四重人格 第9回
ジョージの死 「僕のギターは優しく泣いている」
きょう、ジョージ・ハリソンが死んだと聞かされた。58歳だそうだ。3人目のビートル(Beatle)の死。
「2人目だろ?」という人もいるだろう。だが、ビートルズがメジャーデビューする前、メンバーにスチュアート・サトクリフ(ジョンの友人だった)がいた。彼は、ビートルズのメジャーデビューと前後して、早世している。だから、3人目だ。
「地味い」がジョージの曲で結構好きなのは、1968年の『ホワイトアルバム』の「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」。レコーディングにはエリック・クラプトンが参加している。仲の良い2人だが、こと恋愛については、別物だったようだ。
ビートルズの実質上の最後のアルバム『アビーロード』に「ヒア・カムズ・ザ・サン」が入っている。ジョージが妻・リンダとの幸せな日々を曲にしたものだ。ところが、あろうことかクラプトンが、親友ジョージの妻に、「レイラ」という曲で強烈なラブ・コールを送ってしまった。その後は・・・、クラプトンの曲「ワンダフル・トゥナイト」を聞いて。“今宵のあなたは素晴らしい”と歌っているのは、まぎれもなくクラプトンで、“あなた”とはリンダのこと。でも、2人の友情に変わりはなかったとさ。
さて、話が横道にそれてしまったが・・・。ビートルズ時代のジョージの曲は、「地味い」も好きなものがあります。それは、彼が作詞・作曲(またはそのいずれかを)したか否かに関わらずにね。例えば、小説にもなった「ノルウェイの森」。この曲にシタール(拙文「第5回その2」参照)を持ちこんだのは、ジョージだ。「タックス・マン(Tax
Man)」なんかは、「(実はよく分かってないんだけど)“構造改革”だ!」と、ハッタリをかませば何でも有りだと思ってる首相に、浴びせ倒すように捧げたいね。フル・ボリュームで。ジョージも同じような気持ちでこの曲を作ったんだろうな。
音楽には世界を変える力がある。同時多発テロと報復戦争で、ジョン・レノンの「イマジン」に注目が集まっているのも同じだと思う。
そう、そう、ジョンと再会しただろうジョージは、いまごろ何を話しているだろうか。報復戦争のことか? オノ・ヨーコが「イマジン」の一節を新聞の全面広告にしたり、注目を受けていることか・・・? 多分、ジョンはこう言うんじゃないかな(と勝手思ったりして)。
「“安らかに眠って”なんて言われても、気が休まるときなんかありゃしねぇ。俺にできるのは、みんなが少しでも、俺とヨーコが、何をやろうとして、何を伝えようとして、何をやり残したかを考えてほしいということだけだ」
「地味い」を含め、まだ少ない人だけどそれを考え初めている。僕らは少しずつ、準備を進めようとしている。
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*高校時代ビートルズいっぱい聞きました。ジョージの曲が一番肌に合いました。特に「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」は大好きな曲でした。天国でジョンと何話してるかな・・・・masaka