燃料について

・古い燃料   ・混合比   ・ペットボトル   ・白濁    ・ハイオク   

・バイオエタノール燃
   ガソリンスタンドの混合  ・DIYの缶入り燃料  

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・古い燃料

混合したガソリン燃料は変質します。
冬場で2ヶ月、夏場で1ヶ月以上経過したものは使わない方が良いと思います。
オイル分とガソリンが分離しますし、気温の変化により保存タンク内で気化したガソリンが
膨張収縮を繰り返し、空気中の水分を取り込んでしまいます。
その結果ガソリン内に水分が入り込んでいきます。
こうなったものは白濁していることが多いですので見てすぐに分かります。
こういった古い変質した混合燃料を使用しますと、始動不良や回転不良等の故障の原因になります。
悪い場合にはエンジンの焼き付きが起こってしまいます。

・混合比

多くの機械で混合比が設定されていると思います。
25:1と50:1が標準的混合比となっています。
最近は50:1を使う方が増えてきています。
(50:1はエンジン内部やマフラーの汚れが少ない、排気ガスが綺麗、等々良いことが多いです)
ただしそれぞれに専用のオイルがありますので間違っても25:1用のオイルで50:1を作らない
ようにしてください。
混合が薄い場合はすぐにエンジンの焼き付きということになります。
逆に濃い場合はそれほどの問題は起こりません。


・ペットボトル

混合燃料の容器にペットボトルが使われることがあるようですが、これは燃料容器としては最悪です。
長時間ガソリンを入れておきますとペットボトルの成分がガソリンに溶けだしてきます。
そうなるとエンジンの始動が悪くなるばかりではなく、回転が上がらなくなります。
いわゆる‘エンジンがふかない’状態になります。
数日入れっぱなしにしておけばもうその燃料は使えないでしょう。

PETとは、ポリエチレンテレフタレートの略で、その性質を調べますと
「結晶性樹脂であるので、有機溶剤、潤滑油、ガソリンなどには侵されない」
ということのようですが、
ただし修理経験上、ペットボトルに入れた燃料で不具合が起きていますので、避けた方が良いと思います。
いわゆるペットボトルの中には材質がプラスチックで出来ているものもありますが、
このプラスチックボトルですと明らかにチェンソーの不具合が起きます。


・白濁

気温の変化により保存タンク内で気化したガソリンが
膨張収縮を繰り返し、空気中の水分を取り込んでしまいます。
それがガソリンが白濁する原因です。
こうなった燃料は捨てるしかありません。
もしこの燃料を使用しますと、始動しない、あるいは始動しても水分がキャブ内に入り込み
キャブ内を錆々にしてしまいます。
最悪の場合にはエンジンが焼き付いてしまいます。


・ハイオク

○圧縮比の高いエンジンは着火が早いため、
 オクタン価を高く(オクタン価が高いほど火が付きにくい)して発火点を抑えています。
 チェンソーはレギュラーガソリン使用が前提設計ですので、
 高圧縮用エンジンのためのハイオクを使用する必要はなく、使用する意味もありません。
 
 ハイオクガソリンの目的はアンチノックが主で、出力の増大等もありますが
 レギュラーガソリンを使うように設計されたエンジンではハイオクを使用したからといって
 出力が増えないようです。
 ハイオクを使用するように設計されたエンジンのみがハイオクの恩恵を受けるようです。

 
スチールとハスクのハイオクに対する見解です(要約)

 @オクタン価90以上のものを使用すること。
  (海外でのガソリンは日本と違って粗悪品が多いそうです。
  混ざり物があったりでオクタン価が低いものもけっこうあるそうです、
  それでこのオクタン価90以上という規定があるそうです)
  オクタン価90以上といってもハイオクの100まで使えるという意味ではありません。

 Aハイオクを使用するメリットは何も無くて、もちろん実験データもないとのことです。
  チェンソーのエンジンは低圧縮タイプですので、わざと燃えにくくしているハイオクを使用する意味が無いとのことです。
  またレギュラーで使用するのを前提に設計されているので、レギュラーガソリンを使用してください、
  とのことです。

  結論としては高いハイオクを使用するメリットは何も無いというのが両社の見解です。

オクタン価簡易表 日本 アメリカ 欧州
レギュラーガソリン 90〜93 92 95
ハイオク 100

・バイオエタノール燃料

最近の環境問題や原油の値上がり基調により、
バイオエタノールという植物から精製した燃料をガソリンに混入する、
ということになってきたようです。

スチールから聞いたところ、
バイオエタノール先進の韓国とブラジルでは(場合によっては3割ほども混ざっているという話のようですが)
なんらの影響も出ていないようですので、
大丈夫ではないかとのことです。
(以前のアルコール燃料とは違うみたいですし、
燃料ホース等の材質も変わってきているとのことです)

ただし、どのような成分なのかまだ分からないので(添加剤等々の発表がまだ無いようです)
どのような影響が出るかは分からないとのことです。

以前に販売されていたアルコール主体の燃料(ガイアックス)は
使用しているとキャブレター内部の
パーツを溶かしてしまう
というチェンソーメーカーからの指摘がありました。
また
回転が上がらないというようなトラブルも実際に発生しています。
すでに販売している所も無いと思われますが、使わない方が良いと思います)


・ガソリンスタンドの混合

多くのスタンドで混合燃料を作ってくれますが、中には安い混合用オイルで儲け重視で
作るところもあるようです。
実際にあった話ですが、スタンドで作ってもらった燃料を使用したところ3台持っている
チェンソーの全てのエンジンが焼けてしまったということがあります。
信用のおけるところで作ってもらってください。

一番良いのは自分で作ることです。
混合が簡単に出来る容器が売られています、25:1や50:1等が簡単に正確に出来るものです。
それで作れば使う分だけ作れますので無駄にもならないと思います。



・DIYの缶入り燃料

DIYで売られている缶入り燃料は、燃料改質剤が入っているようです。
これは燃料の劣化や品質の悪化を防ぐもので、1年以上は保存が効くようです。
ただし水分の混入に関しては防げないようで、フタをしっかり閉めておくことが必要です。
価格は1リットル缶で400円台が多いようですが、
自分で混合すれば150〜170円位(1リットル)で出来てしまいます。
(ガソリン価格の変動がありますので、ガソリン代+オイル代として約で計算した場合です)


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