2001年3月17日(土) 〜 3月20日(火)
仙ノ倉山荘(長ツル尾根、大笹台)
戸田、中林、相川
3/17(土) 晴れ
高崎(7:30)−(9:30)剣持宅(9:50)−(11:30)山荘(12:50)−(14:00) 長ツル尾根第二展望台−(14:30)山荘

 他のメンバーの都合がつかず、今年の三月入荘は単独となる。運動不足と連日の残業と、そしてなにより体力の衰えで、このごろの山行はいつも不安が付きまとう。もっとも、ひとたび山に入ってしまえば、充分に自然を満喫することができるのだが…。
 関越道の赤城高原SAを過ぎたあたりでは、薄い霞の向こうに真っ白な天神平〜谷川岳、右手には上州武尊が美しい。もう20年以上も前になるだろうか。谷川岳のピークからこちらに伸びるあの天神尾根を滑り降りたのは…。心が躍る。
 今年は随分雪が多い。新聞の積雪情報は、5mを越える天神平の積雪量を伝える。トンネルを越えて目の前に広がるスキー場にはまだまだ十分な雪が残る。でも、スキーヤー、ボーダーの人影は疎ら。もうオフシーズンになってしまったのだろうか。
 真理子さん宅で鍵を預かり、毛渡橋の横の4,5台駐車できるように除雪してあるところに車を突っ込んで、スキーを着ける。林道は、関越道の下をくぐるところでは地面が見えていたが、上越線の鉄橋下では雪で埋まっている。30分ほどのところにある大滑沢は、例年、林道をオーバーフローして毛渡沢へ流れ込むのだが、今年はここさえも雪で埋まっている。
 天気予報に反して今日は穏やかで、山荘まで雪上の散歩を満喫する。一本杉あたりで風が少し出る。思わずヤッケのチャックを上げ、山荘を目指す。
 山荘に着く前に毛渡の吊り橋を偵察。毛渡沢も雪で埋まっていて、吊り橋を使わなくても右岸に渡れる。確かに今年は雪が多い。
山荘の前庭のブナの木に括り付けてあるメジャーが3m20を指す。数字だけをみれば昨年より少し多い程度だが、大滑沢や毛渡の吊り橋の様子では遙かに昨年を凌ぐ雪の量だ。山荘の北側の屋根は一面が厚さ1mもの雪で覆われ、ズレ落ちた雪の層がそのままの厚さで北側の雪の斜面につながっている。南側の屋根にも大量の雪が残っていて、大きな枝が突き刺さっている。まるで屋根からブナが生えているようだ。屋根の真上まで伸びていたブナの枝が、雪の重さで折れてしまったようだ。便所は完全に雪の下である。こんもりと山盛りになっている雪が便所の位置を示している。
 二階の窓を開け空気を入れ換えて、ひと休みして外に出ると、毛渡沢から滑り降りてきた単独行がこちらに登ってくる。今朝、元橋から3時間かけて平標に登り、仙ノ倉からシッケイ沢を滑降したとのこと。天気に恵まれ快適だったと随分感動していた。
 雪の多さに、水場を掘り出そうか、便所を掘り出そうか迷ってしまう。今12:30。天気も良いことだし、14:30を目処に長ツルを登ることにする。尾根末端のブッシュも完全に隠れていて、難なく稜線に出られる。西ゼンや日白の景色を楽しみながら、静寂の長ツル尾根を充分に味わう。第二展望台に着いたところで、平標の上に雲が出始めた。風も吹いてきたので、予定の時間より30分早いのだが滑降を開始する。すこし重い雪だったが、例年よりブッシュが隠れていて、"長ツルゲレンデ"を満喫できた。
 一杯やりながら、即席のライスとカレーで晩餐。いつもならまだ会社で仕事をしている時間だが、早々にシュラフに潜り込む。
 夜中に外に出る。仙ノ倉の上にオリオン座とペテルギウス、シリウス、プロキオンの冬の大三角が輝いている。明日の天気は大丈夫か。
雪の中の山荘 毛渡の吊り橋
3/18(日) 雨〜晴れ
起床(5:30)−(8:00)便所掘り出し(13:00)−中林、戸田両氏入荘(14:30)−退荘(15:15)−(16:30)土樽(16:50)−(19:00)高崎

 昨晩の星空は何だったのか。今日は朝から雨である、結構まとまって降っている。スキーは諦め、便所の掘り出しに挑む。屋根の雪を取り除くだけで二時間。階段を作り終えたころには既に昼を回っていた。昼食を終え、退荘の準備を始めた頃に、中林さん、戸田さんが入荘。束の間ではあったが再会を喜び、山荘を後にした。


3/19(月) 晴れ (戸田、中林)
毛渡沢−大笹台

 今年の大雪は、杉林の切り通しの先の丸木橋の少し上流あたりの渡渉を自由にさせてくれたので、オキイノマチ沢出合まで難なく達し、支流をトラバースして大笹台につながる尾根に取り付き、1452mのポイントに久しぶりに立ちました。快晴、無風の上空を丁度ヘリが一機北西から飛来して来て、思わずストックで万歳をしました。対面のエビス大黒の頭から、仙ノ倉山、三ノ字の頭そしてシッケイの頭に至る稜線、それらに突き上げる毛渡の西俣やシッケイの本谷、中俣そして左俣が、妖しいまでに美しく輝いていました。
 左俣上部の大斜面には微かに幾本かのシュプールが見えました。それらは我々の帰路の沢筋にハッキリ刻まれていまして、私たちにいささか刺激を与えたようでした。

3/20(火) 晴れ/曇り (戸田、中林)
屋根の上の大枝除去と棟の擦傷跡補修
退荘
大笹台 枝の撤収