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交流と直流


■交流と直流

電気と一口にいいますが、私たちの身近にある電気といえば、壁のコンセント(100、または200V)と乾電池でしょう。同じ電気でも、この二つは根本的に違っています。
電圧の違いではありません。壁のコンセントは
交流であり、電池は直流なのです。電気の種類を大きく分ければこの2種類になります。

直流とは乾電池、自動車のバッテリーのように電圧は常に一定です(消耗していなければ)。
乾電池は1.5V、自動車のバッテリーは普通は12Vです。
もっとも使っているうちに電圧は次第に低くなってきます。

これに対して交流は左の図のように時間に対して一定の周期で電圧が変動します。家庭用交流電源の場合60Hz50Hzがあり、糸魚川静岡構造線(新潟県親不知−長野県諏訪湖−静岡県安倍川の断層ライン)の東側が50Hz、西側が60Hzとなります。
しかし例外もいくつかあって、例えば静岡県富士市と富士宮市では両市を流れる富士川を境にして50Hzと60Hzが混在するようです。(
Wikipediaより)

こうなったのは明治時代、日本に電気を普及しようとしたとき、東京ではドイツ製の50Hz、大阪ではアメリカ製の60Hzの発電機を買ったことが原因のようです。その後統一せずにずるずると今日に至ったわけです。

《注意》
Hz(ヘルツ)と言うのは
周波数の単位で、1秒間の変動数を指します。左の図でこの変化が1秒間でおこったなら、この周波数は1Hzです。

多くの電気機器(テレビ、パソコン、電話・・・)の内部回路は交流のままでは使えず、交流を直流に変換しなくてはなりません。それだけではなく、電圧も必要に応じて変換します。
例えばパソコンのCPUは直流数Vで動作するので、交流100Vを直流、しかも数Vに変換するのです。

なぜ家庭用電気が交流なのか、わざわざ交流を直流に変換するのか、理由はここにあります。
交流はトランスと言う部品を使えば簡単に、何種類もの電圧を作ることができるのです。トランスについては
電磁誘導のところに書きました。

先ほど交流は時間に対して一定の周期で電圧が変動する、と書きましたが、例えば音声信号のように実に複雑に変動する波形もあります。音楽では楽器の種類だけ周波数が違いますし、音の大きさ(電圧の大きさ)、音色(波の形)も違います。

音声も楽器音もマイクを使えば左のような電気信号に変換されます。電気工学ではこのような波形も交流と呼んでいるのです。


■まとめると

種類 特徴
直流(DC) 時間が変化しても電圧は一定
電池
交流(AC) 電圧が時間と共に変化する
トランスを使って電圧を変えることができる
家庭用電気、
音声信号、
電波

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