ニュージーランド トランピング紀行(1):ミルフォードトラック    40S 山田和夫

 

 行きたいと思っていたNZMilford, Routeburn の両Trackを04年12月8−22日で歩いてきた。きっかけは桜川ハイキングクラブ(SHC)が05年1月NZのトレッキングを計画し、先立ってアルパインツアーサービス社の山田さんを招いて10月2日に説明会があった。この折両Trackは人気コースで10名以上のツアーで予約を取るのは難しいこと、アルパイン社で両コースを歩くツアーがあるが実行されるかどうかは未決定、また費用も68万円と高額であることなどが分かった。

 一方、ネットでHiro NUMATAさんのミルフォードトラック、ルートバントラック写真館を覗いていると実に素晴らしい写真と簡潔な文章、豊富な情報からどうしても行ってみたいと思うようになった。

 調べているうち両トラックともガイド付きウオークとDOCの小屋を使う個人ウオークがあることが分かった。若い頃なら寝袋・自炊の個人ウオークを選択しただろうが、今は迷うことなくガイドウオークに決める。クリスマス以前なら予約も取りやすく花も多いのではないかと思いUltimate Hikesのホームページにアクセスしてみたwww.ultimatehikes.co.nz。 ホーム紹介の後それぞれのコース説明が動画入りで出てくる、その後に予約の項目があり予約可能日も表示されていた。またトピックとして12月のdiscountされる出発日があることも分かった。費用は12月から3月のハイシーズンと11月、4月のロウシーズンで異なり、ミルフォードの場合はNZ$1750と1490でNZ$260も安い。discount日はロウシーズン価格、これを選ばない手はない。こんな経緯からミルフォードを12月11−15日、ルートバンは17−19日に決め必要事項を記入オンラインで発信した。

 返事はその日のうちに入信し両トラックとも予約が取れた。人気コースで予約を取るのが難しいと聞いていたので簡単に予約が取れたのにはいささか驚いた。キャンセル条件は2ヶ月前から50%、21日前からは100%と厳しい、さすが人気コースだ。

 簡単に予約が取れたのは良かったがこの時点でdiscountに関して、またコースについて見落としていたことには気ずかなかった。このことは後で触れる。

 

 コースの予約が取れたので次はフライト、両コースのベースはクィーンズタウン、ネットで比較調べた結果クィーンズタウンまで含めたdiscount ticketKorean Airのみ、他はオークランド、クライストチャーチまででクィーンズタウンは国内別料金になることが分かった。これでKoreanに決定。最近評判が良いと聞いており楽しみ。待ち時間は往きは良いが、戻りがインチョン4:20着で成田行9:20発と早朝5時間待ちであること、全体に安上がりになりそうなことから戻りのオークランド/インチョン/成田はビジネスにした。結果としてこの選択は正解だった。

日程は12月8日17時成田発、インチョン経由9日11:45オークランド着、Air NZに乗り換えて16:25クィーンズタウン着。戻りは12月20日クィーンズタウン12:20発、オークランド14:05着、近くのワイへキ島で一泊し21日20:30オークランド発インチョン経由22日11:30成田着とした。

8日発にしたのはウオーク前日の16時からの事前説明会に間に合わないこと、ワイへキに寄ったのは前回クィーンズタウン空港が霧でクローズになり大変な思いをしたことからアイドル日を設定したためである。

    *フライト費用 航空券:¥136,000 ビジネスクラス:¥75,000 成田空港使用料:¥2,040
     現地出国税等:¥1,300 航空保険料:¥1,200 大韓航空¥1,300
      障害保険料:¥7,500---------合計:¥223040

 

 日程が決まったので次は宿、ウオーク中はロッジなのでそれ以外のクィーンズタウン、ワイへキ島の宿の予約が必要。クィーンズタウンはUltimateのホームページで紹介している提携宿から選ぶことにした。Ultimate社に近い、一人旅、山歩きからバックパッカーズのDiscovery Lodgeを選びツゥインNZ$85をシングルユースで使うことにした。9-10、15−16、19日の5泊をブックした。

ワイへキはネットで見るとB&Bが多くシングルユースはなかなか良い宿がない、バックパカーズのHekerua Lodgeにアクセスするとシングルはフルだが3人部屋のdormNZ$28で予約出来た。

 

 次に持参品について。 ガイドウオークは3食シャワー付き、ドライルーム有りということでまめに洗濯すれば着替えは最小限ですむ、木綿のシャツ・下着は好ましくないとしつこく書いてあるのでウール・化繊を主体に用意した。出発直前にDOCのホームページを覗いていたら両コースとも今年は雪が多く11月のルートバンはクローズ、雪崩ハイリスクなどの情報があり驚いた。NZ12月は初夏と思っていたのは甘かったようで急遽セーターを追加した。他はゴアテックスの雨具、ザックカバー、スパッツ、登山靴、ザックは40リッター。食料はミニカップラーメン3個、スティック醤油、梅干、飴、ピーナツ煎餅パック、千年の眠り(40度焼酎)を入れたキャンティーン。 洗面具、常用成人病薬、入眠剤、風邪薬など少々。

本は「正論」一月号、藤沢周平の用心棒日月抄「孤剣」、「地球の歩き方」、必携の電子辞書。

デジカメと充電器・コンセント、次女からサンドフライ対策用NZ製防虫剤と虫刺され薬も用意した。

これらを機内持ち込み用キャリーバックとナップザックに詰め準備完了。

DOCのホームページをチェック、12月は両トラックともオープンしていることを確認、安心した。

 

12月8日(水)

10:30発高速バスで成田まで、右端のカウンターでチケットを受け取り早めにチェックイン、通路側の席を確保した。インチョンにはミンチフライでビールを飲んでいるうちに着いた。約一時間の待ち合わせでオークランド行きに搭乗、ライスを半分にしたビビンバとビール、ワインで寝ようとしたが気流が悪く睡眠不足のまま朝になった。朝食のお粥は旨かった。少し遅れて9日12時にオークランド着。

 

12月9日(木)

入国審査はパスポートチェックの後二重にガードがある、後のほうで目的を聞かれトレッキングといったら登山靴のチェックが必要とのことで戻された、食料などの検査はなかった。Air NZでチェックインしてからシャトルバスで国内ターミナルに移動した。軽く昼食をと思い探したがたいしたレストランはない。売店の寿司ロールとビールで済ます。クィーンズタウン行きのゲートロビーで横になりしばらくうとうとした。機内は空席多く3席に一人だった。定刻クィーンズタウン着。タクシーで宿まで、NZ$23。 宿のDiscovery Lodgeは市の中心地にあり便利なロケーションだ、数年前に出来たとのこと。部屋はツインのシングルユース、広いが何もない、バックパッカーズロッジはこんなもんなのか、バスタブにゆっくりつかりくつろぐ。

夕食は日本食レストラン「南十字星」、すし、天婦羅うどん各小、マッスルのソテー、冷奴、ビール2本で48$、8時近いがまだ日が出ている。ミネラルウオーター、スキンクリーム、シャンプーなど買い込みロッジに戻り10時前に寝た。

 

12月10日(金)

 2時に一度目がさめたが、よく寝たと時計を見たら9時。11時間以上寝ていた。外は雨。何か食べようとロッジの食堂に行く、日本人がサービスしていた。このロッジに日本人が泊まるのは殆どなく大半英語圏とのこと。セットメニューとコーヒーで8$、パン、目玉焼き、焼きトマト、ソーセージこれで充分。 歩いて5分程度のStationというビルにあるUltimate Hikeのオフィスに行き今日の説明会について確認する、5時から日本人向けがあるとのこと。

今日の予定は特にない、11時頃から晴れてきた。DOCで買ったクインズタウンwalks and trailsを見ながらとりあえずゴンドラ頂上駅まで歩いて行ってみることにした。林の中のtrailを1時間ほどで頂上駅に着いた。風が強く寒い。レストランでサラダ、スープ、ビールの昼食、18$。Ben Lomond Trackを途中まで行ってみようと歩き出す、15分ほどで森を抜けるとパラグライダーの発進場に出た。Ben Lomond, Bowen PKが大きく居座っている。さらに30分ほど登ると稜線に出た。ここからの町、湖、Remarkableの眺望は素晴らしい。風は相当きつい。
 

Ben Lomond Trackからの眺望とRemarkable                 Ben Lomond: 1748m

 

 Saddleの途中まで行き説明会の時間に間に合わせるため戻ることにした。

 パラグライダー発進場の芝生で3人昼寝をしていた。天気も良くここは風もない、仲間入りしてしばらくのんびり。往路と別のtrailを下る、途中から直接ゴンドラボトムに降りる標識がありこれを下る。かなりな急坂、何人か登ってくる人とすれ違った。この登りは結構大変だ。

 5時少し前にStationのオフィスに着いた、名前を言い食事の制約などの簡単な質問状に記入、名札をもらって説明会場に行った。既にツアーらしい10人ほどが座っていた。後から父親と息子の2人が加わり総勢13名。椅子には折畳みの地図と資料が置いてある。

 定刻に日本人女性説明員からビデオでのトラック概要、ロッジ設備など30分ほど。石鹸、洗剤常備、使用可とのこと。環境対応はどうなっているのか。入山制限でバランスを取っているようだ。

 ザック、雨具などの装備は無料で貸してくれる。日本人以外はこの借り物で歩く人が多い。シーツと丈夫で大きなビニール袋が配られた。これで説明会は終わり。

 さてrefundの交渉、受付にいたRobertDecember Specials のコピーをみせてどうrefundしてくれるのかと聞くと、しばらく調べてから「既に正規料金で処理したからrefundは出来ない」といわれた、申し込み時にspecial rateを申請しない私が悪いと言う。よく見ると条件(Condition)にそれらしいことが書いてあった。納得出来ないとしばし押し問答、ミルフォードの後ルートバンも歩く、それもspecial rate日だというと、一寸待てと奥に入りしばし、誰かと話したようだ。出てきて「ミルフォードだけディスカウントする、ルートバンは駄目」とのこと。ミルフォードは260$、ルートバンは140$、率の良いほうで対応してもらえたことは有り難い。握手して交渉終わり。

 これはConditionを良く読まなかった私のミス、しかし分かり難い表現、申請用紙に項目が無いなど言い分もある。いずれにしても反省、良い経験をした。

 ロッジに戻りバスタブでのんびりしてから夕食、しばらく日本食ともおさらば「蓮花」で、うなぎ柳川風、マグロアボガド納豆、マッスル・豆腐の若布スープ、たぬきうどん、ビール2本 42.5$。

7時にwakeup callをたのみ「千年の眠り」を飲んで寝る。この焼酎は旨い。

 

12月11日(土)

 7時前に目が覚めた、快晴。荷物をパッキングして食堂で朝食。荷物は預けずに全部持っていくことにした、キャリーバックは最後のマイターピークロッジに別送、貴重品も持参することにした。

 9:15 Stationへ行く。毎日新聞旅行者のツアー10名、金子さん親子、オーストラリア8名、カナダ、オランダ、デンマークのカップル、フランス人御夫婦と娘さんの合計30名。定員(40名?)よりずいぶん少ない。個人参加は私だけ。ガイドはBlair(男), Erin, Emilyの3人。

 9:45 テアナウに向け出発、窓外には黄色の背高泡立草をブッシュ状にした花がいたる所にある。Broom or Gorseと教えてもらった。電子辞書ではエニシダとあった、帰化植物introduced)だという。ルピナス(Lupine)も沢山ある、綺麗だがこれも帰化植物で繁殖力が強く厄介者のようだ。次ページにQueenstown Hillの中腹を覆いつくすBroomの写真を示す。

 テアナウで昼食と休憩、全員の写真撮影後バスでテアナウダウンズまで、ここから一時間ほど船に乗り湖北端のグレイドワーフに到着。トラックウオーク開始。それぞれに歩き出す。

 ブナ林を20分ほどで最初の宿Glade Houseに到着した。私は6人部屋のDomを一人で使えという、驚いた。どうやらカップルで参加した皆さんは殆ど個室を予約したようだ。荷物を置いて小屋の前に集合、ネイチャーウオークに出かける。日本人全員はBlairのガイドで森の中へ、いろいろ説明してくれたが植物の固有名詞が分からない。ブナがBeechsilver, red, mountain, blackがある、他にLancewood, Pepper Tree, Stink Woodなど教えてもらった。バニラアイスの味と言われ噛んだらPepper Treeだった。他に羊歯がfenで地面を覆っている。鳥はRobin, Fantailが見られた。

 

中腹の黄色いところがBroom、ちょっと分り難い      Glade House前のルピナスとSentinel Peak

 

2時間ほどのネイチャ-ウオークから戻り洗濯、このとき短パンだったためサンドフライに足を刺されたがこの時はさほど気にならなかった、しかしこれが後で大変なことになった。

 シャワーを浴びて食堂に行くと皆さん既にビールやワインを飲み談笑している、チーズやクッキー、果物などつまみは充分、仲間入りした。6時過ぎに夕食、前菜、メイン、デザートと盛り付けも綺麗で味もまあまあ。ビールが旨い、ローカルのスパイツとハイネッケン、他にワインが6種類ある。食後にガイドから翌日の説明があった、日本語の説明文が用意されてあり内容もその通り。

 その後国別に自己紹介と歌、これは恒例行事のようだ。日本、オーストラリア、その他で「上を向いて歩こう」、「ワルツィングマティルダ」、混成部隊は何だったか忘れた。

ここまで来ると結構和気藹々、さらにビールを飲みながら10時まで過ごしベッドへ引き上げた。

 

12月12日(日)

 6時前に足が痒く目が覚めた。昨日サンドフライに刺されたところが赤く痒い、両足に10箇所ほど、持参した虫刺され薬を塗ったがなかなか収まらない、この痒みにずっと悩まされることになった。大朝日で出た発疹と似ているのでサンドフライだけが原因ではないのかもしれない、他の人はそれ程痒がっていない。仲良くなった豊田さんにはダニではないかと言われた。数ミリ間隔で2箇所発疹が出ていることがそうだという。Discovery Lodgeで刺されたのか。

 7時に食堂に行くと皆さん昼食のサンドイッチを作っていた、二個作りラップに包んでチョコレート、バナナを紙袋に入れて完了。朝食は最初にシリアルのお粥、ミルクと砂糖を入れて食べるのが普通のようだ、教えられたようにして食べたがどうも合わない。醤油を賭けていただいた。日本人が多いせいか何処の小屋にも醤油とお茶のパックが置いてある。インスタント味噌汁もあった。

 卵とベーコン、パン、コーヒーなどが朝食メニュー。天気は良い。

 8:50グレイドハウス出発、吊橋を渡りクリントン川沿いに原生林と羊歯の中を歩く、この辺の景色は上高地に良く似ている。赤ブナの巨木、ウエットランド、Big Slip跡、ヒレレシェルター12:40ここで昼食。キーアがいた、油断すると何をされるか分らない。ヒッドン湖では白い頭のパラダイスシェルダックの親子が泳いでいた。15:10ポンポローナ・ロッジ着。途中Emilyに花をいろいろ教えてもらった。午後はBlairから地質学の講義を受けながら歩いた、分らない単語が多く今一。

 以下この日見た赤ブナの巨木、花、鳥の写真など。

 

     Red Beech (赤ブナ)の巨木             Green Hooded Orchid (食虫草)

 

 

           Mountain Hebe                                Scarlet Snowberry

 

 

       Butter Cup (沢山ある)                    Maori Onion

 

 

Lancewood 大きくなると形状変わる      パラダイスシェルダックの親子(ヒッドン湖)頭が白い

 

 今日の部屋はツアー男性の皆さんと相部屋、コンダクターの秋山さん、70歳でお元気な山男の豊田さん、同年で紳士的な高橋さん、定年になって間もない63歳の平井さんはご夫婦で参加。

 早く着いたので洗濯場が大賑わい。ドライルームに干し、シャワーを浴びてラウンジに行くと5時半前だがバーは開店、ビールを飲みながらツアーの皆さんと歓談。6時過ぎにスライドで翌日の説明があり夕食。カナダ人御夫妻の隣に座る。エドモントンの近くに住み大学で経営学を教えているとのこと、私の現役時代の仕事の話、カナディアンロッキーの話題など。メインは牛のミンチ、今一。

 この小屋に日本人青年が働いていた。当面ガイドを目差しているとのこと。彼を入れ豊田さん、金子さん親子とラウンジで歓談、他の人はあまり飲まない。ビールとワイン2本。残ったつまみのピーセンを彼に渡したら感激された。 10時に部屋に戻る、明日越すマッキノンパスが良く見えた。

 

12月13日(月)

 天気は良くない、峠は雪かもしれないとのこと。クィーンズタウンの森で見つけた枯れ木のスティックがない、Keaに持っていかれたようだ。また探さなければならない。

 今日は15kmの峠越え。小屋に着いてからサザーランド滝までの往復4kmも歩く予定。7:40少し早めに小屋を出発。クリントン谷をしばらく歩く、DOCミンタロハット9:10着、9:35ジグザグ登り始まる。この辺から雪になった。しばらく登るとマウントクックリリーやラージマウンテンデイジーなどが現れ感激した。11:05マッキノン記念碑着。少し先でEmilyが熱いスープを用意してくれていた。チキンスープをいただく、実に旨い。雪とガスで殆ど眺望ない、アーサー谷がわずかガスの切れ間に見えただけ。ここからのパノラマを期待しただけに残念。30分ほど歩き峠小屋で昼食。

 12:30小屋出発、雪の中花を楽しみながらクィンティン・ロッジまで下る、下るにつれ霙から雨に変わった。3時前にロッジ着、荷物を置いてサザーランド滝に向かう。高橋さんとお元気な女性お2人がご一緒した。途中百日紅の木に似て赤い花をつけたTree Fuchsiaがあった。地面に落ちた花が山野草のようで、何の花かと思ったら同行の女性から「フクシア」と教えていただいた。

 早足30分ほどで此処から滝まで580mの標識が出てきた、滝の高さの距離ということ。洒落た標識だ。滝の三分の二ほどが見え、瀑音もすごい。滝つぼ近くまで行き引き返した。

 今日の花、景色を幾つか。

 

            Creeping Ourisia                           Giant Spaniard (何故スペイン人?)

 

 

         Fiordland Mountain Daisy                      Mt Cook LilyGiant Buttercupが正式?)

 

 

Large Mountain DaisyMt Cook Lily                Everlasting Daisy (綺麗な名前)

 

           クリントン谷                  マッキノン記念碑(1073m)

 

 濡れた雨具や靴を乾燥室に入れ、シャワーを浴びてラウンジへ行く、ビールを持ってオーストラリアのご夫婦と話す、メルボルンの東の何とか言う町で洗浄会社を経営しているとのこと。タスマニア島やらオーストラリアの山の話題でしばし、静かなご夫婦、ご主人は大男、奥さんは小柄で私が会話で分らないとご主人になにやらささやく、そんなご夫婦、終始真面目な顔で結構よく話す。

 食事のメインは魚のフライ、魚の名前は聞いたが忘れた。これはソースも美味しく結構いけた。

 ここでも日本人女性が働いていた。結婚していてご主人は近くのDOCの小屋にいるとのこと。ガイドの食事は彼女が作り、素晴らしい味だとEmilyが言っていた。

 食事の後は豊田さん、金子さんとワイン2本。この間、オーストラリアのCathie(奥さん)、息子のJamesと談笑、高校3年歯科医を目差していて日本に興味がある、日本人の印象は真面目・忙しい・勤勉と良く聞くコメント。最近の若い日本人は変わってきていてフリーター、NEETという若者が増えて社会問題になっているなど。Jamesから日本の問題としてpension (年金)の話題が出たのには驚いた。これが高校生? この家族から年明け素晴らしい写真とメールを頂いた。

 

12月14日(火)

 素晴らしい快晴の朝、Twin Sistersの峰が朝日に輝いている。ウオークは実質今日で終わり。

 7:50出発、サンドフライポイントまで約22km。少し歩くとサザーランド滝の全貌が見えるところに出た。写真を撮る。アーサー川の右側を歩きボートシェッド10:25、モーニングティをいただく。

 吊り橋を渡り、マッカイ滝・ベルロック、アイダ湖を右手に歩きジャイアントゲート滝に13時着。ここで昼食、4時の船までは充分時間がある。のんびりしたいがサンドフライがうるさい。それでも河原でしばらく昼寝をした。2時前に豊田さんと出発。我々の後ろはRobert御夫妻だけ。豊田さんと話しながらのんびり歩く、途中の草むらで昼寝と思ったがここでもあっという間にサンドフライが集まってくる。仕方なく歩き出す。サンドフライポイント3:35着。まさにサンドフライシェルターだ、ドアの開け放しは禁物。コーヒーを飲みながらRobertCathieのご主人)御夫妻を待つ。出船時間の4時を10分ほど遅れて御夫妻とBlairが到着、遅れは全く気にしてない、出航。

 Barren Peak, Sheerdown Peak, Darran山の高峰が良く見えた。しばらく行くとMilford Soundの名峰Mitre Peakが見えてきた。堂々たる存在感だ。景観を楽しみながら20分ほどで船着場到着。

 バスが待っていたが洗浄会社経営の御夫妻、豊田さんと歩いていくことにした。背のひょろ高い彼が静かにいろいろ説明してくれる、昼食をとった滝のところで珍しいFernを見つけたという、自慢げだ。夕食の前写真を見せてもらった、Kidney Fernといい原始時代の羊歯とのことだった。

 

 

ロッジから見たTwin Sisters                 Sutherland FallsTwin Sisters

 

アーサー川左の原生雨林歩道               Sandfly Point; 33.5mileの標識

 

    ロッジからの眺望;左がMitre Peak                  Mitre Peakの雲が切れた

 

 マイターピークロッジは素晴らしいホテルだ。キャリーバックは部屋に届けてあった。広々明るい部屋も良いし眺めも最高、洗濯・乾燥機も完備。ゆっくりバスタブにつかってから洗濯、手洗いでないので楽。
 6時前にラウンジに行く、ガイドの皆さんもドレッシィな装いに変身していた。間もなく完歩証の授与式、30人一人一人にガイドから手渡され拍手。A4の見開き台紙にテアナウで撮った写真と完歩証が貼られてあった。思えばずいぶん贅沢なウオーキングであった。

 7時から夕食、Blairと洗浄業、フランス人親子のテーブルに座った。綺麗に盛られた前菜からのフルコース、メインは魚から骨付きラムのステーキに替えてもらった、これは旨かった。Blairは変な料理を食べている、聞いてみたらベジタリアン用をトライしているとのことだった。

 途中からフランス人親子と会話が弾んだ、ご両親はマダガスカルの北にあるフランスの海外県、

Reunionという島から来た歯医者さん、娘さんはニュウカレドニアで薬剤師、恋人が歯医者とのこと。ご両親は英語が今一、娘さんが都度通訳で会話。 私の娘婿が京都で歯医者を開業した、過当競争で大変のようだ・・・Reunionも人口70万人で300人の歯医者、同じ状況だ・・・3月にフランスに行った時、ミラノ行きのTGVが行きも帰りもフルだった、オペラバスティーユの話題では娘さんが近くに住んでいたなどなど。ボリュームのあるデザートはそこそこにしてラウンジへ移動。

 フランス人親子、金子さん親子、ツアーの男性陣でワイン。乾杯をフランス語で「チンチン」いうことからこの日本語の意味を説明。全員で大爆笑。しばらくこの話題で大笑い。フランス語では「ジージー」と言うそうだ。奥さんはスペイン語が得意、バカ、アホ、アリマセ−ンでまた大笑い。パジェロはひんしゅく物でさすがに控えた。豊田さんにはこっそり耳打ちした。

 豊田さんはエネルギッシュ、コチジャンを持って他の外国の皆さんと大いに盛り上がっていた。

明日はMilford Soundクルーズ、その後クィーンズタウンまで戻ってガイドウオークは全て終了。

 

       フランス人御一家                    Robert, Cathie and James

 

     秋山さんが言っていたミルフォードとルートバンを続けて歩くコースがUltimate Hikes社の

パンフレットにあった。ミルフォードの後テアナウで一泊、翌日テアナウからルートバンを歩くコースでUltimate Hikeという。両コースの費用でテアナウの宿泊費がフリーとなる。効率はこのコースが最良。これは見落としていたがクィーンズタウンに戻ってのんびりしたのも良かったと思う。

 ロッジの飲み代は$148、ビールとワイン良く飲んだ。ミルフォードはこれで終わり。