ドロミテ・スキーとウィーン

                                                   2015/3 山田記

 

概要

 2月24日〜3月9日まで北イタリアのドロミテエリアでスキー、後半の三日はウィーンで友人と再会、彼が手配してくれたフォルクスオーパで「フィガロ」、最終日は楽友協会(ムジークフェライン)でコンサートを楽しんだ。
 このスキー行はゴルフ仲間でベテランスキーヤーのSさんに声をかけてもらった。実質スキーを始めて3年目の初心者が如何なものかと思ったがドロミテの景観は魅力、難しかったらビールを飲んで景色を眺めてればいいかと参加を決めた。とはいっても皆さんのお荷物にならないような滑りはしたい、

ということで年末から出発まで12日間のスキー特訓をこなし、苦手な急斜面も何とか降りられる程度までになった。広大なドロミテがどんな難コースで待ち構えているか期待と不安で出発の日を迎えた。
 6時Sさん宅を名スキーヤーAさんと3人で出発、成田で北海道から参加したKさんと合流。10:25発LHはフランクフルトが大雪で到着が遅れ4時間遅延。支給された千円の食事券とビールで時間をつぶした。
フランクフルトで乗り換へてインスブルックまで、タクシーでホテル着11時、ながい移動だった。

 25日は前夜空港からのタクシーとコルティナダンペッツオまで€250で交渉、フィアットの大型SUVはスキー、荷物を積んでも楽々。12時前にコルティナのホテル着。Sさん馴染みのレストランで昼食、Iセンターで情報収集と7日間のスーパースキーパス€257を購入、明日からのスタンバイ完了。
 26日:トファーナ、27日:チンクェトーリ、28日:ファローリア・クリスタッロ、連日快晴のなかコルティナの代表的なエリアをたっぷり滑った。28日2時15分ホテルに戻り、タクシーで約2時間、セッラ山群のSt.Christinaに移動。
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ファローリアのゴンドラ駅から見た右にトファーナ、中央にチンクェトーリ、大俯瞰だった

 3月1日:隣町Selvaのゴンドラでゲレンデに、セッラ山群とサッソルンゴ岩塊の間を滑りSt.Christinaに下りた、2日:セッラロンダ時計回り周回、雪のなか9〜5時までの長丁場を何とか完走、3日:サッソルンゴの東から南まで、この岩塊を楽しんだ、4日:西隣町OrtiseiからゴンドラでSEISER ALMへ。サッソルンゴの西側を見ながらクロスカントリーコースもある緩斜面の多いゲレンデは3年目の初心者向きで存分に楽しめた。
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セッラ山群、セッラロンダはこの山群を周回する
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サッソルンゴの岩峰、東側から
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朝の逆光のなかサッソルンゴを西側から、左はセッラ山群
 5日バスと電車を乗り継ぎインスブルックへ、午後から王宮見学。6日:この日から個人旅、4:30ウィーン着、7時からフォルクスオーパで「フィガロの結婚」、7日:ホッヘガーさんとゆったり昼食、その後美術史博物館、7:30からムジークフェラインでコンサート。813:05ウィーン発で帰国。

 初めての海外スキーとウィーンでは友人との会話、オペラ・コンサートを存分に楽しんだ贅沢な旅だった。お誘いいただいたSさんには旅全般・スキーで大変お世話頂いた。感謝します。

 

以下、詳細。
 

コルティナダンペッツオ(Cortina d' Ampezzo

 

 インスブルックからコルティナまでは170qほど、電車でFORTEZZA乗り換えDOBBIACOまで行き、タクシーでコルティナを予定していたが、インス空港からホテルへのタクシーが大型SUV、これでコルティナまでの値段はと聞くと最初の€300250までになった、これで交渉成立。
 インスのホテルを9時出発、途中一回休んで12時前にコルティナのホテル Villa Alpina に着いた。Sさん馴染みのイタリアン「5-TORRI」で地ビール、サラダ、生ハムpizza、塩パスタの昼食。近くのIセンターで7日間の Superskiパス を購入、€257
このパスでドロミテエリア12のリゾート、450基以上のゴンドラ・リフト、スキーバス(路線バスも)がすべて無料。スロープ総延長は1200qとパスにあった。半端でない巨大なスキーエリアに驚く。
 コルティナは東西北をスキーエリアの山塊に囲まれた谷間にある。バスターミナルを中心にその南西に教会を中心に繁華街が広がるコンパクトな高級山岳リゾートといった装い。ブティックやスキー用品の店とレストラン、ホテルがほとんど。

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市中心にある教会

 我々のホテルは市中心の南端にありバス停は直ぐ、スーパーマーケット、COOPも近く、中心街まで10分程度となかなか良いロケーションにある。
 最初の夕食は部屋食にしようということで、スーパーマーケットで食材調達。サラダのカット野菜、チーズも様々あり好みのグリュエールを選ぶ、ハム、パンなどなど。ワインの品数が豊富、バローロ、ブルネッロ・デ・モンタルチーノ、薬草入りグラッパを仕入れた。バローロ;€16.5、モンタルチーノはディスカウントで€24.9 と嬉しいお値段。翌日はバルバレスコ、ピノグリージョを仕入れた。ワインは好評、いよいよ明日からスキー三昧が始まる。

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左からバローロ、モンタルチーノ、グラッパ

コルティナ:トファーナ(TOFANA)

 26日、スキー初日はコルティナ2度目Sさんの判断でトファーナ、8時半スキーバスで市街北のケーブル駅へ、雲はあるが良い天気。
トファーナは1956年の冬季オリンピックで猪谷千春が回転で銀メダルを獲得したコースとあった。ゴンドラを乗り継いで終点は標高2470m、ゲレンデは綺麗に圧雪されスキーヤーも少なく3年目の初心者でも快適に滑れた。足慣らしで2本、リフトで上に上がり下まで滑ると結構な距離になる。

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ゴンドラ終点から見たトファーナ、この左上と下がゲレンデ
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ゴンドラ下のゲレンデ、綺麗に圧雪され滑りやすい

11:45
分、ゴンドラ駅レストランで昼食。300mlのヴァイスビア(白ビール)3、焼きサンド5はチーズ・ハム・野菜たっぷり、味、量ともに十分、ビッグリゾートスキーエリアにしては良心的お値段。
 午後からはゴンドラを一つ下り、南斜面を滑りリフトで登ると冬季オリンピックコースエリア、見上げると岩の間に超急斜面。さらにリフトで上がるとこの斜面が滑れる、当然初心者はパス、3人は迷うことなく上って行った。感想はたいしたことはない、子供たちもキャーキャー言いながら滑っていたとのこと。上から見下ろすとただの崖ということだったが。

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オリンピックコース、こう見るとたいしたことなさそうだが

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人で中級コースを楽しみ、3時前皆さんと合流。ファミリーコースを下ってバスでホテルに戻った。
 一休みしてスーパーへ、ビール、ワインはバルバレスコ、ピノグリ、スモークサーモン、ハム、サラダ野菜、ドレッシングを探すがない、何人かに聞いてもなさそう、COOPにはあるかもしれないとのことで諦めてバルサミコ酢を買い込んだ。この晩も部屋食、昨日のグリュエールもまだたっぷり、なかなか豪勢な晩餐だった。ワインが好評だったのは何より。

 

コルティナ:チンクェトーリ(CINQUE TORRI)、コースを間違えた!!

  27日朝も晴れ、二日目のスキーはチンクェトーリ、五つの塔という意味のようだ。バスでBAI DE DONESまで、少し歩いてリフトで上がる、圧雪した朝の快適なゲレンデを3本。上ではチンクェ5塔が直ぐ左に聳える。
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チンクェトーリ
 緩いロングコースといったSさんの説明とはいささか趣が異なるなかなかの難コースを右に下る。チンクェに登って途中まで下り、リフト・滑降・リフト・ゴンドラで2800mLAGAZUOIへ、ここで昼食、定番の白ビールとソーセージ、Sさんのオムレツを少し分けてもらった、なかなかの味。

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LAGAZUOI
 レストランのテラスから

 午後の下りでハプニング、FALZAREGOに戻るつもりが反対側に下ってしまった。いくら下っても左折に出ない、途中のロッジで道を訊ね間違いに気が付いた。ここは人気コースのようで人が多い、さらに下ると左にアイスフォール、4組ほどアイス・クライミングに挑戦していた。名スキーヤーAさんはさっさと先に行っている。どこで間違いに気付きどう対応するのか気懸り。

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アイスクライミング、それほど大きな氷瀑ではない
 次のロッジにベンツのタクシーがいた。乗れるのか聞いたらOK、後2人来るから待てという、走り出すと左に馬橇がスキーヤーを乗せて走っている、これがこのコースの名物のようだ。峠を越えてFALZAREGOまで€30、一人6。貴重で良い経験だった。
 ここから林間を滑りBAI DE DONESバス停まで。3時のバスに乗って終点からゲレンデに戻り昨日滑ったファミリーコースにでてバスでホテルに戻った、4時。
 気懸かりなAさんは意外に早く5時に戻った。馬橇コースからさらに西のセッラのほうまで行ってしまい、さすがにおかしいと気付き聞きまくってタクシー乗り場にたどり着き、€85で直接ホテルに戻ったという。運ちゃんは素直にぼられたAさんを気の毒に思ったのだろう、€80にまけて2gのジュースと果物を持ってけと渡されたとのこと。一番ほっとしたのはSさん、良かった良かった。
 夕飯はSさんと今日のコースと同じ店名で贔屓のイタリアン「5-TORRI」へ、6時半の開店までしばらくあるが入れてもらってビールを飲みながら今日のコースを反省。結果オーライ、素晴らしいハプニングだった。
野菜スープ、グリーンサラダ、パスタそれぞれ、酸味ハムとキノコのトマトソースは今一だった、マルガリータは食べきれずテイクアウトしてお土産にした。帰りのころは満員、人気のお店だ。

 

コルティナ:ファローリア、クリスタッロ(FALORIACRISTALLO

 28日はコルティナ最後の日、快晴のなかゴンドラでファローリアへ。終点駅2123mからの大パノラマは素晴らしい。初日のトファーナ、昨日のチンクェトーリ、右にはクリスタッロの大岩峰、眼下にはコルティナの町。ずーっと観ていたいような大景観、来たかいがあった。連日のお天気に感謝。

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ホテルの窓からモルゲンロートのクリスタッロ
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ゴンドラ終点駅から見下ろすコルティナの町と初日に滑ったトファーナ山群
 

 54のリフトで上がると2362mのTONDI、ここから中級コース1本、上級コース3本に分かれる。

先ずは中級を2本、これは快適。Aさんは上級をバンバン、3本目に挑戦したが初心者にはタフ。3人とは別に中級を楽しんだ。
 勝手に滑っているAさんを除き3人でクリスタッロを目指す。谷に滑り下り、57リフトから70、71を滑りスキーを脱いで58のリフトでビューポイントに上がる。中間点があってここから滑ることが出来るがこの上は崖のような斜面、圧雪もないが滑る人はいるようだ。ビューポイントまで登る人は少なく我々だけ。ここはシルベスタ・スタローン主演の映画「クリフハンガー」のロケ地。十字架や直下の俯瞰を楽しみ、下りのリフトに乗るがすごい傾斜で怖い。スキーを履いた猛者とすれ違う、滑るのかと聞くと当然の返答。超急峻な岩間、命知らずはいるもんだ。

 ロッジに下り昼食、白ビール、カレースープ、ソーセージ、カレーが旨かった。リフトを乗り継ぎ、最初の中級コースからゴンドラ駅まで。2時15分ホテル着。Aさんは出発準備完了で待っていた。

 ここからタクシーでセラ山群のSt.Christina の宿まで約2時間走った。