仙ノ倉山荘&巻機山スキーツアー報告

 

200553()5()

中林(40E)、萩原(54Edu)、鈴木(会友)、高橋(萩原友人)、相川(49S)

 

53() 快晴

高崎(5:30)−中林宅(6:00)(7:30)日白ダム−(8:00)仙ノ倉山荘(9:15)−日白ダム(9:30)−“熊高尾根”末端1100m(11:00)(13:55)日白山1631m(14:40)−小松沢出合(15:20)(15:40)仙ノ倉山荘

 

中林さん宅経由で山荘に向かう。本格的なゴールデンウィークの始まりとあって、関越道の交通量は多いが渋滞というほどではない。天気は快晴。ここのところの山行は天気に恵まれている。

仙ノ倉山荘への林道は日白ダムまで除雪してあり、助かる。前庭に1mの積雪が残る仙ノ倉山荘で、先に入荘していた布河谷さん、櫻井さんと再会する。昨日は曇天の中、日白山へのスキーを楽しんだとのこと。これから我々も小松沢を詰め、日白山に登ることにする。

 

日白ダム。雪解けで水量豊富。後は仙ノ倉北尾根。

 

今日入荘する予定の鈴木さんに書き置きを残し、退荘する布河谷さん、櫻井さんとともに出発する。小松沢出合で二人と別れ、小松沢に入る。30分も進めば沢は雪の下になり、渡渉点を探す必要はない。二年前はタカマタギから派生する下り俣沢の出合で辛うじて渡渉できたことを思うと、今年は確かに雪が多い。

 

小松沢上部から東を望む。左から谷川本峰、オジカ沢の頭、万太郎山

 

長ツル尾根のエプロンに突き上げる“熊高尾根”の北側の沢を詰め、上部で尾根に出る。ここから日白山までは30分だが、雲ひとつない晴天の中、周りの景色を楽しみながら日白山を目指す。

幾度となく訪れた日白山頂だが、そのたびに新鮮な感動がある。持参した双眼鏡を覗くと、谷川岳トマの耳の右肩に肩の小屋が、左に振って蓬沢が突き上げた鞍部には蓬沢ヒュッテが見える。その左奥には多くの残雪を残す巻機山が座っている。萩原さんにメールを入れ、滑降の準備をする。

 

 

日白山頂にて仙ノ倉山を背景に中林さん()と相川(右)

 

滑降は、登ってきたルートを下る。雪も緩く、春の長ツル尾根〜小松沢を楽しんだ。しかし、こんなことは初めての経験だが、小松沢に入り樹林が出てきた頃から急にスキーの滑りが悪くなる。滑走面に黒い油状の汚れがこびり付いたのが原因のようだ。中林説によると、スギの花粉らしい。日白山頂から日白ダムまで40分で滑り降りたが、黒い汚れがなかったらあと10分は短縮できたと思う。

仙ノ倉山荘に戻り、鈴木さんと再会を喜ぶ。雪囲いを外し南側の窓を開け、ブナの新緑のうしろに見える残雪の万太郎山の姿を楽しむ。窓をカンバスにした風景画のようだ。仙ノ倉山荘はいつ訪れても心安らぐ。

 

 

54() 今日も快晴

仙ノ倉山荘(6:00)(7:10)仙ノ倉谷出合(7:20)(8:10)平標沢出合(8:20)−群大尾根(11:00)(11:15)稜線(11:40)(13:30)一の肩と平標山中間点−平標沢上部(15:15)(18:10)仙ノ倉山荘

 

毛渡の吊り橋が落ちていて使用不能のため、仙ノ倉谷左岸を辿り平標沢に向かう。ノボリカケ沢を過ぎて沢が湾曲する部分は、長ツル尾根の裾に際どくスノーブリッジが残り、渡渉の必要はなし。仙ノ倉谷も、夏道の渡渉点より少し上流に登れば雪渓の上を歩くことができた。仙ノ倉谷出合から先も二回ほどスノーブリッジを渡って通過し、カンバコキ沢の左俣を詰める。以前登ったときの印象に比べ、上部の傾斜はきつい。5時間かけて稜線に出る。登ってきたルートを振り返っても、今日入荘予定の萩原さん、高橋さんの姿はまだ見えない。鈴木さんはここで引き返す。

平標山への稜線は何カ所かヤブコギが必要だったが、どうにか最上部の雪渓に到着。平標山と一ノ肩の間の稜線では、何人かの元橋からの登山者に会う。仙ノ倉谷側では我々以外の登山者は見かけなかったが、元橋側は賑やかである。平標山頂へのアプローチの差だろうか?

雪渓最上部に着いた頃、群大尾根から稜線に出る萩原さんと高橋さんの姿が見える。平標沢を少し下ったところにあるダケカンバの木の元で二人の到着を待つことにする。

なんと二人は半袖シャツで登って来た。驚きと同時に再会を喜ぶ。滑降は、ダケカンバの古木が広がる広い尾根状の斜面を下る。下部は平標沢の右岸を進み、高度差800mの下降を満喫した。

夜、ストーブを囲み一杯やりながらの談笑の中で、萩原さんから「明日は巻機山の米子沢を滑ろう」との誘いがあった。毛渡の吊り橋が使用不能のため、行動範囲が限定されていることもあり、すぐに賛成した。明日は、中林さん、鈴木さんに山荘の整理をお願いし、萩原さん、高橋さんと相川の三人は巻機山の米小沢となった。

 

 

      平標沢にて中林さん                   平標沢にて相川。日白山を背景に。

 

 

平標沢上部 中林さん                         平標沢上部 相川

 

 

平標沢上部を滑る萩原さん()と高橋さん      山荘前庭にて。()鈴木、中林、萩原/()高橋、相川

 

 

55() 曇り

仙ノ倉山荘(6:30)(8:30)巻機山駐車場(8:45)(12:45)ニセ巻機山(13:05)−巻機避難小屋(13:10)(13:40)巻機山頂(14:30)−ニセ巻機山(14:45)(16:30) 巻機山駐車場(14:45)−−(19:00)高崎

 

人気の山だけあって、20台ほど駐車できる駐車場はほぼ満車である。夏道どおりに登る。時々、右手に米子沢が見えるが、二ヶ所に滝が出ていて、右岸上部に今にも落ちそうな大きな雪渓がある。米子沢の滑降は既に時期が遅いようだ。結局、尾根筋を滑ることに予定を変更する。

ニセ巻機に着く頃になると風がでてきた。曇り空だが視界は利く。南には、一昨日、昨日と楽しんだ万太郎山、仙ノ倉山、平標山、平標沢が見える。巻機山はまだ雪深く、ここまで春は届いていない。巻機山の大斜面にいくつものきれいなシュプールが見える。ニセ巻機から避難小屋の鞍部まで滑り降り、ここからスキー登行で頂上まで。思ったよりも簡単に到着できた。

頂上で、十字峡から入ったという単独行に会う。下津川山、三ツ石山とヤブこぎをしてきたらしい。米子頭山からの稜線にも二人見える。数は少ないが、昔ながらのスタイルで山に親しむ登山者はいるのだ。山スキーも含めて、中年の単独行が多い。これもこの山域の特徴か。

山頂からの大斜面を一気に滑り降り、ニセ巻機に登り返して、ここから駐車場まで滑り降りる。1400mから下の樹林の中は雪が少なく苦労する。駐車場へは、登った道とは違い、一度割引沢ルートに合流してから井戸尾根の末端を巻いて戻ることができる。ルートを間違えたのかと思い、井戸尾根を登り返し、夏道に出て駐車場に戻ったため、最後に余分なアルバイトをしてしまった。

こうして、天気に恵まれた三日間のスキー山行を無事に終えることができ、思い出に残る山行となった。(49S相川)

 

 

ニセ巻機にて萩原さん。右後方が頂上。            巻機山頂にて相川。後がニセ巻機。

巻機山頂に登り、大斜面の樹林の中を滑る。     後に霞んで見えるのが谷川連峰。