第3回
マジカル・ミステリー・ツアー
まずは、お詫びと訂正をします。このコーナーの第1回「さらば青春の光」で、この映画を私こと「地味い」が、高校二年の時に見たとしたのは、大きな勘違いであり、正確には19歳の時でした。最近、どうも記憶があいまいで、齢(よわい)30ン歳を迎えると、なかなか脳細胞も劣化が激しいようで(私だけ?)。
と、いきなりつまずき気味で、今後が心配されますが、気を取り直して第3回スタート!
ビートルズについては、言うまでもなく、みなさんご存じですよね? 「マジカル・ミステリー・ツアー」は、彼らのアルバム・タイトル(LPレコードの題名)にもなった曲です。最近、リコール隠しで問題になった自動車会社の企業CMで使われていますが、こちらはビートルズのオリジナルではなくカバー曲ですね。
この曲名の由来は、ビートルズの出身国・イギリスにあります。イギリスには、行き先を告げられないままバスなどで子どもたちが旅行するという、まさしく「マジカル」で「ミステリー」な「ツアー」が行われる風習(?)があります。この風習にヒントを得たポール・マッカートニーが、ビートルズがバスで「マジカル・ミステリー・ツアー」に出るというテレビ映画の企画を立て、そのサウンド・トラック盤として出されたのが同名のアルバムです。ちなみに、映画の方は、あまり評判が良くなかったそうです。
さて、日本。小泉内閣が誕生し、一般新聞・テレビの多くが「高支持率」を喧伝しています(それはそれは、異状さを感じることを禁じ得ないですな)。最終的に支持率が数%とひと桁(けた)台まで落ち込んだ森内閣の、あまりの「低空飛行」ぶりから一転した状況に、みんなが冷静な目を失っているのかどうかは分かりませんが、これらによると支持率は80%を超えるとか。
ところが、小泉内閣の「高支持率」とは裏腹に、森内閣とともに急落した自民党の支持率はそれほど伸びず大体30%台(小泉首相って何党だっけ?)。これこそ「マジカル」で「ミステリー」だわ。
ただ、人気があるだけならいいけど、「(小泉首相が)かっこいい」などという人もいるらしい。いけませんねぇ、このコーナーのキーワードである「カッコイイ」の持つ意味をねじ曲げては、いけませんよぉ。本当の「カッコイイ」は、外見だけでなく、中身も問われるんですよ。中身をよ〜〜く見てくださいね。「しんぶん赤旗」を読みましょう。
その小泉内閣、機密費の野党対策などへの流用をマスコミで「証言」した「塩爺」も閣僚入りしましたが、この人も相当「マジカル」で「ミステリー」ですね。ていうか、それを通り越してあきれます。自分の発言には責任を持ちませう。
「日米安保」やアメリカの戦略ミサイル構想(NMDやTMD)などをめぐる田中外相の発言がマスコミで大きく取りざたされたのも同じです。外交上の「機密」が漏洩(ろうえい=リーク)されたとかで、「だれがやったんだ」と「マジカル」で「ミステリー」なものにされています。しかし、日米安保やアメリカの戦略ミサイル構想そのものについては、「沖縄など日本各地にある在日米軍基地があるゆえの矛盾や問題の解決や、世界平和を強固なものとして築いていく上で両者はどうなのか」については、全く骨抜きの議論になっています。
医療・福祉の切り捨て、不良債権の早期処理=中小企業の大量倒産で大量失業の発生、消費税増税などなど、国民に痛みを押しつける「聖域なき改革」をいう小泉首相。「戦力の不保持を掲げた憲法9条に、いまの自衛隊は違憲だから」と、自衛隊をどうするかじゃなくて、世界に誇るべき平和憲法を敵視するかのように、憲法「改正」論を振りかざす。「集団的自衛権の行使」で、アメリカと一緒に戦争できるようにしようとする。いったい、日本をどこに連れて行こうとしているの? その先にあるのは「戦争」の文字・・・。
「マジカル・ミステリー・ツアー」は楽しむためのもの。「マジカル」で「ミステリー」な小泉内閣の「改革」に乗って、暗黒の世界に連れて行かれるのはゴメンです。そうならないためにも、7月に予定されている参院選では、憲法・日米安保や自衛隊をどうするのか、「マジック」にひっかからないよう冷静に中身で選択しよう。
2001年6月12日 「地味い」記
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