谷川国境縦走

 

月 日  2005年8月28日、29日、30日

メンバー 荒井(38C)永井(38W)関谷(29W)

エビス大黒の頭と仙ノ倉山を望む

仙ノ倉山頂にて

 

出発まで

 

この谷川国境縦走は荒井さん・永井さん・私ともに40数年振りの縦走である。私にとってぜひ実行したいと考えていたが、果たすことが出来ず年だけがかさむだけで、年齢的に思うと早い方が良いと考えていた。

昨年(2004)蓬峠越えをした後、荒井さん・永井さんより来年(2005)は谷川岳から平標山まで縦走をやろうと連絡があった。

今年(2005)陽の長い825日〜27日と決めて、荒井さんが詳細な実施計画を立案した。ところが826日、11号大型台風が関東地方に接近するとのことで、828日〜31日(予備日を含む)と日程変更をした。

 

メンバー

 

荒井 真二 (38C)

現在日本山岳会に属し、日本山岳会百周年記念準備のために忙しい毎日を過ごしている。かって学生時代、尾瀬でアルバイトをしていた時、缶ビールのなかった時代に、ビールの大瓶20本入り2ケース約40kgを運んでいたこともあったと言う。

 

永井 孝治 (38W)

神戸に住み関西の山々を中心に現在もトレーニング続け、ネパール・ニュージランドなど海外トレッキングをしている。

 

関谷 丞一 (29W) 74

関東の低い山々を中心に現在もトレーニングを続け、ネパール・パキスタン・スイスなど海外トレッキングをしている。

 

山岳部OB諸先輩を見れば、80歳台でも現在なお元気な方々がいるが、今回谷川国境縦走計画で一番心配したのは、天候と私自身の体力問題であった。

雨が降ったらすぐ逃げることを常に念頭に置き、いずれにしても年齢は60歳代2人と74歳の私、合計3人のメンバーである。

 

出発準備

 

荒井さんよりの計画に、各自昼食2食・予備食・非常食・水2L以上、その他衣類などリュックサックに詰めてみると、12kgほどになった。荒井さんはその上に、共同装備として、ガス・コッヘル・ツエルト・救急薬品などを持参するから更に重くなる。

谷川岳連峰は天候の悪い日が多く、縦走中一番心配なのは雨で特に雷である。谷川岳〜平標山の間には、避難小屋が大小4棟あるが、エスケープルートがないために、雨が降った場合には、避難小屋に泊まるか、さらには戻るか進むしか方法がないので、計画については充分検討を尽くした。

 

谷川岳へ

 

 8月28日(日)

コース

JR天王台6:20―上野6:58(特急)7:20―水上9:42 9:50―土合10:00―警備事務所10:40―ロープウェイ上11:10 11:25―熊穴沢避難小屋12:05(昼食)12:30―肩の小屋14:00―トマの耳14:30―オキの耳14:45―肩の小屋15:20

台風11号が過ぎ去った後、水上地方の天気予報では、828日朝夕は雨、昼間は曇り、29日、30日は比較的安定するとの予報であった。

上野発午前720分水上1号に乗る。荒井さんは大宮から乗車した。上牧駅で車窓より眺めると、稜線はガスに覆われていた。水上駅で永井さんに合い全員が揃って土合駅で下車した。同時に下車した中学生の一団が、階段下で整列している間を抜けて、約500段を上り、外に出てみると小雨が降っていたので、傘を差して歩き出した。

警備事務所に立寄って手続きを済ませてから、ロープウェイに乗る。新設ロープウェイは9月中旬より運転開始するとのこと、従来のロープウェイに乗り、着いた時は濃いガスで、隣接しているリフトも全然見えないほどであった。

濃いガスの中でも谷川岳へ登って行く人達が結構いるものだ。登山道は濡れていて滑る。熊穴沢避難小屋に着くと、谷川岳から下って来た登山客が休んでいた。昼食を済ませてさぁ出発だ。岩稜尾根を登って行くと、ガスは段々薄くなって来たが、リュックサックは重くなる。登山道にリンドウが咲いていた。天狗の溜まり場・天神ザンゲ岩を越える頃、西黒尾根が見えて来た。ヒツゴウ沢を遡行して来たクライマー達も見えた。もうすぐ肩の小屋である。

肩の小屋にリュックサックを置いて、トマに耳・オキの耳まで行くことにした。ガスが薄くなってきた。トマの耳に着いて取り敢えず記念写真をと、そこに居合わせた人に撮って貰ってから、オキの耳へ向う。吊り尾根から右下を見下ろすとマチガ沢。さすがの岩壁である。オキの耳に着いたのは我々3人だけで展望はなかった。肩の小屋への帰り道、岩と岩との間にリンドウが咲き、秋がそこまでやって来ていた。

 

オキの耳

 

肩の小屋

 

昨年(2004)新築された立派な肩の小屋である。小屋の管理人は馬場保男さんで非常に対応が良く3人で管理をしている。建物は寒冷対策として窓は三重窓であり、その上にソーラーシステムによる電化設備は素晴らしい。冷蔵庫・冷却庫(ビールなど冷やす)・オーブン・テレビ・電灯と殆ど整っている。テレビの映りも良い。小屋内のトイレも水洗であるが、洗浄水は循環されているために、濁った水が出ていた。

今宵の宿泊客は我々3人だけの貸切である。一番良い個室に入った。6人部屋に3人とゆったりしていた。その他の部屋は大部屋で食堂の上も部屋になっていた。寝具は各自マットの上にシュラフが用意されていた。

夕方6時頃、管理人が晴れて来たと言って来たので外へ出ると、シャツ姿では寒い。気温は12℃であった。肩の小屋前から眺めると、万太郎山が大きく構えていた。大きな山影が見える。オジカ沢の頭その左側に川棚の頭が偉容な山姿をしていた。左下に灯りが見える。“あれが水上の灯だ”と言う。

昨年(2004)蓬峠より眺めた時の土樽の灯を想い出した。寒さを我慢して暫らく、夕闇に映る黒い山姿に見惚れていた。

小屋内に入り夕食時間まで、ビール・ウイスキーで乾杯し、今日の山行きや明日の予定など話に花を咲かせていると、夕食だと連絡があり食堂へ行って済ませた。明日の朝食は午前5時、出発は5時半と決めて部屋へ戻り、消灯は午後9時であったが、その前に電灯を消して床に就いた。

 

若い登山者達

 

828日は日曜日、肩の小屋に泊まっているのは我々3人だけであったが、午後6時過ぎ夕食をしている時、どやどやと5,6人が小屋の中に入って来た。安全帽を被り雨具を着てびっしょりに濡れた姿で、管理人と相談していた。今晩小屋に泊まるのかと思っていたら、下山するための話であった。これから下山するのか。こんなに遅くなってから。しかし、考えてみれば帰らなければならない必要があったのかも知れない。

829日朝午前5時朝食をしていた時、若い男性1人が小屋に入って来た。話を聞くとこの若者は午前2時に土合を歩き出し西黒尾根を登って来たと言う。天候を聞くと雨は降っていたが、夜中は星が輝いていたと言う。これからの予定を尋ねると、オジカ沢の頭・万太郎山・仙之倉山・平標山を越えて今日中に元橋へ下ると言う。

我々3日分の行程を1日で済ませる。これまた驚いた。この若者は小屋の食堂で暖かいカップラーメンを注文して食べ始めていた。

 

谷川岳の形成

 

谷川岳は新潟県側が緩やかで、群馬県側が急峻な非対象山稜をなしている。なぜこのような山が出来たのだろうかと文献を調べて見た。

谷川岳の岩壁基礎部に断層線が走っている。その断層線を境にして、新潟県側が隆起して、群馬県側の岩壁が出来た。その後最終氷河期5,6万年前、と2万年前、雪崩作用が極めて活発に作用し、岩壁を磨き上げたことは事実であろうが、雪崩による侵食作用は考えていたよりも小さかった。谷を埋めた氷河により谷をさらに深く刻み、岩壁を研ぎ澄まされて出来上がったと推定される。一之倉沢・マチガ沢・幽の沢などに氷河の痕跡、モーレンなどが確認されている。

 

谷川岳から万太郎山へ

 

 829日(月)

コース

肩の小屋5:35―オジカ沢の頭6:35―オジカ避難小屋6:40―大障子避難小屋7:30―万太郎山9:00 9:20―越路避難小屋10:10(昼食)10:50―毛渡乗越11:20―エビス大黒の頭12:50 13:00―エビス大黒避難小屋13:35―仙之倉山14:30 14:50―平標山15:45 15:55―平標小屋16:40

 

828日夜は雨が降っていた。朝440分頃起きて窓から眺めると、東の空が紅く染まり晴れていたが、新潟県側は濃いガスに包まれて、その上に笹が大きく揺れて風が強い。

今日(8/29)は谷川岳から平標山へと長丁場の縦走である。私の体力が勝負でもある。荷物をお願いして10kg弱にして貰った。朝食を済ませて、作って貰った弁当を詰めて、肩の小屋外へ出ると、オジカ沢の頭方面は濃いガスで全然見えず、風が強く吹いていた。気温10℃。作業員が先に中ゴウ尾根へ草刈道具を担いでガスの中へ消えて行った。

馬場管理人に見送られて、午前535分肩の小屋を後にした。オジカ沢の頭へ向ってどんどん下って行く。ガスの中では花などを見て歩く余裕などはない。中ゴウ尾根の分岐点で、先ほど行った人は草刈りを始めていた。岩稜尾根はガスの中では一歩前を行く人が見えるほどで、両手両足を使っての登り、胸を突くようなオジカ沢の頭への登り、一歩一歩登るが濃いガスのために上も下も見えなかったことが、幸いしたのかも知れない。オジカ沢の頭に着いた。コースタイム通りの行動である。

オジカ避難小屋前で小休止、カマボコ形避難小屋を開けて覗くと、床は濡れていた。俎ー・川棚の頭への道を見失ってしまった。オジカ沢の頭への登りが急であれば、下りも急峻な岩稜尾根である。大障子避難小屋へ向うころより、予報通りガスが薄くなり青空が見え始めて来た。

大障子避難小屋に着いた。この国境縦走中にある避難小屋で10人ほどが利用出来る一番大きな避難小屋で、20分も沢へ下れば水場もある。カマボコ形避難小屋内を覗き込むと、床は乾き整理されていた。あっと言う間に大障子の頭を過ぎ、時計を見ると順調な足取りで歩いていた。

ガスが消えて陽が出て来て暑くなって来た。前方に大きな万太郎山が見え、後方にはオジカ沢の頭・谷川岳が見え出し、その左側に一之倉岳が雲の間から顔を出し、茂倉新道尾根も見えた。

万太郎山への登り、見上げると大きな山である。ゆっくりゆっくり登り続けて、万太郎山に着いてほっとする。

肩の小屋管理人の馬場さんが言っていた。登山道の草刈作業について、水上町側は万太郎山までで、それから先は新治村の管理範囲であると言う。万太郎山までの登山道の手入れは良くされていた。

万太郎山からの展望は晴れ上って素晴らしかった。前方にはエビス大黒の頭と仙之倉山が見え、後方には谷川岳見えたがピンと尖った耳二つは、万太郎山から眺めると耳はだれていた。

誰かが言った。仙之倉山荘から万太郎山は良く見えるが、万太郎山から仙之倉山荘が見えないかなぁと……。

 

万太郎山から仙之倉山へ

 

万太郎山から眺めると、仙之倉山は優雅な山姿をしているが、前衛のエビス大黒の頭が急峻な姿で待構えている。万太郎山を越えると登山道の手入れはされていなかった。東俣の頭を巻くようにトラバースをして行く。毛渡乗越への下りであるがコルは見えない。下りの登山道は草に覆われて、道は濡れて滑る、その上に石が所々にあって歩き難くなって来た。しかし、右側を見下ろすと笹に覆われ、比較的平らな所が見える。大笹平だ。スキーで登って来た時の事を想い出した。

越路避難小屋に午前1010分に着いたら、男性2人先客が休んでいた。出発が早かったのでここで昼食を取ることにした。コッヘルに水を入れ、ガスバーナーでお湯を沸かして味噌汁を作り、肩の小屋で作って貰った弁当を広げた。また沸かしてコーヒーも飲んだ。

まだまだ毛渡乗越までは下りであるがコルは見えない。着いてから左側阿弥陀沢を下り川古温泉への道は悪く、途中渡渉箇所があり現在は廃道であると言っていた。

見るからにエビス大黒の頭への道は急峻であり、新潟県側は笹に覆われて急斜面である。群馬県側は岩が剥き出しになっていた。疲れて来て運ぶ足取りは重い。越路避難小屋で休んでいた2人もエビス大黒の頭への登りであり、もう1人黄色いザックカバーを付けた登山客も登っているのが見えた。

登りながら眺めた、シッケイの頭・イイ沢の河原、その左側に三の字の頭・仙之倉山が良く見えた。スキーでシッケイ沢を下った時の苦しさ、イイ沢の河原で休憩した時の楽しさが記憶の中に蘇って来た。さらに仙之倉山直下に突き上げている毛渡沢西俣が荒々しく見えた。

エビス大黒避難小屋が見えた時、こちらへ向って来る人がいる、今頃どこまで縦走するのだろうかと……。その人に出逢うと草刈り作業をしていた人であった。ご苦労さんと声を掛けた。平標小屋に着いてから分った事であるが、夕方草刈りをしていた人が帰って来て見ると、平標小屋のご主人であった。

エビス大黒避難小屋を過ぎ、私は3人中の真中である。先頭車が引張って行き、後の機関車が押上げて行く。真中にいる私が休憩と言って両機関車を停めてしまう。しかし、仙之倉山への登りの時、コブを越え肩が見える手前で両機関車を停めようとしたが、両機関車は私を引張って行ってしまった。肩に着いて休憩を取ると、仙之倉山の頂上はもう目の前にあった。仙之倉山2,026.2mの三角点に午後230分に着いた。ここまで来てやっとほっとした。エビス大黒の頭への登りから、スピードが落ちてコースタイムからかなり遅れ出していた。

頂上には円盤状の案内板が置かれてあった。今日歩いて来た谷川岳・万太郎山を暫らく眺めていた。全体の山姿は少しも変っていない、変わったのは我々の年齢だけかと……。

仙之倉山山頂にはロープが張ってあり、万太郎山と平標山方面だけが開けてあった。三の字の頭への道を探したが、入口はすぐ見付けることは出来たが、その先の踏み後は絶えてしまっていた。これではイイ沢の河原を経由してイイ沢を下ることは困難だと思った。

また日白山を指差しながら眺めると、平標山の稜線を辿り三角形をした日白山を見付け、その手前の支尾根が長ツル尾根である。5月上旬残雪期に登った日白山行きを想い出した。

 

仙之倉山から平標小屋へ

 

仙之倉山から平標山方面を眺めると、今迄と違ってなだらかな斜面である。左側に仙人小平のコブ、その右側に平標山が見える。黄色いニッコウキスゲが咲き終ると静かなお花畑となるが、よくよく見るとリンドウ・ハクサンフウロが咲き、咲き終えたチングルマやコバイケイソウが枯れたまま立っていた。

コブを過ぎて、右側を見ると、かって、東ゼンを登り切って稜線に辿り着いた斜面を想い出した。平標小屋への巻き道入口には休憩場を設けて、入口に植生保護のため通行禁止の札が建っていた。平標山への登りの木製階段は雨水のために掘られて、登山道脇に置かれたものもあった。登山道にはロープが張られ高山植物保護をしていた。

平標山に着くと山頂に1,983.7mの三角点が待っていてくれた。ここまで来ればと思うと気が楽になった。平標新道方面を眺めると、かって西ゼンを登り詰めて、背丈ほどの薮漕ぎして池塘付近に出て、平標新道を下った事を思うと楽しかった事苦しかった事が昨日の如く想い出された。

明日の山行きを考えると、予定では平標新道を下り、仙之倉山荘へと考えていたが、今日はかなり疲れた。平標新道も急な下りであるし、仙之倉山荘が閉ざされていることを考えると、明日は元橋へ下った方が良いと思った。

平標小屋へ向けて階段を下り始めるとだらけて来た。ハハコグサが階段の間から顔を出している。重い足を引き摺りながら、午後440分に平標小屋に着いた。

 

平標小屋

 

この小屋はいつ頃建築されたのだろうか、大分前から建てられ、多くの登山客を迎えてくれた。小屋の管理は新治村によって管理されている。本日の宿泊者は我々3人と男性2人の合計5人である。

今日肩の小屋を出発した時、歯も磨かなければ顔も洗っていない、平標小屋に着いて、改めて冷たい水で顔を洗いさっぱりした。夕食前の一時、外のテーブルに腰掛けて、購入して来たビールで乾杯をした。今回の一番長い行程は、休み時間を含めて約11時間は掛かったが、これも高年齢のせいである。それでも谷川国境縦走を無事終了した喜びを押さえることは出来なかった。

新しい肩の小屋とは比較にならないが、窓は一重窓で、灯りはランプを使用していたが、外のトイレの灯りはソーラーシステムによる豆電球が点っていた。

 

 

平標山の風食作用

 

平標山周辺は周氷河地域に属し、高山になれば見ることは出来るが、平標山のように2,000m位の山で、風食作用が確認出来るのは非常に珍しい現象で、この平標山と仙之倉山との間の稜線付近は不思議な地域となっている。

風食作用によって出来る“風食裸地”、別名“風食ノッチ”と呼ばれている。風食裸地は強風によって、植物が根こそぎ削り取られた跡地で平坦な砂礫地となっている。砂礫地の形は、吹く風と風力に関係がある。この平標山に出来た風食裸地は、梅雨時期にイナサと呼ばれる強い南風が原因であると言う所まで研究がされていた。

 

 

谷川岳からの小屋前にて                 大障子避難小屋にて

 

越路避難小屋にて                   エビス大黒の頭にて

 

エビス大黒避難小屋にて                    平標小屋への下り

 

  

平標小屋にて                      平標小屋前にて乾杯

 

830日(火)

コース

平標小屋6:10―平標山7:05―松手山8:20―高圧線鉄塔9:00―元橋登山口10:0010:10(昼食)11:05―バス停平標登山口11:15―湯沢11:48 11:58―上野15:45

平標小屋より見た日の出はエビス大黒の頭右肩より上った。平標山へ向けて登り始める頃はガスに覆われ、平標山頂上に着く頃からガスも上がり、昨日歩いて来た仙之倉山方面を眺めた。

谷川連峰中一番高いのは仙之倉山2,026.2mであるが、周囲に平標山1,983.7mなど比較的高い山々があるので、仙之倉山は独立した高い山には見えなかった。しかし、万太郎山1,954.1mは仙之倉山・平標山・谷川岳よりも低いが、大きな山に見え近寄り難い山姿をしていた。

晴れ上がり風が吹き出していた。松手山へ向けて歩いていると、登山道脇にロープが張られ、リンドウ・ハクサンフウロ・ウメバチソウ・ヒメシャジン・アズマギクなどが咲いていた。黄色いニッコウキスゲが一面に咲く鮮やかさはないが、お花畑の中を覗き込むと数多くの花が咲いていた、さらに下るとマツムシソウが見て下さいと呼んでいたようであった。

松手山まで下ると、苗場スキー場が目の前にあり、右手奥に苗場山などの山並みが見えた。過ぎると急坂になり、高圧線鉄塔にて小休止した。更に急坂を下り終えると登山口に出た。バス停平標登山口にて時刻表を再確認すると、湯沢行きは午前1115分発と、まだ小1時間あるので、運動場へ戻り東屋にて、コッヘルでお湯を沸かし、持参して来た非常食・予備食で早い昼食を済ませた。

バスに乗り湯沢駅に着いて、永井さんは新幹線で、荒井さんと私は在来線で帰るので湯沢駅で別れた。

 

 

参考資料

 

1 山の自然入門/小泉武栄、清水長正 編/古今書院1992

2 山歩きの自然学/小泉武栄 著/山と渓谷社1998

3 百名山の自然学/清水長正 編/古今書院2002

4 群馬県の自然をたずねて(日曜の地学5)/野村哲 編/築地書館1998

5 山の自然学/小泉武栄 著/岩波新書1998

6 日本登山大系3谷川岳/柏瀬裕之、岩崎元郎、小泉弘 編/白水社1997      

7 日本の山はなぜ美しい(山の自然学への招待)/小泉武栄 著/古今書院1993

8 山を読む(自然景観の読み方 3)/小疇尚 著/岩波書店1991