丹沢主脈縦走 2013.4〜5
夏山登行
巷中無處避炎威
踏破涼山人跡稀
攀石聴泉幽谷裏
煩襟洗卻入清機
読み下し文
巷中炎威を避くる處無く
涼山の人跡稀なるを踏破す
石を攀じて泉を聴く幽谷の裏
煩襟洗却して清機に入らん
意訳
街中は真夏の燃えるような暑さを避けるところがない
人影もまばら涼しい山を縦走している
鎖場の岩場を攀じ登って、奥深く渓流の水音が聞こえてくる
俗世界の煩わしさをすっかり洗い流し、清らかな心になった
注:巷中(こうちゅう)=町中。炎威(えんい)=真夏の燃えるような暑さ。處(ところ)
涼山(りょうざん)=涼しい山。人跡(じんせき)=人の往来する跡。
攀(よ)じて=よじ登る。泉(せん)=渓谷の流の音。幽谷(ゆうこく)=奥深く静かな谷間
裏(うち)=物事の内側、ふところ。
煩襟(はんきん)=俗世界の煩わしい胸中の思い。洗卻(せんきゃく)=すっかり洗い流す
清機(せいき)=清らかな心の働き。