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スピーカーの構造


■原理

LPカートリッジの原理は針先の振動がコイル、あるいは磁石を動かして、その結果電磁誘導によってコイルに電気が発生するのでした。
では、こんな↓ことが現実として起こり得るでしょうか?

針先を振動させてカートリッジの出力端子に電気が発生するのなら、その出力端子に電気を加えれば、逆に針が振動するのではないか・・・・。

そうなんです。交流電気数mVをカートリッジの出力端子に加えれば、先端の針は振動するんです。
これがスピーカーの原理なのです。
コイルに交流電流を流せば、コイルが固定していれば磁石が、磁石が固定していればコイルが動くのです。これは電磁誘導のところでお話したフレミングの法則に従っています。

普通のスピーカーは振動板、コイル、磁石からできています。
コイルに電気信号(音声信号)を流せば、フレミングの法則によってコイルにつながっている振動板が前後に振動して音になるのです。

これが現在もっとも多用されているダイナミック・スピーカーの略図です。

もっと細かく描きましょう


早い話がボイスコイルと呼ばれているコイルに電気(アンプの出力)を与えると、周囲の磁力と反応して力が発生します。この力でコーン紙(振動面)を振動させるのです。
このコーン紙の振動はさらに空気を振動させて、それが空気圧の変化となり、音声となって聞こえるのです。

・・・と原理は一応簡単です。
しかし慣性の法則というものがあります。
これは運動する物体はいつまでも運動し続けるというものです。自動車で急ブレーキをかけてもなかなか止まらないのはこのためです。

スピーカーのコーン紙も同じなのです。
極端なことをいえば、振動しているコーン紙は、加える電気がなくなっても(つまり音楽が終わっても)振動し続けることになります。
これを防ぐためには(制動がよい、といいます)コーン紙の重量は可能な限り軽くなくてはなりません。

一方で、スピーカーは低音から高音まで再生できることを求められています。
しかし1本のスピーカーで低音から高音まで再生するには限界があるため、分業化(マルチウェイ)も行われています。

つまり低音再生にはコーン紙の直径は大きい方が有利で、高音再生には小さい方がよいのです。
低音再生用のコーン紙は直径が大きい・・・重量も増えます。すると・・・・・。

つまり制動をよくするのと相反することになるのです。

スピーカーの制動能力は単純にコーン紙の重量だけで決まるものではありませんが、一方をたてれば他方がたたず、ということになるのです。


■マイクロフォン

スピーカーは電気信号をボイスコイルに与えて、コーン紙を振動させるものです。
では逆にコーン紙の前で大声で叫んだら、ボイスコイルには電気は発生するでしょうか?

発生するんです。
それがマイクロフォンです。マイクとスピーカーの構造はほぼ同じなのです。
ただし、マイクにもいろいろ種類がありますが、左の図はダイナミックマイクの構造です。

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