利根川に利根鱒を追う




1994年の正式なルアー解禁により、
一躍脚光を浴びたのが利根川流域前橋市周辺の利根鱒だ。

 この利根鱒、生物学(分類学)上は、山女魚(やまめ)なのだ。

もともとサクラマスの河川残留型だから話はややこしくなるが、
前橋市より上流の利根川では、サクラマスもたまに釣れるし、
パーマークもはっきりとでた、
30cm位で親魚になる本山女魚(ほんやまめ)も同じ場所で釣れる。
本当にややこしいのでここで紹介しておこう。


説明

本山女魚
(ほんやまめ)


○ あまり利根川本流を行ったり来たりしないと考えられている。
○ ポイントは盛期の6月〜7月上旬では白泡のたつ落ち込みなどに多い。
○ 最大で38cmほどで、3月20日の解禁当初から釣れる。
○ 支流の吾妻川に於いては、ほとんどがこの本山女魚だ。
サクラマス

○ 稚魚が安価な為、上流部で盛んに放流される様になった。
○ 稚魚の段階でも本山女魚とは明らかに違い、より流線型をしていて
背鰭の先端が黒い。また鱗が剥げ易いので直ぐに区別は付く。

○ 簡単に大型化するため、かなり大きいルアーにまでヒットしてくる。
○ 湖でも最近はこのサクラマスの稚魚が多く放流される様になったので、
湖育ちのサクラマスも多い。

つまりサクラマスの稚魚はサクラマスの稚魚であって、お隣の新潟県では
ヒカリと呼び本山女魚とは区別している。

○ 最盛期は6月頃で、本当に海に下っているかは定かではないが、
サクラマスだ。

○ 40cm〜80cmが確認されている。

○ 日本海側の海昇りサクラマスに対して、こちらは利根川育ちのサクラマス
かも しれない。
利根鱒


○ 群馬県千代田町と埼玉県行田市にある利根大堰周辺で幼魚時代を
過ごし、吾妻川合流部の大正橋上流部まで昇ると考えられているが、
詳しい生態は解明されていない。本山女魚に近いと思われる。

○ パーマークがうっすら残る個体や銀ぴかの個体も居るが、鱗は
サクラマスの様にパラパラとは剥げない。比較的丈夫だ。

本流山女魚、銀毛(スメルト)山女魚 、本流戻り山女魚どの呼び方も
正しい様に思える。

○ 盛期はやはり6月〜7月上旬で、35〜45cmが多い。
濁っていなければ、40〜45cmは比較的簡単に釣れる。
最大は84cmだ。こいつが本命だ。

他のヤマメ に比べ太いと云う印象を受けるこの利根鱒のパワーは、
半端じゃない。





狙う! タックル



ロッド

それほどポイントは広く無いが、
7ft〜9ftミディアムライトアクション以上が必要だ。

ふにゃふにゃロッドでは、
遠くでヒットした時にフッキングさせにくい。


リール

スピニングリールならば3000番〜4000番。

スプールの直径が狭い物はラインスラッグが多く使えないので、
よく見てさわって選ぼう。

ベイトリールならばABU4000番〜5000番。


ライン

8lb〜12lb。
フロロナイロンなどもアタリが取り易く、フッキングし易いので面白い。


ルアー

スプーン5〜16g。

一昨年はダイワ チヌーク17g・10gが大当たりしたが、
昨年は6月上旬 コンデックス8g、
中旬ヤリエ プリマ5g、
下旬スミス フォルス5g、
7月上旬ヤリエ プリマ3gまで落ちた。

人気の高さが伺える傾向なのだが、
土日の混雑は餌釣りを含め半端じゃない。

     それほど早くないが、重い流れに強いスプーンが必要だ。


ミノーならばシュガーミノー8cm、アスリートなどが定番だが、
最近流行のディープ系ミノー9cmも面白い。

     またバスプラグの中にも優れた物も有り、
釣具屋さんでは悩んでしまう。




狙う! ポイント



 佐波郡玉村町の福島橋から渋川市の坂東橋までの間、
群馬漁協管内で釣れる物を利根鱒と呼ぶ事が多いので、
その間が最も釣れる。

 坂東橋上流阪東漁協管内にも居るが、なぜか利根鱒とは呼んでいない。
釣れ上がるサイズからか、銀毛ヤマメまたは本流ヤマメと呼ぶ。

ちょっと判りづらいと思うけど、地図とにらめっこしてみよう。
一番のポイントが判るはずだ。

上記の言葉も大ヒントだぞ。それでも判らない人はE-mail にて。

ここまで読んだ人は、机上では利根鱒を釣っている。

後は実践有るのみ。幸運を祈る !!



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