OB会荒井山行;常念−蝶

 

 2015年の山岳部OB荒井山行は昨年悪天候で直前中止になった常念−蝶ヶ岳。
参加者は荒井リーダー、最年長76歳の永井さん、同期の関さん、初参加で一番若い、といっても72歳木村さんと山田の5名。平均年齢73.4歳とかなり高年齢グループ登山。
 猛暑が続く84日穂高駅集合、宿の迎車で「常念坊」に向かった。温泉でゆったり、夕食の6時まで再開を祝して乾杯。夕食はふっくら焼き上げた岩魚、行者ニンニクの包み揚げなどなど地場の食材がふんだんに使われボリュームたっぷり、地酒も美味しく大満足。

大部屋に戻り持参したウィスキーなどでしばし歓談。

 翌5日、晴れ。宿発720分、タクシーで一ノ沢登山口まで。おいらく山岳会リーダーの木村さんリードでストレッチした後750分登山開始。

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男性だけのロートルグループは珍しい?そんな声をかけられた、一ノ沢登山口

 一ノ沢を左に見ながら緩やかに登っていく。山の神の祠を過ぎて1時間歩き休憩、何組かの登山者が休んでいる大滝ベンチ917分通過。烏帽子沢、笠原沢(10:40)を越して昼食。右手の斜面には花が多い。胸突八丁(12:14)は20年前に比べると良く整備されていた。最後の水場(12:49)を過ぎると樹林帯の急登が始まる。ひたすら上ること1時間で常念乗越、ここで眼前に現れる槍穂高のパノラマは素晴らしい。
 次女が就職面接真っ最中の22年ほど前、北アルプスに行きたいと言われて選んだのがこのコース。7月初め快晴、乗越で残雪の多い槍穂高連峰が突然眼前に広がった、「人生観が変わる」と次女の一言。神々しい景観、浄土とはこんなものかと思うほどだった。何年かしてかみさんにもこの光景をと登ったが、残雪が少なく最初の感動には遠かった。
 記憶は時間とともに増幅されていくのかもしれない、今回も浄土の再現は無理だったが大パノラマは変わらない。

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小屋に荷物を置いて外のベンチで生ビール、乾杯のビールはあっという間、各自持参したウィスキー・摘みで至福のひとときを過ごした。夕食は5時、3階の換気扇下の寝場所は騒音が気になったが早々明日に備えた。

 

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下界とは一味も二味も違う

 

 6日、小屋の朝は早い、朝食4時半。ストレッチ体操をして5:25出発。

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常念乗越の朝

見慣れた岩礫の稜線を登る、朝日に映えた槍穂高が右手に大きい。何組かに先行してもらい山頂着7:15。2857mの頂上からは北の大天井から槍穂高、南東に富士山、南西に噴煙を上げる御嶽山、その手前に乗鞍・焼岳と素晴らしい展望。
パノラマを楽しみ写真撮影して7:30蝶へ向かう。ホイホイとはいかないロートルの身に大石の岩礫下りは厳しい。ホイホイ組に先行してもらい、慎重に鞍部まで下る 8:39

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常念頂上から槍穂高を望む
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常念下り最低鞍部、こんな岩礫をひたすら下った

 小ピークを越して森林帯に入る、さらにピークを越すとお花畑が現れた。
シシウドやオタカラコウ、サラシナショウマ、キスゲも咲き残っていてなかなか見事なお花畑。

森林帯を抜けるとやっと蝶槍が現れた。二等三角点13:15着。

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やっとここまで、蝶槍を背に

ここからは緩いアップダウン、横尾分岐(13:37)を過ぎて14時、蝶ヶ岳ヒュッテに着いた。
 常念とはまた違う槍穂高の大展望のなか、待望の生ビールで乾杯、一杯目はあっという間、二杯目で一息。ベンチでのんびりアーベントロートを待った。キレットに少しずつ沈む太陽は見事だった。

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ヒュッテ前で、一杯ではすまなかった
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キレットに沈む夕日;蝶ヶ岳ヒュッテ

この小屋はスタッフの対応も気持ち良く、乾燥エリアや洗面場も快適。寝場所は誰か来たら詰めてと言われたが、結局ゆったり快適な一晩を過ごせた。良いヒュッテだった。


 7日朝、快晴。朝食までのひととき、日の出とモルゲンロートを期待して小屋前で待った。

綺麗な日の出は期待通り、槍穂高の朝焼けはあまり染まらず残念。
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日の出
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あまり赤くないモルゲンロート、蝶ヒュッテ前
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蝶頂上からヒュッテとその先に常念
小屋発6:10、頂上でしばらく、三股分岐から下山。まめうち平9時、駐車場10:40。迎車のタクシーで常念坊まで、温泉で汗を流しビールと安曇野蕎麦で打ち上げ。無事下山を祝した。
 
 この年一回のOB山行は今年で9回目、今回のコースタイムはほぼ3-5割増し、年を感じさせられた山行だった。北アルプス7回、南アルプス2回。昨年は悪天候で中止、10年経ってメンバーも少し入れ替わった。そろそろ代替わりしたいというのが荒井リーダーの意向のようだ。何とか来年、10回の節目までもと思うが。

 

常念−蝶の花々

 一ノ沢登山道、蝶への森林帯で様々な花が迎えてくれた。そんな花々の幾つか。

一ノ沢沿いの花
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チョウジギク 茎から伸びた白い綿毛が特徴、その先に黄色い花
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センジュカンピ 日光の千手が浜で最初に見つかったのでこの名がついたという
他にアキノキリンソウ、オタカラコウ、シモツケソウ、ミヤマニンジン、ヒヨドリソウなどなど

 

蝶への樹林帯のお花畑


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シシウドやキスゲのお花畑のなか蝶槍へ向かう
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サラシナショウマ 根に痔疾、解毒、解熱の効用がある
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ミヤマコウゾリナ
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右にオタカラコウ、左がマルバダケブキ
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お花畑 手前のブルーはトリカブト
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咲き残っていたニッコウキスゲ
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ハハコグサ 珍しくないが群れていたので
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トウヤクリンドウ 胃に薬効があるので「投薬」
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カニコウモリ 葉がカニの甲羅に似ている、尾瀬に多い

                                           2015年8月17日 山田記