5.その他
(1)西田先生揮毫の額(報告)
山荘創建時に桐生高等工業学校校長西田博太郎先生から剱持管理人宅へ寄贈された毛筆の書2点が昨年返還されました。
昨年の議題となりました本品を工学部同窓記念会館に展示して頂けました。展示に先立つ本品修復作業の費用を群馬大学工業会がご負担された事も報告いたします。
西田先生揮毫 現代語訳
@ 天地寂然不動而気機無息 (菜根譚 前集8項より)
天地寂然不動、而気機無息少停。
日月昼夜奔馳、而貞明万古不易。
故君子、闔棊v有喫緊的心思、忙処要有悠闢I趣味。
天地は寂然(せきぜん)として動かずして、而(しか)も気機は息(や)むことなく、停まること少(まれ)なり。
日月(にちげつ)は昼夜に奔馳(ほんち)して、而(しか)も貞明(ていめい)は万古に易(かわ)らず。
故に君子は、闔(かんじ)に喫緊(きつきん)の心思うるを要し、忙処(ぼうしょ)に悠(ゆうかん)の趣味(おもむき)あるを要す。
天地はひっそりとして動かないように見えるが、働きを止めることはなく、太陽や月の明るさは永遠に変らない。
だから人の上に立つ者は、暇な時こそ張詰め、忙しい時こそゆったりとした心構えが必要である。
つまり、小人(しょうにん)は閑居すれば不善を成すが、大人(たいじん)は閑居しても成果を成すということ。
言い換えれば、活人は随所で主なのだ。慧智(1030531)
A 登高使人心曠、臨流使人意遠 (菜根譚 後集113項より)
登高使人心曠、臨流使人意遠。
読書於雨雪之夜、使人神清、舒嘯於丘阜之嶺、使人興邁。
高(たか)きに登(のぼ)らば、人(ひと)をして心(こころ)曠(ひろ)からしめ、流(なが)れに臨(のぞ)めば、人(ひと)をして意(い)遠(とお)からしむ。
書(しょ)を雨雪(うせつ)の夜(よる)に読(よ)まば、人(ひと)をして神(かみ)清(きよ)からしめ、嘯(しょう)を丘阜(きゅうふ)の嶺(いただき)に舒(の)ぶれば、人(ひと)をして興(きょう)邁(まい)ならしむ。
高いところに登ると、人の心は広大になり、流れに接すれば、人の心は無辺となる。
雨や雪の日に読む書物は、人の心を崇高なものにし、小高い丘の上で詩歌を口ずさめば、人の心は深遠なものとなる。
つまり、人間は置かれた環境次第で広大無辺な心境を得られるし、頭の使い方次第で崇高深遠な心境が得られるのである。
言換えれば、達人は自分の心の置き場所や、頭の使い方を心して生きれば、有限な世界で無限な世界観を得られるということだ。慧智(030727)
出典は二項とも同じです。
『菜根譚(さいこんたん)超訳』
“活き活き生きる人生の「心」の経営術”
性善説の人生哲学『菜根譚(さいこんたん)』
編著: 洪自誠(本名は応明、自誠は字、道号は還初道人)
訳、編著:小林慧智
■前集222篇: 現役向け
■後集134篇: 退役向け
■附集 篇: 経営者を目指す活人向け(慧智追記予定)
編著: 洪自誠(本名は応明、自誠は字、道号は還初道人)
超訳: 活人禅会 虚菴快山慧智
底本:『遵生八牋』附載(国立公文書館所蔵)
参考: 論語、各種禅書、岩波漢和辞典、同古語辞典および釈宋演老師(元:臨済宗円覚寺派管長)
(2)提案事項など
35C望月さんの提案
伝統ある仙之倉山荘を末永く愛用してもらうためには、まず、現役のワンダーフォーゲルの学生さんが積極的に活用してもらうことが必須です。幸いにも、学部を越えたWV部員の代表が、喜んで山荘維持活動に参加して、彼らの合宿や訓練の場として活用しようと計画しております。
ところで、群大の新入生は入学時に同窓会費を納入しており、それを各学部の同窓会が、大切な財源として運営している。この同窓会費の一部を、学友会のWV部活動費として、山荘の維持管理の固定費に充てていただけませんでしょうか?
連合同窓会の発足も近いと聞いていますが、最初の窓口として、工業会と相談したいと考えています。そして最終的には、全学的な観点からご検討いただければとありがたいです。
もしこれが実現すれば、現役のWV部員だけでなく、山岳部OBやWVOBOG が山荘の維持活動に安心して積極的に参加できるようになります。