かわせみ倶楽部虎の穴 其の一

 =ルアーフックを解剖する=

PART2




フックの部位名称:図Hook部位名称



《UShank(シャンク)=線・軸》





図U−1 Shankの断面図

U−1 スティールシャンクの場合、ほとんどが、
この2つのシャンク断面に限られる。
@レギュラーセクションとAフォッジドセクション(平打ち)。
後に出てくるVベンドやXスロートとは密接な関係にあり、
特にWポイントとの関連性は重要で、フォッジドセクションは
瞬間的な引っ張り強度には長けているが
横に逃げる性質もある。
リバースドポイントなどポイントの形状にヒネリが入ると
フック自体が泳ぎ易く(暴れ易く)なるので、
スレ掛かり(ファールフッキング)が多くなってるのは
最近よく目に付いてしまう。
もっともそれが目的でフックを泳がすように設計された、
シャンクの延長上が繊維系の漁師針(総称)も、
スティールシャンクも長くなれば
なるほどファールフッキングを助長してしまう。
漁師針などはフックが暴れないようにするためにも、
リリアンなどの太めの素材を使用し、
極力ダブルで短く作りたい。スミス社シェアーフックなど。
ルアー用のフックの断面としては、
トレブル・シングルに関わらず、
レギュラーセクションで良いのではなかろうか。
特に小さい番手でのフォッジドセクション(平打ち)は
必要ないのではと思う。
シャンクは上記の長さの他に、太さ(線径)や
材質(ファインワイヤーなど)も重要になってくる。
6Xファインワーヤーを使用したがまかつ社トレブル17は、
今は無きツリックス社のアユ用アルミパイプ1.75mmに、
みみを切り落とした餌釣り用の渓流針3本を差込み、
アルミパイプ用チャックで締め込み、
フライ用のバイスで固定し、銀入りハンダ付けしたものが
原型となっている。これらは素晴らしいフッキング性能で、
さらに1.55mmのパイプで作ったヤマメ針タイプは
恐ろしいほどのフッキング性能を見せた。
当時管理釣り場の大会を総ナメしたのもこのフックだった。
個人的な感想としては、市販のトレブル17の
ろう付け部分を若干伸ばし、
フックの重心を下にもってくればいいと思うのだが…。
材質的には、がまかつ社Gハード≠ェ最も素晴らしいと
僕は思う。
しかし、未だバーブ(カエシ)が作れないのは
ちょっとだけ心配。川底の10cmほどの石ころを
ひっくりかえしてもほとんどポイントに影響ないのは、
魅力以上のものを感じる。
上記の方法で、このGハードを使用すると、
本当に恐ろしいフックが出来てしまう。
ツリックス社が無くなってしまったので、
アルミパイプが入手出来なくなってしまったのは残念。


つづく


<文責   池谷 成就>

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