静電気
身近に起こる電気現象の一つに静電気があります。摩擦によって起こるため、摩擦電気ともいわれます。
下じきをこすって頭にかざすと、かみの毛が立ったりします。この力のもとが静電気なのです。また、冬などの乾燥した季節に、自動車から降りるときに、「ビリッ」とくるもの静電気が原因です。
では静電気はどうして起こるのでしょうか。
物体はどのようなものであれ、その中にプラスのイオンとマイナスのイオンが同じだけ含まれています。(左の上の図)
プラスのイオンとマイナスのイオンというのは電子と電荷のところでお話した原子核(プラス)と電子(マイナス)と思ってください。 ここで物体どうしを密着させてこすると、物体によってはマイナスイオンが相手側に移動することがあります。(左の中央の図) プラスとマイナスのイオンが同じ数なら電気は帯びませんが、どちらかが増える、あるいは減ると電気を帯びるようになります。帯電といいます。 マイナスイオンが減るということは、プラスイオンが増えたことと同じですから、プラスに帯電します。マイナスイオンを受け入れた、マイナスが増ることですから、マイナスに帯電します。 磁石のN極とS極のように、プラスに帯電した物体ととマイナスに帯電した物体はお互い引きあうことになります。 これが静電気のしくみです。 |
電子と電荷のところで書きましたが、電流とは電子の流れです。
ところが静電気は電子の流れがほとんどありません。
これはちょうど普通の電流が川の水の流れのようなものに対して、静電気は湖のように水が流れないものだと思ってください。
静電気で電流が流れたら大変なことになります。
なぜなら下じきをこするだけでなく、人間がカーペットの上を歩くだけでも静電気が発生し、その電圧は2000Vにもなるからです。
この状態で電流が普通に流れれば・・・・・(笑)
静電気の電圧に対してどのように感じるか、つぎのとおりです。
静電気の電圧(V) 電撃の強さ 1000 全く感じない 2000 指の外側に感じるが痛まない 3000 針に刺された感じを受け、チクリと痛む 4000 針で深く刺された感じを受け、指がかすかに痛む 5000 手のひらから前腕まで痛む 6000 指が強く痛み、後腕が重く感じる 7000 指、手のひらに強い痛みとしびれた感じを受ける 8000 手のひらから前腕までしびれた感じを受ける 9000 手首が強く痛み、手がしびれた重みを受ける 10000 手全体に痛みと電気が流れた感じを受ける
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