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なんでも雑記帖(2007年版)


オフ会と6BQ5アンプ

7月15日、私は高崎のジャズ喫茶蔵人(クラート)で真空管アンプの試聴会を主催した。
集まった方々は新潟からまっはさん、東京からマダムさんと春夏秋冬くん、前橋からmiyukiさん、栃木からはriririさん。
マダムさんと春夏秋冬くんはmiyukiさんと会うのは初めてになる。

前日までは台風で開催が危ぶまれるほどで、実際TAKASHIさんは当日も列車が動かずキャンセル。マダムさんと春夏秋冬くんは、普通列車はダイヤが遅れているので新幹線でのお越しだった。
幸い当地では朝から雨も止んでいて無事開催できた。

アンプは私の作品2点(300B-S、6BQ5-PP)と、UZIKEさんの2A3-PP。
6BQ5-PPはピエロのマスターに頼んで借りたし、2A3はまっはさんがわざわざ持参してくださった。感謝&感謝!

参加者は前記5人。
それと店のマスターの呼びかけで来られたお客様で、幸い盛況のうちに終わった。

試聴は、まず前座(笑)として私の300Bシングル。続いて6BQ5プッシュプル。最後に2A3の順で行った。

この日の話題を一番集めたのが6BQ5だった。
コストは300Bの1/10、出力は約2Wである。
コストも出力も音質も皆さん信じられなかったようである。

無理もない。
製作者の私さえ信じられないのだから(笑)
ネット仲間の方ではないが、2W程度の出力ではお店の大型スピーカー(JBL Project2)は鳴らせないと思っていた人がいたらしい。

正直言って私もどうかなあ、と音を聴くまでははらはらしていた。
でも実際には・・2Wという音量はけっこう大きいんだなあと納得した。

試聴会は無事終了。
その後は miyukiさん、riririさんは残念ながらお帰りになった。
私たちは高崎駅前で飲み会、マダムさんは途中で帰り、私はまっはさん、春夏秋冬くんと一緒に6BQ5の返却を兼ねてジャズスナック・ピエロに行く。
ここでも話しに花が咲き、楽しく有意義な一日が終わった。
そして翌日、新潟地震ではまっはさんは高崎駅に足止めになり、春夏秋冬くんもまっはさんに付き合うことになるのだ。


その数日後、私はまっはさんから、あの6BQ5アンプを作ってほしいとメールを受け取った。
それはいいけれど、シャーシーはどうするのか・・・アンプ作りで一番大変なのが箱作りである。

私: 一番標準的なデザインは、弁当箱みたいなアルミ箱を加工することです。それでいいですか? (←安易に済まそうとしている私)
まっはさん: いやいや、あのデザインが気に入ったのよね〜。是非あれにしてよ。
私: あ〜そうですか〜。
今まで何台かアンプを作ったけど、あのデザインは私も一番気に入ってるんですよね〜。

実は、あのデザインは木をくり抜いたり、塗装したり、手間がかかる・・・と言いたかったが、実際私も気に入ってるデザインなのでイヤだとは言えない(笑)

ということで同じデザイン、同じ回路で作ることになった。とはいえ完全に同じではなく、相違点は次のとおりである。

  前回 今回 変更理由
初段: 12AX7
(松下)
12AT7
(日立)
12AX7ではゲインが高すぎると思ったため
6BQ5: 東芝 SOVTEC 手持ちがないため新たに購入
負帰還: 6dB 2.2dB 少な目の方がジャズには好ましく聴こえたため
平滑回路: 100Ω抵抗 1Hチョーク フィルター効果と発熱抑制のため。

実際の作業は9月になってからはじめたが、二度目ということもあって進みが早い。
細かい失敗はあったものの(笑)、シャーシー加工3日、配線2日、調整2日。正味7日で完成した。
音質は初段の内部抵抗が低いせいか前回よりも良いように思えるし、私の標準機の300Bに近いものがある。

デザインは前回とほとんど変わらない

 

私は今まで何台かのアンプを作ったが、不思議と共通の「何か」があるような気がする。もっとも他の人でも、自作する人はこういうことを結構経験しているらしい。回路や部品が違っても同じ人が作ったアンプは同じような音質の傾向があるようだ。


国立オフ会(2007/05/04)

国立のNo Trunks で開かれるオフ会は、今年で3回目になる。
GW中はどこへ行っても混雑しているので、家にいてヒマを持て余している私にとっては恰好のイベントである。ネット仲間には会えるし、美味しいお酒は飲めるし・・(私はこれが目的かな? 笑)

我家の最寄駅はJR高崎線の新町駅だが、国立までは普通列車で約2時間の距離だ。
12時40分発の列車に乗り、15時には現地到着。
すでに皆さんお集まりで、初参加の方もいたのでドラさんの自己紹介がはじまるところだった。

年齢順(^。^)なので、私は3番目。
自己紹介と供に持参したCDを紹介する。
CDは私がオーディオチェックに使っている Stardust / 吉田賢一。

早速かけてもらうが・・・あれれ? ちょっと音がヘンだなあ。
一昨年、去年と聴いた限りでは、ALTEC A7らしいハリのある音だった。ちょっと響きすぎるが店の構造上やむを得ない。

しかし昨日は
中・高域は影を潜めて低音だけやたらと出てくる。それも、あまり良い音ではない。
後でマスターに聞いたらアンプが故障して代替機を使っているとのことだった。

その後も集まった方々の自己紹介とCD紹介が続く。
皆さん、それぞれ思い入れのあるCDをかけるのだが、最後の方になると酔いがまわってくるし、お喋りをしているし、何がなんだかわからなくなってくる・・(笑)

18時で一次会(?)は終了。何人かの方がお帰りになる。
私の隣の席にいた初参加の9101さんとはご挨拶できたが、その隣にいらしたozaさんとは話をする機会がなかったのが少々残念。

20時になると太田朱美さんのライブがはじまる。
この人の演奏ははじめて聴く。
リハーサルで彼女の出す音を聴いたが、本当にいい音をしている。本番が楽しみだ。

演奏がはじまると、やはり実にいい。
All The Things You Are、Speal Low。
知ってる曲はこれだけだったが、約1時間の1ステージ。
私はエリック・ドルフィーをイメージしたが、GAKOさんも同じように感じたらしい。1ステージ終了後、太田さんとは短い時間だがお話することもできた。2ステージも聴きたかったが、もう帰らなくては・・。

この国立オフ会は今後も恒例行事になるだろうか。
ネット仲間と会う機会はありそうで、なかなかないから貴重なイベントである。

ライブも兼ねたオフ会。本当に楽しめました。
幹事役のマダムさんには心からお礼申しあげます。

マダムさん、ドラさん、益満妙さん、GAKOさん、ねひつじさん、masakiさん、Atomyさん、riririさん、TAKASHIさん、春夏秋冬くん、それと初参加の9101さん、ozaさん。お世話になりました。楽しいお話をありがとうございます。


(写真提供 春夏秋冬くん)


トランス加工(2007/01/14)

気がつけば1月も中旬になります。
年々『正月らしさ』は薄まってきているとよくいいますが、逆に『正月らしさ』ってなんだろう?とも思います。

さて私のオーディオで懸案事項だったMCカートリッジ用の昇圧トランスをリメイクしました。LP用のカートリッジは大きく分けてMM(ムービング・マグネット)型と、MC(ムービング・コイル)型の二種類に分類されます。
動作原理はどちらも電磁誘導の応用ですが、呼び名のとおりMM型は針の末端に付いている磁石を、MC型はコイルを振動させて発電しています。
それぞれ長所・短所はあるのですが、MC型の発生する電圧はMM型の1/10位なのでそのままアンプにつないでも実用にはならず、なんらかの方法で電圧を10倍位高める必要があります。方法とは専用のアンプで増幅するか、あるいは専用のトランスで昇圧するということです。

日本の代表的MC型カートリッジといえばDL103(DENON製)というものが有名です。というのは、これはかつてNHK-FMのスタジオで採用されていたからです。1970年の発表以来、今日現在でも現役で販売されているという、日本の工業製品のなかでは稀に見る息の長い商品なのです。

DL103の紹介サイトです。

http://denon.jp/museum/products/dl103.html

http://denon.jp/museum/products/dl103_2.html

私は学生時代このDL103と専用の昇圧トランスAU310を買って持っていました。その後買ったのがSHURE V15TYPEV(MM型)というものです。DL103はいつの間にか行方不明になってしまいました。おそらく引越しか何かの時、ゴミと間違えて捨ててしまっのたかも(笑)

こうしてV15TYPEVは20年近く使うことになりました。
やがて主にCDを聴くようになってLPの出番はめっきり少なくなりましたが一年前、イコライザーを作ってからは、しばしばLPを聴くようになりました。そうなると気になるのは針先の磨耗です。もう交換針はありません。

そこで新たに買ったのがDL103の上位グレードになるDL103Rです。
しかし買ってはみたものの・・・あると思っていたトランスがないではないか!
DL103といっしょに無くなっていたことに気がついて愕然・・・・。

昇圧用のアンプを作るか、トランスを買うか・・・・そんなことをドラさんの年末恒例の『今年のBest3 掲示板』に書いたら、なんとドラさんから『AU310を持っている。今は使っていないから差し上げる』とのご返事をいただきました。ラッキー♪
数日後送られてきたトランスをつなぎ、カートリッジをDL103Rに交換。
現在の装置ではじめて聴くMCカートリッジの音です。
メリハリといいましょうか、分解能といいましょうか、V15TYPEVより一段上ですね。スピーカーと耳の間にあった仕切り板が取れたような気分です。

いただいたトランスは経年変化で入・出力端子類が変色していますので、新たにケースや入・出力端子を買って組みなおしたのがこれです。穴を開けるだけなので2時間程で完成しました。


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