日本三大霊山巡拝
恐山参拝     ホテル〜恐山総門
恐山参拝     恐山山内 
高速バス「シリウス」・種差海岸・蕪島・三沢
 7月29日(日)
 三沢市内のホテルを4:20に出発する。恐山まで片道3時間を予定する。ホテルの前の道路を三叉路に当るまでまっすぐ進み、R338を
太平洋岸に北上し六ヶ所村から陸奥湾に抜ける県道へ入り、横浜町吹越からR279号線に出て北上しむつ市にむかう。左手に陸奥湾をへだてて、本州北端の下北半島が前方に広がって見える。国道279号線に出てから30分でむつ市。むつ市街を抜け、霊場恐山参道を登る。いく曲がりもアスナロの原生林を走り「恐山」扁額の掲げられた山門を越えると道は下坂になる。周囲10kmの宇曽利湖を左に見て進む硫黄の臭いがする。釜臥山(879m)を中心とした恐山が近づく。むつ市街地からここまで30分。6:32分恐山駐車場着。
 
「恐山菩提寺」は、比叡山・高野山と並ぶ日本三大霊山。本尊・延命地蔵菩薩を安置する地蔵堂に向い硫黄の臭う境内を山門からまっすぐな参道を進む。参道左手に釜臥山菩提寺の本堂。右手に宿坊、本堂の先には供養堂がある。この他、20万坪の境内には、湯治小屋と境内の奥、宇曽利湖畔に賽の河原地蔵堂がある。
 「死ぬと地獄に堕ちるかもしれない。」子供の頃に絵本で見た地獄世界の恐怖が蘇ってくる。
 恐山は、今を遡ること一千ニ百年の昔、平安時代の初期に比叡山第三代座主、慈覚大師円仁(794〜864年)により開かれた寺。現在、16世紀の前半以降、曹洞宗円通寺の管理下にある。

 「人が死ねばお山(恐山)に行く」という、日本では古来より死者の霊は山から昇天し、春には田の神になり戻ってきて恵みをもたらし、秋には山の神になり帰っていくという先祖崇拝の篤い祈りの心をここに見た気がした。 

 18才の時に日本天台宗の恵心僧都源信(942〜1017年)の著「往生要集」で知った地獄の世界。この地獄の風景を見る恐山にどうしても参拝したいという夢がかないました。子供の頃に見た「地獄と極楽」の絵本も売店で偶然見つけることが出来ました。恐山は来世と現世をつなぐ信仰の山です。霊場と呼ぶにふさわしい景観に圧倒されました
。  
 7月29日
 4:20にホテルを出発。太平洋に昇る朝日。(4:40頃)
 三沢市「浜三沢」付近。
 「吹越駅」 5:27(ホテルから51キロ)
 六ヶ所村から県道をぬけR279に入る手前にあります。
 踏み切りを渡り三叉路を右折しむつ市に向かいます。
 はるか向こうに下北半島を望む。
 横浜町大字大豆田「サンシャイン」より。
 むつ市内を抜け、山道を10Km上ると「霊場恐山」の山門があります。
 下北半島と言えば恐山と言えるくらいの有名な霊場です。
 恐山一体は全山南部ヒバ(ヒノキアスナロ)の原生林です。木曾ひのき、秋田杉とならんで古くから日本三大美林の名で知られています。
 「ヒバの花盛りは、雪のしんしんと降り積もる一、ニ月の頃でございます。雪とともに空中高く舞い上がって実を結び、地上の雪に根づいて、百年、それは生命の極限を越えてやっと成木するという、北国特有の銘木でございます。」
 (森勇男著「霊場恐山と下北の民族」より)
 ここから曲がり坂を降りていきます。
 恐山菩提寺手前の宇曽利山湖畔。
 坂が終わると硫黄の匂いが鼻につきます。左は宇曽利湖です。辺りは浜辺のような静かな「極楽の浜」です。恐山一帯は休火山で、いたるところから亜硫酸ガスが噴出し、白い岩肌は焼けただれてところどころ真っ黒に変色しています。そういった風景があたかも地獄を連想させるのでしょう。今でも金堀地獄、無間地獄、修羅地獄、血の池地獄など数多の地獄が恐山にはあります。静寂と殺伐とした景色が広がります。
 写真右奥に、恐山菩提寺が見えます。宇曽利湖は、硫黄が流れ込み酸性が強いため、生き物は生息できないそうです。
 湖は蓮華八葉といわれる、鶏頭、地蔵、剣、大尽、小尽、北国、屏風、釜臥の八峰に囲まれています。
 いたるところに積まれた石山があり、無縁塔、御霊石、地蔵菩薩がまつられています。
 
 タイコ橋と三途の川
 三途の川で霊界と俗界とに分け、人間が死後必ず渡らなければならないと信じられた川の名です。総門の少し手前にあります。
 十王経によれば、冥土へ渡るのに、死者の山路を越えれば川に至る、そこに渡し場が3つあるという。
 世のため善をつくした人は「橋有渡」なる橋を渡り、時には少々の嘘や悪いこともあったが、心やさしく人に尽くしたこともある者は「山水瀬」なる浅瀬を渡る。人を殺したり、強欲無限の悪人は、簡単に仏の世界へは入れぬもので「江深淵」なる深い奈落の川底を通らなければ冥界へは入れない、これが冥土の掟である。
 (森勇男著「霊場恐山と下北の民族」より)
 三途の川のたもとには地蔵菩薩がまつられ、石山にはさい銭や供え物があります。
 宇曽利湖に注ぐ三途の川。どんよりした空と静寂の湖面が雰囲気を盛り上げます。
 恐山総門
 6:32分着。(ホテルから98Km)
 右手には、入山受付所、食事処、売店、トイレがあります。
 左手には、六大地蔵がまつられています。

 六大地蔵
 総門左手に立つ地蔵菩薩
 
 恐山奥の院
 地蔵菩薩は中心にして不動阿字の本体なり若し衆生有って是の心知らば決定して成就す「仏説延命地蔵菩薩経」より
右の一句は地蔵菩薩と不動明王のニ而不ニを意味し不動明王は地蔵菩薩の化身というのであります。それ故に当山本尊伽羅陀山地蔵大士を中心に、奥の院地蔵山不動明王、奥の院釜臥山嶽大明神本地釈迦如来が一直線上に奉納され三者が一体であることを意味しております。
 当山は伽羅陀山地蔵大士を本尊に仰ぐ霊場であります。地蔵菩薩の「地」という文字は大地をあらわし「蔵」は生命を生み出す母体、母の心をあらわしております。人に踏まれても、ひたすら人をささえていく大地と子の痛みを我が痛みとしてしかとうけとめてくれる母の心こそ地蔵菩薩そのものであります。
 即ち、釈迦如来の附●を受けた本尊の慈悲心と一切の煩悩を打ち砕く確固たる不動心の現●が蓮華の花びらのような八峰(地蔵山・大尽山・小尽山・北国山・釜臥山・屏風山・剣の山)に囲まれた蓮華台の如き恐山そのものなのであります。
 ご参拝の皆様「釈迦地蔵不動一体儀」の元、右の三聖地をお参りなされる事によって、当山参拝の結願が決定成就されるのであります。
 霊場恐山恐山菩提寺  (案内板より)
     
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