しかし直接お目にかかった記憶はない。
まな板を模して作られた皿の上には、わずか8ブロックほど。それは自分が時々行くことがある廻る寿司屋に登場するそれとさほど変わらないように見えた。
しかしその味は天上の美味と信じて疑わない。単価比較で5倍近くするものである。
感動の一口。嗚呼、自分が追い求めていた天上の美味とは・・・・
悲しいかな、いつも絵皿を気にしながら食べる寿司とさほど差がないように思えた。
自分が感動したのは味ではなく値札だったようである。

palo@wind.ne.jp
Akiary v.0.51