電子制御チェンソー

最新の電子制御チェンソーは、第三次排ガス規制を見据えて各メーカーが販売を開始しています。
スチールというメーカーではエムトロニクスという名前が付いています、ハスクバーナではAutoTuneという名称になっています。
とても良く制御されていて、好調に動く最新型なのですが、
修理している者から見ますと、まだ完全とは言えない感じがしています。
例えば一旦停止後の再始動が困難だったりすることがあります。

困ったことにそういう場合にコンピューター内部の故障状態が不明であるということです。
もちろんそれを診断するためのテスターはメーカーから出ていますが、高額であるのとパソコンに繋ぐ必要があります。
テスターが無い場合、不調原因が何処なのか苦労します、その不調状態も変化しますので困難に拍車がかかります。
またコンピューター部品のバージョンアップがありますので、バージョンによっては互換性が無かったりします。
そして構成部品が上手に組んであるのですが、それが返って修理するのに面倒なこともあります。

電子制御はエンジン内に入る混合気体の状態をコピューターが制御する訳ですが、
これは完全燃焼と余分な未燃焼ガスを大気中に出さないことを目指しています。
つまり排気ガスをクリーンにしたいという訳です。

これを目指すために始動時においても燃料を極限まで使わないようにしています、
また高速でも燃料を最小限にして完全燃焼を目指しています。
これが故に始動が悪いことがままあります。つまり始動出来るだけの濃さにまで混合気体がならないのです。
なにより大気を汚さないことが大事なので、昔の機械のようにたっぷりと始動時に混合気体を濃くして始動を良くして、
それがために未燃焼ガスを放出するということを避けているのです。

それ故始動が悪いことがあったり、再始動が悪かったりする症状が出てくることがあるのです。

顕著な場面は、使用後少し休んで再始動の時が多いです、その際にも最小の燃料で始動することになりますので、
なかなか再始動が出来ないということになります。それがとてもやっかいで、修理として持ち込まれるのですが、
当然機械の故障ではありませんから、また持ち込まれた時にはすっかり時間が経っていますので、
すぐに始動してしまいます。始動はOKでしかも好調なので、一旦持ち帰ってもらいますが、
使用現場でまた再始動困難になったりします。
こういう状態になってしまうと修理屋泣かせのシステムと言いたくなります。

ただし全ての機械がそうなる訳ではありませんので、あくまで故障した機械の場合の話です。