白馬三山:雲上の温泉と三山から栂池まで
今年のOB有志山行は白馬三山。7月31日白馬村ペンション「ミンティ」にリーダー荒井さん、他永井、関、石川各氏、山田の5人集合。初日は猿倉から白馬鑓温泉、二日目 鑓・杓子・白馬の三山から三国堺・白馬大池までの長丁場、最終日、蓮華温泉の予定が集中豪雨でバスが不通になり、栂池に変更し下山した。
あまり良くない天気予報に反し、まあまあの天候のなか花を愛でながら良い山歩きができた。
31日午後4時「ミンティ」に全員集合、風呂を浴びてから軽くビールで近況交換。夕食は全員赤ワイン飲み放題をオーダー、おかみがハラハラするほどお代りを続けた。部屋に戻りウィスキーでしばし談笑、10時就寝。
「ミンティ」2景、右はこれから始まる赤ワイン飲み放題
8月1日…猿倉から白馬鑓温泉小屋
宿の車で猿倉まで送ってもらう。ストレッチ体操をして濃いガスのなか6時半出発。鑓温泉への分岐からブナ林と樹林帯のなかを歩く、湿地帯に咲き終わった大きな水芭蕉が見られた。やがて小日向のコル、9時10分。この辺から花が多くなる、紫のタテヤマウツボグサ、ピンクのシモツケソウ、カラマツソウ、キンポウゲ、キンコウカ、ギボシ、キスゲ、クガイソウなど。サンカヨウが旨そうな実を付けている、口に含んでみた。甘酸っぱくてなかなかの味。
3ピッチ目で昼食、宿のおにぎりにフリーズドライの味噌汁が旨い、9時55分〜10時10分。上部が滝になっている杓子沢の雪渓をトラバースして鑓沢の雪渓を渡ると赤い小屋の屋根が見えてきた。だらだら登り最後の雪渓をトラバースすると温泉の湯が流れ落ちてきて小屋は目の前。鑓温泉12時10分着。
チェックインし早速2100mの露天風呂へ。澄んだ泉質に湯の花が漂う、目の前は雄大な景観、湯は適温、時間もたっぷり、雲上の極楽・至福のひと時を楽しんだ。
湯上がりは6畳ほどの部屋で酒盛り、夕食の5時までのんびり過ごした。夕食後は明日の長丁場に備えて8時就寝。
杓子沢の雪渓を渡る、雪渓の上部に滝が見られた 8月1日 11:00
鑓温泉:熱からず温からず、快適な露天風呂 8月1日 12:58
以下、白馬鑓温泉に関するウィキペディアからの抜粋。
以前は「日本最高所の温泉」を名乗っていた時期もあったが、立山のみくりが池温泉や八ヶ岳の本沢温泉などのほうが標高は高く、現在ではそのような表示はしていない。
7月上旬から9月下旬だけの営業で、期間外は閉鎖され、建物は雪崩を避けるために解体される。毎年6月下旬から小屋の組み立てを行っている。組み立て・解体が容易な構造のため、簡素な造りの山小屋である。
江戸時代から猟師や樵の間に知られていた温泉であるが、人里を遠く離れた山上の温泉のため、一般の利用は長らく行われなかった。1876年、麓に引湯する工事が行われたが、雪崩により多くの犠牲者を出したことにより中止される。その後、大正期にこの地に山小屋が建設されるが、1928年(昭和3年)に白馬岳山頂直下の白馬小屋(現在の白馬山荘)を営む白馬館による山小屋経営が始まる。
8月2日…鑓温泉から白馬三山−三国堺−小蓮華−白馬大池
夜中に降ったようだが朝はまあまあの天気。ガンタ気味の朝食を済ませ、5時35分小屋発。この日は長丁場、先ずは尾根までの急登、登り始めて間もなく梯子や鎖場となる。1時間ほどで傾斜が緩くなりチングルマ、ハクサンイチゲ、コイワカガミなどの花が多くなる。7時55分大出原、ここのお花畑は見応え十分。左に赤茶色の天狗尾根、正面右は白い鑓の山腹、このなかに広いお花畑が広がっている。
お花畑と鑓:8月2日 6:52
天狗尾根:8月2日 6:42
一登りして尾根に出た、8時35分。コースタイム3時間40分、休憩入れて3時間と快調なピッチ。
礫目の前に石灰岩の白い鑓ヶ岳が大きい、礫にはコマクサがたくさん咲いている。鑓の山腹を巻いて分岐に荷物を下ろし山頂まで、9時30分。杓子、白馬、旭、清水岳がガスの合間に見え隠れしすっきり顔を出してくれない。
鑓ヶ岳:鑓温泉への分岐から 8:35 鑓頂上から杓子、白馬を望む 9:21
深田久弥の好きな南北・縦方向から見た白馬岳
分岐に下って非常食の軽い食事、リーダー持参のミカンが旨かった。杓子と丸山のアップダウンをミヤマオダマキ、イワキキョウなどの花々や雷鳥親子に励まされながら歩く、村営頂上宿舎手前のお花畑は何種類もの花が咲き乱れ見事。
村営頂上宿舎手前のお花畑
白馬山荘着12時20分。山頂レストランでビーフカレーの昼食、味も量も文句なし。記念撮影して13時出発、白馬山頂経由、三国堺まで。ぽつぽつ来ていた雨が急に大粒になった。急いで雨具を付けるが間に合わない。雨のなか小蓮華に向けて歩き出す、頂上で小休止。雨は小ぶり、大池まで70分の標識。アラ古希パーティにはここからが長かった。30分ほど下った雷鳥坂手前で白馬や杓子が顔を出してくれた。
10数名のパーティとすれ違う、「白馬山荘まで、1時間半もあれば着くでしょう」 これには驚いた。3時間近くはかかるだろうから、小屋には6時半、誰かブレーキになれば7時過ぎになりそう。少々計画疎漏、無事着いてくれるようにと念じた。
まだかまだかと歩きようやっと大池を見下ろすケルンに着いた。雨具を脱いで小休止。忘れ物名人がカメラを置き忘れるハプニングもあって大池山荘着、16時45分。
11時間10分、長丁場の一日だった。夕飯はカレー、昼に続いてカレーの連チャン。
関さん持参の胡麻豆腐を肴にビールで乾杯、カレーもお代わりして頂いた。
*リーダーから白馬岳は大蓮華山の別名があると紹介があった。
深田久弥の百名山によれば、「西側の越中や越後側で大蓮華山と呼ばれた。白雪に輝く山容が、日本海側から見ると蓮華の開花に似ているから・・・信州側にはこれという名がなく、単に西山と呼ばれていた。それがいつ頃からか代馬岳と名づけられ、それが現在の白馬岳と変わった・・・、それによってハクバという発音が生じ、今では大半の人がハクバ山と誤って呼ぶようになっている」とある。
8月3日…白馬大池山荘−乗鞍岳−天狗原−栂池
最終日、非常食で軽い朝食をとり5時10分山荘発。ガスは濃いがまあまあの天気。小蓮華がきれいに大池に映っている、乗鞍岳手前から池を見下ろすとすっぽりガスで覆われていた。昨日歩いた白馬三山も一寸顔を覗かせたが直ぐガスに覆われた。乗鞍岳頂上、5時50分。天狗原、6時55分。様々なスープを入れたラーメンの朝食は絶品の味だった。7時30分発、4年前は傾斜のある雪渓を下ったが、今は大石のゴロゴロする脇道がルート、この後熊笹の灌木帯、泥濘の道を歩いて栂池に着いた。
白馬大池と小蓮華岳 8月3日 5:30 大池がガスでスッポリ 5:43
乗鞍岳から左に鑓、右に杓子 8月3日 5:58
栂池からロープウェイ、ゴンドラを乗り継いで小谷まで。少し歩いて元湯栂の森荘で汗を流し、タクシーで白馬村「そば神」、11時から早めの打ち上げ、独活のきんぴら、茎ワサビやアザミの漬物、新鮮なモロキュウなど摘みも洒落ている。〆は特盛り蕎麦。自前がベストでそこから数えて4番目位に旨い蕎麦だった。
白馬駅で12時解散、それぞれの途に着いた。
花の写真何葉か
コマクサの群落:白馬にこの花は欠かせない 鑓分岐手前 8月2日 8:31
タテヤマウツボグサ 鑓温泉への登りにある イブキジャコウソウ 杓子岳
8月11日 山田 和夫記