かわせみ倶楽部虎の穴 其の一

 =ルアーフックを解剖する=

PART5



「ルアーはシングルフックバーブレスだよ!!」と一言で片づけられてしまうと
これまたちょっと話しが他の方向に行ってしまう。
言い切られてしまうと反発したくなるのは僕の悪い癖ではあるけれど、
確かに 全てのスプーンをシングルフック仕様にするのは美しい。
現に僕も湖で使用するスプーンは全てシングルフックにしているが、他の釣りと違うのは
ルアーフィッシングは単に他の人より大きいのが釣りたいという願望が強い釣りだと思う。
数釣りも楽しいがけっしてそれを目指してる訳ではない。それを前提に考えれば、
敢えてバーブレスにする必要は無いのではなかろうか。いつヒットするか判らない。
が、しかし狙ってはいる1尾の大物を釣る為には、
ファイト距離(時間)の長いルアーではバーブレスはリスクが多すぎる。
魚がバレれば警戒信号を出しながら泳いでいくので、大物のチャンスも無くなってしまう。

海外ではバーブレスシングルフックをレギュレーションの中に条件付けるところもあるが、
最近ではバーブレスシングルフックの方が深く刺さってしまうので、
魚に与えるダメージが大きいとの調査報告も有る。
バーブ(かえし)はバレを防ぐ為のものでもある反面、貫通性を阻害するものでもある。
さらに進めれば、完全なC&R区間でぼろぼろになった魚を釣るよりも、
釣った魚を食べたい釣り人も多いだろうし、剥製にしたいのも欲の一つ。
かわせみ倶楽部ホームページ巻頭の『保護水面』による『原種保全』、
『制限尾数』(バ グリミット)の制度化は、『C&R』の強化とセットで考えれば
全ての釣りにあてはめられるのでないだろうか。
もちろんルアーマンが率先して襟を正す必要が有るのは言うまでもないが、
全てのフックのポイント部分のカエシは、マイクロバーブ(極小カエシ)でも良いのではなかろうか。
見かけは悪いが、アウトバーブも面白い存在だ。


 




フックの部位名称:図Hook部位名称



《XThroat(スロート)=フトコロの深さ》
《YGap(ゲープ)=フトコロの幅》

これらは部位の形ではなく、深さ・幅で表現される。
広すぎても、深すぎても、
ポイントが曲がり易くなってしまうので、シャンクの太さや、
シャンクの断面、はたまたベンドの形とも
密接な関係がでてくる。
ゲープが広過ぎてもファールフッキングを誘ってしまう。
スロートが深すぎるても魚へのダメージが
大きすぎてしまう。

つづく


<文責   池谷 成就>

かわせみ倶楽部事務局発行 「本文章の 転載を禁止します。」


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