○「CAD」 (CAD・CG用語 その1)

まず第一回としてCADそのものを取り上げてみます

 

●用語解説

 CADとは Computer Aided Design (コンピューター・エイデッド・デザイン)の略でコンピューター支援による設計。
通常、コンピューターを利用して、設計図を作成するシステムのことを指します。
従来、高精度の設計には、大型コンピューターを使っていましたが、
ワークステーションやパソコンの性能の向上によって、比較的安価なシステム
でもCADが実現できるようになって来ています。また工業製品の設計などから
、建築設計、デザインの分野までCADの利用分野は広がっています。

 

●用語雑談

 昔は製図板とドラフター(簡単に言うと定規)を使って手で書いていた物が
最近ではマウスで楽々パソコンのCADを使って図面を書く時代になりました。
(かくいう私も学生時代は手で書いていましたが社会人になって製図板を使った
ことは全くありません)

 設計屋さんへのCADの普及率も多くなり、建設会社も「図面のCADデータを
インターネットメールで送ってくれ」と言う時代になりました。
(私も実際にCADデータを送る機会もありました)
昔はA1やA2と言うバカでかいサイズの図面をえっちらおっちら…と持って
いったのでこれは大きな進歩です。

 しかも精密に同じ物がプリンタやプロッタ(プロッタについては後日書きます)
で出力出来るというのも大きなメリットです。

 最近はコピー技術も進歩しましたが…実はコピーでは「全く同じ図面」を作るのが
困難なのです…。これはどういうことかと言いますと…実はコピーをすると絶対に
多少の「にじみ」が出てしまうのです。
ワープロソフト等で作ってプリンタで出力した文章ならば、このにじみは殆ど
文章を読むには支障無いのですが、精密さを要求する図面ですとこのにじみは
場合によっては致命的で、細かい場所が読みとれないと言うことにもなってきます。
これがデ−タならいくらデータをコピーしても劣化しませんし保管も楽です。

 しかしいい事ばかりではありません…製図をCADでやっていく上での
デメリットもあります。

 その1つがCADデータの互換性です。
実はCADソフトはあちこちのメーカーから出ておりそのファイル形式は
まったくのバラバラです。
一応は業界標準のDXFファイル形式(DXFについても後日書きます)と言うもの
もあるのですが、文字化け等の問題があり完全な互換性はありません。
(…とは言え他に方法が無い場合はこの形式で済ませちゃうんですけど)

 その上CADと言うのは…実はめちゃくちゃ高価なのです…
(安い物でも数万円…高い物になると100万円超えます…)
だからちょっと個人で気軽に買えるような物ではないのです。

 一応、ただで手に入るJW−CADと言うフリーソフトもありますが…
MS−DOS用であるため実際に使うとなるとその方面の知識も必要になります。

 そうそう…これは大きな声では言えませんが…バグが多いのも特徴です。
「えっ…バグ!?」…とお思いの方もいるかも知れませんが…
CADソフトは使う方が製図をやっている方に殆ど限定されてしまうので
使っている方の数が…例えば一太郎やワード等のワープロソフト等…
一般の方も使うようなソフトとくらべて圧倒的に少ないのです。

 そのため…流石にすぐには見付かりませんが長く使っているといろんな
バグが出てきたりします。
ひどいソフトになるとあの会社はユーザーにバグを見つけてもらっている…
という話もちらほらと…

 

(1999,11,11 記)

 

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