○「DXF」(CAD・CG用語 その3)

第3回目はDXFです

 

●用語解説

 DXFとは Drawing eXchage Format(ドラウィング エクスチェンジ フォーマット)の略。CADソフトでのデータ変換に最もよく使われる。
 DXFはAuto CADを開発している米国Autodesk社のCADデータ交換用中間ファイルのことで、Auto CADがバージョンアップを重ねる度、新旧のデータ互換の必要性が生じたために開発過程で規定した図面形式の記録フォーマットである。
 基本的にはAuto CADの中間ファイルであって、異種CAD間のデータ交換を100%サポートするためのものではない。しかし、日本では特に様々なCADがあるため、異種CAD間のデータを交換する場合は、このDXFを使うのが事実上標準になっている。
 どのCADもだいたいDXFの取り込み、取り出しが可能なため、異種CAD間のデータ交換を可能にしてくれる。ここで忘れてはいけないことは、各CADベンダーが自社ソフトの機能を生かすために、独自のDXF変換プログラムの開発をしているが、Auto CADとは互換性があるとしても異種CAD間のデータ交換は確認は完全ではないと言うことである。完全なDXFデータを作ったとしても各ソフトメーカーのDXF形式に問題があるときは互換も完全にはならない。また、DXF似もバージョンがあり、各CADで対応するバージョンが異なることにも注意が必要である。
 なおDXFデータは、テキストファイル形式なので、テキストエディタやワープロソフトに読み込んだり、編集することが出来る。

 

●用語雑談

 CADソフトっていろんな会社から出ているんです。いろんな会社から出ているというのは自由に色々な製品を選べますし別に構わないんですけど。1つ困ることがあるんです。それは全てのCADで完全に読み込めるデータ形式がないと言うことなのです。

 ここで言うデータ形式というのはどういうことかと言うと…例えば文書だと一太郎でもワードでも…他の殆どのワープロソフトやテキストエディタでも1つだけ完全な互換性を持って読み込めるファイル形式ファイルがあるんです。それが「テキストファイル形式」…しかしCADですと「完全な互換性」をもちどんなCADでも全く同じデータを再現できるファイル形式がないのです。

 そこで「それなりの互換性」を持つファイルとしてほぼ標準化してきたのがこのDXFファイルです。元はAuto CADというCADのデータ保存形式だったのですが他のCADもこの形式をサポートするようになったので事実上CADの標準形式になりました。ハッキリ言ってこのデータの読み書きが出来ないCADを使っている設計屋さんは飯は食っていけません…とまで言えます。(ちょっと大袈裟かも)

 しかし「それなりの互換性」しかないため…トラブルがよく起きます。私がCADを使っていたときも、図面の文字が化けると言うのは日常茶飯事で、(少なくとも殆どと言ってもいいくらい文字の大きさは変わります)縮尺もでたらめになって…例えば…「DXFを読み込んだら図面が出ない…拡大してみたら出てきた」なんて事もよくありました。

 何年かたてばもっと互換性のある形式も出てくるかもしてません。(標準になりそうな形式もいくつか出てます)が…それまでまだかかりそうです。

 

(2000,01,27 記)

 

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