2003年ゴールデンウィーク入荘報告
(49S)相川
日程:2003.05.02〜05.05
メンバー:戸田(28C)、布河谷(35M)、桜井(35C)、中林(40E)、相川(49S)、萩原(54Edu)、高橋(萩原友人)
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5月2日(金)快晴
高崎(6:55)−土樽(10:45)−日白ダム(11:05)−(11:35)山荘(13:15)
−(14:10)オキイノマチ−(15:00)山荘

 一昨年は背中に粉瘤ができ病院通い、昨年は3月の四阿山で骨折したた
めに療養中で入荘できなかった。3年振りのGWの仙ノ倉山荘だが、日程が
合わず一日早く単独入荘となる。
 今年の連休は天気に恵まれている。関越道から見る谷川本峰も美しい。
山荘に着いたら、まず、窓を全開し新しい空気を入れて、コーヒーでも味
わおうかなどと思いめぐらしハンドルを握る。
 水上ICを過ぎ関越トンネルとの中間点辺りに差し掛かったとき、車の右
後輪付近に軽いショックを感じた。スピードも上がらなくなった。右ドア
ミラーを覗くと、なんと後輪から白煙が上がっているではないか!! 慌
てて車を路肩に寄せ緊急停止して確認すると、右後輪がボロボロに引き裂
かれ、ゴムが焼けた独特の臭いが鼻をつく。パンクしてバーストしたのだ。
停車場所の後方30mのところにハザード板を立て、さらに発煙筒を焚いて
タイヤ交換をする。あと少し進めば谷川PAなのだが、仕方なく高速道路上
でのタイヤ交換となる。悪いことは重なるもので、取り付けたペアタイヤ
の空気が不足していて、とても高速走行できる状態ではない。10年間車体
の下で眠り続けていたタイヤでは仕方あるまい。ハザードランプを点滅さ
せながら、路肩をゆっくり谷川岳PAに向かった。
 劔持で鍵を受け取り山荘に向かう。3月には3mもの積雪があったが、今
年の春は雪解けが早かったようだ。日白ダムまでは残雪を踏まずに到着す
る。途中、釣り人と山菜取りの数人の会ったぐらいで、登山者の姿は無か
った。
 山荘に到着し、窓を全開にして、昼食。今日は日白山に登る予定でいた
が、関越道でのアクシデントで入荘が遅れたため、毛渡沢の偵察に向かう。
 毛渡沢は雪解け水で随分水量が多い。スギ林の切り通しを抜けた所にあ
ったブリガン滝の丸太橋は跡形もない。そのまま左岸を進み、正面にデト
イノマチが見える付近で、沢に懸かる灌木を使って渡渉できそうである。
しかし、この先も残雪は少なく、今年の大笹台へのルートは楽しめそうに
ない。ここで偵察を終了し、山荘に引き返した。
 夕方になっても雲は出ず、ブナの枝越しに見える夕日に染まる万太郎山
は素晴らしかった。山荘の前庭で椅子に座り、万太郎山を見ながら飲むウ
ィスキーの味は格別だった。


5月3日(土)快晴
山荘(6:25)−(8:25)第一展望台−(9:15)第二展望台−(11:25)1350m台地
(12:00)−(12:55)稜線−(13:10)日白山頂(13:50)−(14:40)小松沢−
(15:40)日白ダム−(16:00)山荘

 今日も快晴。ひとり日白山を目指す。第一展望台までは予想通りのヤブ
コギ。長ツル尾根には微かな踏み跡があるが、スキーを担いでのヤブコギ
はつらい。第一展望台には残雪が残るが、ここを越えても再びヤブである。
 第二展望台を過ぎてようやく残雪が続くようになる。休憩のために立ち
止まり呼吸を整える。聞こえるのは、沢音と小鳥のさえずりだけ。残雪を
渡ってくる涼風が心地よい。小松沢に下る地点のブナの木に赤テープを三
本巻き付ける。帰りはここから小松沢に滑り降りようと思う。
 馬の背は相変わらずのナイフリッジで、ステップを切りながら慎重に登
る。1350mの広い台地にはまだ一面に雪が残る。初夏を思わせる日差しが
雪面に反射し、暑い。木陰を探して昼食を摂る。ここからは炎天の下、雪
面を渡る涼風を楽しみながら日白山を目指す。
 山頂は、雪が割れ地面がのぞいている。ゴロンと横になり、青空を見な
がらウトウトとする。
 下降は快適そのもの。雪が柔らかいので、急斜面も怖くない。馬の背は
北側の斜面をトラバース気味に滑り降り、第二展望台下に出る。登りの時
に付けた三本の赤テープを確認し、小松沢に下る。タカマタギからの沢と
の出会いに滑り降り、ここで左岸に渡って日白ダムまで下った。9時間半
の行動で疲労感もあったが、素晴らしい天気と快適な滑降で、充実した一
日だった。
 山荘には戸田さんはじめ皆さんが入荘していて、再会を祝した。


5月4日(日)快晴
山荘(7:15)−(10:00)仙ノ倉谷出会い−(13:45)ダイコンオロシ沢稜線−
(14:10)滑降開始−(17:00)山荘(18:00)−(21:00)高崎

 三日目も快晴。こんなに天気に恵まれた入荘ははじめてである。今日は、
ダイコンオロシ沢の滑降に出かける。毛渡の吊橋はロープにしがみついて
渡る。ノボリカケ沢の手前で台地に上がり、ヤブのなかを進んだが、これ
は失敗であった。ノボリカケ沢の出会いまで仙ノ倉谷の右岸を進み、ここ
から台地に上がるのが正解。仙ノ倉谷出会いまではスギ林のなかの残雪を
行く。
 ダイコンオロシ沢の上部はデブリが凄い。下りの滑降ルートを考えなが
ら稜線を目指す。右手の小さな尾根には、いまにも落ちそうなブロックが
見られ緊張する。雪渓を登り詰め、熊笹を漕いで稜線に出る。正面には、
毛渡沢を挟んで万太郎山が迫る。一息ついて滑降開始。デブリを避けて、
今シーズン最後の滑降を楽しんだ。

仙ノ倉谷の山桜

日白山頂から谷川本邦

日白山頂から万太郎、仙ノ倉

日白山頂から仙ノ倉、平標

毛渡橋を渡る

北尾根から万太郎

小松沢のデブリ