山岳部報 第2号 復刻追補版完成

29C平澤英昭 

 今から半世紀も前の1953年秋に発行された 「 山岳部報 第2号」 が復刻追補版として見事に甦りました。当時の編集発行人であり、山岳部長でもあった鈴木志朗君 (30E) の手で出来上がりました。

 当時の部報はガリ版刷りで、戦後間もなくの資材不足の時代に、部員の手作りによるものであるとは言え「相当の不出来」(鈴木君の言)なもので、判読に苦しむような箇所も少なくありませんでした。これを忍足先生はじめ昔の仲間の協力を得ながら判読し、ご自身の手ですべてワープロ浄書をして自費出版したものです。

 昨年9月の山荘70周年記念祭の折に彼はこの懐かしい部報に接して、「青春時代の山への想い」と「山荘での折々の情景」が鮮やかに甦り復刻を思い立ったとのことです。

 吉岡先生の巻頭言によれば、山岳部報の第1号は昭和18(1942)に発行され、戦争を挟んで10年間中断して昭和28(1953)のこれが第2号で、その後第3号が昭和30年(1955)に発行されています。全 48頁で数々の山行記録を中心に、旧山荘に作られた長州風呂の建設記録やエッセイなど27件もの報告が載っています。ホームグランドの上越国境をはじめ、北アルプス、南アルプス、八ヶ岳、富士と山行の記録も豊富です。イラスト、写真、山の歌などもあちこちにちりばめられて彩を添えています。

 工学部百周年記念の資料整備の一環として、この復刻追補版は、工学部記念館の資料室用として忍足先生のお手許にお届けし、当時の部員諸兄にも鈴木君から贈呈されました。

まだ多少の残部もあるようですから、ご希望の方はこちらまでご連絡下さい。

 

 

山岳部報 第2号復刻追補版作成にあたって

30E鈴木志朗

思い立ちのきっかけ

 昨年九月、仙ノ倉山荘創立70周年の記念祭に参加した時、平澤英昭さん(29C)が持参された50年も昔の山岳部報に接し、久し振りに読み返していると「青春時代の山への想い」が、また、仙ノ倉山荘で過ごした折々の情景が鮮やかに甦り、懐かしく楽しい一時を過ごしました。

 

 そこで、嘗て素晴しい時間を山荘で共有した諸兄に、復刻版を作ってお送りすると喜んでいただける事と思い、復刻を思い立ちました。

 

2つのチャレンジ

 ガリ版刷りの原本は、部員の手作りとはいえ相当不出来で、当時の発行責任者だった私には見るに忍びず(自責の念もあって)、読み易く楽しい部報の復刻に挑戦しました。

 また、今は便利なパソコン時代、最初は指2本でポッツンポッツンとキーボードを叩いていたのですが、終りの頃には何とか10本指が使えるようになり、正に「習うより慣れろ!」を体得しました。

 

ご支援の賜もの

 いざ復刻となると、執筆者の想いや文脈を再現することが肝要ですが、随所にある読めない頁(かすれ・にじみ・べた)の判読に思わぬ苦戦をしました。

 高橋さん(29C カナダ在住)の「残雪期シンセン尾根」(P24)は主要部分の判読が難しく、在京の平澤さん(29C)にご相談したら、判読にご協力頂ける事になり、東京〜カナダ をインターネットで結び、お二人の息の合った連携とスピードで、見事に原文を復元して頂きました。

 また「風呂場工事会計報告」(P46 忍足先生 記)は、費目・寄付者名・金額などこれ又不鮮明で、忍足先生・平澤さんに古い資料や同窓会名簿を照合・確認して頂くなど、多大なご支援を頂きました。

 

復刻追補版

 新たに(原本にない)イラスト・写真・山の歌 などを追加したので(余白調整の意味もあって)、「復刻追補版」としました。

 

 何時の間にか古希を過ぎました。  『健康第−』に楽しい目々を送りたいと思っております。

2005年5月20日