平成11年第4回 境町議会定例会
一般質問
| 質問者 | 斉藤 まさる |
| 質問要項 | 1.行政評価について 2.ゴミ問題について |
| 日 時 | 平成11年12月7日 |
地方自治の世界で、「行政評価」が話題となっております。「少ない負担で大きな満足」を住民に提供するためには、行政の役割を再確認し、行政の業務を効率化することが必要です。そのために行政の各部門に成果指向かつ顧客志向の、数値による行動目標を設定し、達成の度合いを第三者の視点から定期的にチェックして、その結果を積極的に 情報公開していく手法が行政評価であります。
この行政評価がクローズアップされてきた背景としての、現在の一般的な自治体のおかれた環境を私なりに申せば、
第一に、財源がない。そして新たな負担増(増税)は難しい。
次に、介護をはじめとする社会保障関連費は増加する。
三番目に、急激な経済成長は望めない。
四番目として、地方債の償還のメドはたっていない。と言うことになろうかと思います。
この背景について、町長は境町の現状をどうご認識していらっしゃいますか。おたずね致します。
この状況を見据えた場合、取れる選択肢としては
一番目に、優先度の低い行政サービスは思い切ってやめる。
次に、必要ではあるが行政がしなくてもよいサービスはNPOや企業などの民間に任せること。
三点目がするべき行政サービスに集中投資し、質を上げること。
四つ目が、無駄遣いはしない。そして厳しくチェックする。
などに限られてくると思いますが、いかがでしょうか。おたずね致します。
そこで行政がおこなったことの成果を確認し、住民に明確に示していく姿勢が必要となってきます。現在、評価制度については統一的な見解はなく、議論が錯綜している状況ですが、わたしなりにまとめると次のようになります。
行政評価は「政策評価」と「施策評価」と「事務事業評価」の3つに大別できます。
まず政策とは、大局的な見地から市町村が目指すべき方向や目的を示すものであり、おおむね基本構想の大きな柱に相当するものです。包括的な性質をもちます。
次に施策とは、政策という上位目的を達成するための具体的な個々の方策であり手段です。
もう一つの事務事業評価は、現場での自己分析でありミクロ的なものであります。事務事業は政策目標を達成するための具体的なプログラムである施策を構成する最小の単位です。静岡県の業務棚卸表のシステムがこれにあたります。さる11月26日に報道された群馬県の新評価制度は、この事務事業評価のみに止まっていた制度に、施策および政策評価制度を加えていく趣旨のものです。
具体的に「在宅で介護を受けられるサービスを拡充する」という政策選択を例に取れば、施策には「デイケアセンターの定員をあと100人増やす」であるとか「在宅介護サービスを担う民間法人を誘致する」とか「ホームヘルパーの有資格者を100人増やす」などがあがってきます。そこでさらに、ホームヘルパーの有資格者を増やすために「年5回の講習会を開く」等の多くの具体的な事務事業がおこなわれることになります。
政策評価においては、数値化の設定が可能と思われる政策目標を選定する作業を行います。住民との直接の対話を通して、ニーズにあったしかも分かりやすい評価ができることになります。この指標目標は、ベンチマークと言われています。
これらの行政サービスを提供した後の業績結果をインプット、アウトプット、アウトカムといった業績評価指標で追跡・監視します。インプットとは予算の投入量のことです。安全な道路と近隣環境整備を例に取れば、かかった予算と実際のコストがこれにあたります。アウトプットは、事業の活動量のことであり、サービス提供時間や提供されたものの数量の形をとります。例で言うと新しく整備された照明の数などです。アウトカムとはそれによって地域や政策ターゲットに実際に起こった変化やインパクトといった意味です。政策の成果です。例で言うと全体の道路に対する安全な道路の割合ということになります。
行政評価の指標の数値を判断する主体をどう設定するかも重要なポイントです。これには内部評価と外部評価があり、具体的には行政自身・議会・市民・マスコミ・専門家等々が考えられます。
今年6月に実施された三菱総合研究所の調査によれば、行政評価を導入済みの都道府県は43.2%、試行段階は20.5%に達しているそうです。市や区では導入済みが17.9%、試行段階が6.1%だとのことです。隣りの埼玉県では全92市町村のうち65団体が、全く取り組んでいない状況にあります。そして群馬県の市町村においては、現時点での導入は皆無であります。
自治省から県の地方課長を通して、町に対して「市町村における行政評価に関する研究にかかる協力依頼について」という、行政評価の試行の呼びかけが来ていると思います。これはインターネットの自治省のホームページで見ました。自由参加ということでしたが、境町としてはどういう対応をなさいましたか。おたずね致します。平成11年9月30日付けで行政体制整備室から出ていると思います。
わたしは、評価制度は、住民の生活の身近なところでサービスをおこなう市町村でこそ導入を急ぐべきだと考えます。住民参加のベースは、やはり直接に住民と接触する市町村であるべきです。実際に先の三菱総研の調査でも、都道府県に準ずる政令市を除けば人口規模の小さい自治体ほど導入が進んでいる傾向が見られるそうです。
評価制度を導入することにより、次のような6つの効果が期待できます。
1 住民への説明責任の確保
行政がその仕事の結果について評価を行って公開をすること、いわゆる説明責任(アカウンタビリティー)を果たすことが行政に対する信頼回復の第一歩となります。
2、行政への住民参加
客観的な評価制度を導入することにより、住民・議会・首長・行政の四者の間で政策について議論できる共通の言語が提供され、共通の場が確保されることになります。
3、住民ニーズに対応した行政
行政が住民サービスの向上という成果を明確に意識することとなり、住民ニーズを第一に考えた行政運営が実現します。
4、効率的・効果的な行政運営
どの仕事が効率的・効果的であり、どの仕事が無駄であったのか住民に対して明らかになります。また、客観的な指標の存在により、自治体行政にとってこれまで絶望的に近いほど不可能であった「事業の廃止」に対するコンセンサスが得られやすくなります。
5、職員の意識改革
公開を前提とする評価を行うことによって、職員は単なる前例踏襲で仕事をすることがなくなり、あるいはする必要がなくなり、絶えず住民から仕事の結果を期待されているという意識をもつなど、職員の意識改革が進みます。
6、地方分権の推進
自らがおこなった仕事について客観的な評価を受けて、責任を負ってこそ、初めて地方自治体は自立した政策集団に生まれ変わることができます。
今日、住民の多様なニーズのすべてに自治体が応じることは不可能と言っていいと思います。これからの自治体経営では、行政の役割とは何かを問い直し、何が重要で何が重要でないかをより分ける必要があります。そのためには自治体がそのおかれた状況と、行政サービスをより分ける理由を住民に十分に説明し理解と協力を求めなければなりません。わたしはその方法の一つとして「行政評価」の導入を提言いたします。
今すぐここで明言していただけるとも思われませんが、現時点での町長の大まかな感想としてどの程度までの導入をお考えでしょう。
わたしなりに考えた、導入に際しての留意点がいくつかあります。
まず、わたしは評価の主体は「議会」にするべきである、と考えます。地方議会は条例の制定とともに行政のチェックの役割が期待されています。議会が行政評価の設定作業に積極的に関わるか、評価目標の達成度の監視を厳密に行うようにならなければ、行政が主導する地方自治の現状がより強まることになってしまいます。住民を代表して間接民主制を担う存在である議会にこそ、監視の役目を負わせるのがもっとも適当であると思うのです。
また、流行に乗るような形で導入しても、それは単なる精神運動や現場改善運動の域を越えがたいものになってしまいます。いわゆる、重箱の隅をつっつくだけの結果に終わってしまう懸念も大いにあります。最大の問題点は関心が現場の効率改善やコストカットだけにかたよりがちになり、経営戦略の視点が欠落してしまうということです。実際にそういう失敗例が多く見受けられるようです。それを防ぐため具体的には、次の境町第四次総合計画においてこの制度の導入を図ることを提案します。これからの行政に必要なのは、目的と業務との一貫性であります。これまでの自治体の総合計画は、総花的で大変よいことを盛り込んではいるものの、やや具体性に欠ける向きがありました。総合計画を出発点として行政活動の目的を明らかにし、先に述べた政策、施策、事業の一貫性を保っていくことがぜひとも必要であると思うのです。
また、計画作成や定期的な進行管理を通じて先のベンチマーク手法を取り入れることにより、大切な総合計画が網羅的になりがちだったかつての形から、住民の総意で決定され監視されるというそれ本来の姿に近づくことになろうかと思います。かつては、行政主導の計画であってもある程度住民のニーズをかなえられるだけの財源がありましたが、財政的に厳しい現在のような状況の下では従来の手法で住民の理解を得ることは非常に難しくなっています。町民の皆さんは単に行政サービスを受けるだけの受動的な立場ではなく、街づくりの主役とし積極的に計画策定に参加していただく必要があると思います。愛する境町の未来はみんなで考えて作っていくのが理想であると考えます。
これについてどのようにお考えでございましょうか。