不定形生物・ゲルクリーチャーの代表格。近親種として、ブロブ、ウーズ等があげられます。
スライムはRPG界で最も知られ、最も勘違いされているモンスターだと思います。
最弱。経験地の足しにもならない。それがRPGでのスライムの位置付けになっています。
しかし果たして、スライムはそんなにも弱いのでしょうか?
原生生物アメーバを巨大化したもの。これが、もっとも正しいスライムの表現でしょう。
実は植物であるとか、泥水に生命が宿ったものだとか、魔法によって生み出されたもの等、その正体には、いろいろな説があります。そもそもがよく解らない生き物なのです。
身体は半液状で強酸を含み、その酸で生物を溶かして、体に取り込んでしまいます。
主な生息場所は洞窟、地下室などです。基本的に、暗く湿った場所を好みます。本来、地上で遭遇することはありえないのです。これは、自身の性質によるためです。つまり、半液状である以上、その身体の大部分は水分でできています。その水分が気化してしまうのを防ぐ能力が、彼らには無いのです。それゆえに、常に一定の温度、湿度の地下を好むのです。
彼らの攻撃方法は強酸によるものです。それは攻撃とともに、彼らの食事でもあります。彼らの唯一無二の本能である食欲を満たすために、彼らは待ち伏せと言う手段をとります。天井に張り付いたり、時には水溜りに擬態(?)したりしているのです。待ち伏せている下を通ったり、自分の身体に足を踏み入れたときに、獲物を包み込み、酸で溶かしてしまうのです。あるいは、落とし穴の底にひそむこともあるでしょう。落ちてきた獲物には逃げ場は無く、落ちた衝撃で弱っているのだから、確実に獲物にありつけるのです。
では、彼らを倒すにはどうしたらいいのでしょうか。棍棒で叩けば倒せる? そんなことをしても餅をついているのと何が違うと言うのですか。では剣や槍ではどうでしょう。もともと液状である彼らは、斬ったり突いたりしたところで、再び元に戻ってしまうだけです。つまり、彼らには物理的攻撃は効かないのです。では、彼らを倒すことはできないのでしょうか? いや、そんなことはありません。彼らを倒すもっとも有効な手段は炎なのです。意外にも、スライムの身体というのは、良く燃えるらしいのです。
さて、お気づきでしょうか。スライムに身体を覆われてしまったら、どうすることもできないということに。たとえ、仲間が武器で攻撃したとしても、それはまったく効かず、かえって中にいる仲間の死期を早めるだけなのです。あとは、決死の覚悟でスライムに火を放つしかありません。さもなければ、生きたまま溶かされるのみなのです。
意思を持つ液体の恐ろしさはわかって頂けたでしょうか。スライムというのは意外にも恐ろしい生物なのです。けっして雑魚モンスターに扱われるべきではないのです。が、正直ここまで忠実に再現してしまったら、ゲームにならないのも事実であります。
一度、自分の小説に出したいものです。