西御荷鉾山、東御荷鉾山、赤久縄山の山行記録  2002.11.3
相川克明(49S)
 毎朝の通勤列車の車窓から眺めている御荷鉾山、赤久縄山に,い
つかは登ってみようと考えていたのだが、木枯らし1号が吹いた翌
日の、晴天に恵まれた今日、頂上を訪れることができた。

 御荷鉾スーパー林道のお陰で、車を使えば三山を半日でこなせる
。だが、こんな林道を今から作ろうものなら、自然保護の声高らか
に猛反対に遭うだろうにと思いつつ、登山口まで車を飛ばす。
 投石峠に車を停め、「西」に登ろうか、「東」にしようか? 天
気が崩れないうちに、素晴らしい展望台だと聞いていた「西」から
登ることにする。冬の足跡が聞こえる登山道の、ブナやミズナラの
落ち葉を踏みながら進む。暖かな朝日を背に、霜柱の出てきた道を
過ぎればもう頂上。峠から30分足らずで着いてしまった。
 噂どおりの展望で感激する。高崎の家並みの左後ろに榛名山、そ
の背後に、天神尾根を手前に伸ばした谷川本峰、さらに万太郎、仙
ノ倉、平標と続く初冠雪の谷川連邦が美しい。先週の仙ノ倉山荘の
薪入れの時には、まだまだ充分に秋の装いだったのだが、一週間た
った今は、すっかり冬山に変わってしまった。後で知ったことだが、
天神平スキー場は、予定を二週間早めて今日オープンしたらしい。
 右手には赤城山とその右後ろに日光白根。さらに皇海、男体と連
なる日光連山が見える。赤城の裾野に抱かれるようにたたずむ街は
前橋。肉眼でもハッキリと見える茶色の建物は県庁ビルだろう。
 周りの自然環境について、ごく当たり前のように、取り立てて関
心も持たずに暮らしているが、上越から日光の山々を含めた自分の
生活圏を一気に眺めてみると、なんと素晴らしい環境で毎日を送っ
ているのかと、新鮮な驚きを覚える。

 投石峠に下り、東御荷鉾山に登り返す。こちらも30分で頂上に到
着する。登山道はよく整備されていて歩きやすかったが、頂上の北
側は灌木で囲まれ、眺めはまったく良くない。南側は、凹凸の激し
い両神山が目の前に立ち、その後ろには、甲武信、金峰、八ツ岳が
並ぶ。しかし、町並みもなく、雪もなく、アクセントに乏しい風景
で、「西」から眺める北方の景色には遠く及ばない。

 峠に停めておいた車に戻り、スーパー林道を西に10Kmドライブす
る。赤久縄山に近づくと、一面、金色に輝くカラマツの山となる。
赤久縄山頂へは、登山口の駐車場からわずか10分。450m歩くだけで
着いてしまう。1522mと高く、一等三角点を持つ山ではあるが、頂
上は林の中で景色はゼロ。「晴れた日には富士山が見えます。」と
の看板も、負け惜しみとしか思えない。所々で見た「熊出没注意」
の看板を思い出し、思わず周りをぐるりと見渡してしまう。薄気味
悪くなったので、誰もいない、まったく期待はずれの頂上を後にし
た。

 スーパー林道を東に戻り、藤岡/富岡方面へ道を分ける少し手前で、
張り出した尾根の先端に見晴台が作られていて、無料の双眼鏡が備
え付けられていた。これを通しての眺めがまた素晴らしかった。谷
川岳トマの耳がよくわかる。二等辺三角形の万太郎、仙ノ倉から平
標への吊り尾根も真っ白だ。平標山頂から平標小屋への登山道も白
く一本の道になっている。今回の山行の最後を飾る、印象深い眺め
だった。

 高崎(7:00)=(8:30)投石峠(8:40)−(9:05)西御荷鉾山(9:30)−
(9:45)投石峠−(10:20)東御荷鉾山(10:50)−(11:10)投石峠(11:25)=
(12:00)登山口駐車場(12:10)−(12:20)赤久縄山(12:30)−(12:40)
登山口駐車場(13:30)=(15:00)高崎
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西御荷鉾山
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榛名山と谷川連邦
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上州武尊と赤城山
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赤久縄山