LPレコード
■LPレコード
SPレコードの録音時間はわずかに3分間。
もっと長時間録音をしたいと言うのは技術者、音楽ファンの夢でしたが、1948年、アメリカのゴールドマークによって実現しました。
LP(Long Play)レコードの発明です。
材質をそれまでのシェラックから塩化ビニールとして、録音溝のピッチを小さくし、回転数も78回転から33・1/3回転にしました。LPを実用化したのはコロンビア(アメリカ)で、RCAは対抗上EP盤を発売します。いわゆる45回転シングル盤で中心孔が大きく、ドーナッツ盤とも呼ばれました。そしてステレオ技術が確立されるとLPも早速ステレオ化しました。
図のようにステレオ録音されたLPには、角度90度(左右45度づつ)の溝があるため、別名45/45方式とも呼ばれます。 音の部分は外側(あるいは内側)に向かって削られているため中心(溝の谷底)は左右に移動しています。 |
■カートリッジ
LPに刻まれた音を拾うのがカートリッジの役目です。
MM型とMC型の2種類が一般的です。
基本編の電磁誘導のところで、コイルのそばで磁力を変化させると、コイルの両端に電圧が発生する、と書きました。
覚えていますか?
カートリッジはこの原理を応用したものです。
針の付いている細い棒をカンチレバーといいますが、反対側には磁石かコイルがついているのです。 この磁石、あるいはコイルは針先の振動によって動き、その結果コイルには録音された信号に応じた電気が発生するのです。針先の振動で磁石が動くタイプをMM(ムービング・マグネット)型、コイルが動くタイプをMC(ムービング・コイル)型と言います。 左のカートリッジは私の手持ちのものです。 |
たとえばMM型カートリッジの構造は次のようになっています。
レコード針はカンチレバーという細い棒の先端についています。磁石は針とは逆方向にあります。 MM型カートリッジでは簡単に抜き差しできます。 針先の振動はカンチレバーを伝わって磁石を振動させます。 磁石の周囲には、コイルがありまして、磁石が振動することによってこのコイルに電気が発生するのです。 |
カンチレバーは図の右下のようにサスペンションゴムというもので支えられています。またMCカートリッジの場合、MM型とは逆にカンチレバーにコイルが取り付けられています。
両者の主な特徴は次のとおりです。
タイプ 可動部分 出力電圧 針交換 その他 MM 磁石 高い(2〜5mV) 簡単 量産性が高く、製品のバラツキも少ない MC コイル 低い(0.2〜0.5mV) 不可 振動系が軽く、トレース能力が大きい
出力電圧が低いため昇圧トランス、ヘッドアンプを要する