なんでも雑記帖(2009年版)
■プロジェクト・M(2009年12月22日)
過去何回か私はネット仲間に自作アンプを披露してきたが今年の5月、国立市で恒例の『CD聴きの会』に参加したとき、マダムさんからアンプ作りを依頼された。その後何回かメールで内容を打合せ、6月初旬には詳細が決まり下旬にはいつものとおり秋葉原へ買出。
秋葉原で買い物をするのはこれで何十回目になるだろう。
学生時代とはすっかり様変わりしているところが多い反面、いつも真空管を買う店のおじさんは、30年以上も前からそこにいる。
私: これ安いねえ おじさん: 安いだけで作りはあまりよくないよ。こっちの方がいい もの静かな言い方だけど、妙に説得力があるので、おじさんの言うとおりにする。
最近体調がよくなく、店を開けるのは週の半分らしい。いつまでもお元気でいてもらいたいものだ。●メインアンプ
基本は去年私用に作った6CA7プッシュプルだが、若干内容を変えてある。
*クリックで拡大します(拡大した後はブラウザの「戻る」で戻ってください)
大きな違いは初段に12AU7の代わりにFET、2SK30を使ったこと。電力増幅段を『交流的には差動増幅回路』、『直流的には上下独立回路』にしたことの二点である。
理由は初段の2SK30は、それが全段差動プッシュプルの標準回路で製作事例が豊富にある。さらに私のアンプは初段の電源を安定化するために、少々熱的に不利な作りにせざるを得なかったから。私のアンプは標準回路では面白くない・・ということで自分流に変更してある。いえ、なに。私の性格がヒネクレているだけです(^.^)
電力増幅段を変えたのは、これならDCバランスを省略できる。つまり無調整で使えるし、仮に片方の6CA7が故障しても他方に影響を与えなくするためである。私のアンプでは初段のバラツキを吸収するために、二段目にこの方式を採用している。
図のように私のアンプは上下のカソードがつながっていて、交流(音声信号)はそのまま上の球⇔下の球を行き来するが、直流は共通の定電流回路を通ってアースに落ちる。
これに対してマダムさんのアンプは交流はコンデンサーを介して上の球⇔下の球となるが、直流は上下それぞれ別々の定電流回路からアースに落ちるようになっている。上下の球(6CA7)のバイアスはプレート電圧と定電流回路で決まるので、マダムさん方式では定電流回路が壊れない限り、上下のバイアスはそれぞれ独立して決定される。(この回路は古くからあります。私の考案ではありません)
また私のアンプはマイナス電源(初段定電流回路とDCバランス調整用)を左右別々に設定したが、今回これは止めた。あまり意味がなく、いたずらに回路を複雑にするだけだと思ったので。ただしクロストークは若干悪くなっただろう。
製作上で今までと違う点は、平ラグを使って各増幅段ごとにユニット化(と言うほど大げさじゃないけれど)したことか。このおかげで配線はけっこうラクだった。7月上旬から作り始めて8月中旬には完成した。
試聴(納品)は9月。国立のCafe Sings で。
CD聴きの会も兼ねていたので各地からネット仲間たちが集ってきた。正直言って大好評で、気をよくする私。
マダムさんは、もっと喜んでいた♪
まったく製作者冥利につきます。しかし私のと今回のとでは微妙に音質が違っている。
中高域のクリアーさでは今回のアンプだろう、しかし低域の重心は私の方にブがあると思うし、何人かの方からも指摘された。まだエージングが終わっていないせいかもしれないし、何より上記のとおり若干回路が違うのも影響しているのかもしれない。
# & ♭
●プリアンプ
LPも聴けるようにプリアンプ(フォノイコライザー)も作った。
当初私のイコライザーと同じマランツ7タイプにしようかと思ったが、入出力の微妙な関係で発振することがあるので、人様に渡すものとしては相応しくないと思い、12AX7を使ったごく標準的なCR-NF回路とした。
シャーシーもメインアンプと同じサイズ(350×250×60mm)で、デザインも合わせてトランスも真空管もシャーシーに内蔵した。
真空管は横置きである。
問題は電源トランスだが、シャーシーの高さが60mmと薄いので、市販されているプリアンプ用のトランスではシャーシーの高さが若干足りない。第一、容量はヒーターに6.3V 0.6A。B電源には250V 5mAもあれば充分なので、プリ専用トランスを使うのはコスト的にもったいない。使ったのは東栄変成器の小型トランスである。しかし磁気シールドなどは当然なく、増幅部は盛大な磁気嵐に見舞われることを覚悟しなくてはならない。案の定、このトランスの真上にMCカートリッジの昇圧トランスを近づけるとかなり大きなハム音が発生する。
シャーシー内の配置は、磁力の影響を少しでも回避するため、電源部と増幅部は最大限離すようにした。
といえば聞こえがいいが、下の図のように右側の側板を底辺とする二等辺三角形の頂点にトランスを配置しただけです(笑)。こうすればトランスから見て、入力切替、アンプ基板、入・出力端子が最も遠くなるし距離もそれぞれほぼ等しくなります。
プリアンプ、特にフォノ・イコライザーの場合、アースをどのように配線するかは重要なテーマになる。
最初はヒーターもB電源もアンプ部も区別しないで入力端子付近でアースしたらかなりのハム音がしたが、あれこれ試行錯誤の結果図のようになった。太い緑色の線は真空管ソケットの中央のピンをつなぐスズメッキ線である。
B電源やヒーター用の基板からはアースに落していない。@ヒーターのアースは真空管ソケットのピンからスズメッキ線に落す
AB電源のアースはアンプ基板まで引っ張る
B入力端子(RCA)は左右の区別はしないで、PhonoもAuxも1本のスズメッキでつないでシャーシーに落す
C出力端子のアースは一応入力のアースとは別にしてシャーシーに落す
D左右のアンプ基板のアースは左右の基板をつないで、片側からのみシャーシーに落す
(上の図でわかるとおり、左右両側落すとループができる)結論としてハム、ノイズはまずまずのレベルにまとめることができた。
●今・・・
二つのアンプはマダムさんの家で使われている。
この先ずっと気に入って、使っていただけることを祈ってます。
■イーデン・アトウッドのライブ
●2009年11月23日
イーデンの日本公演初日は国立のCafe Sings だった。
マダムさんのプリアンプ納品をかねて出席。高崎駅でまっはさんと待合せて一路国立へ。
180cmの長身。
私の席は前から3番目という近さなので圧倒される。店内に入るとき、頭が入口のフレームにぶつかる。
明らかに、ウケを狙ったね(笑)喉の手術をしたらしく高域が辛そうだけど、声質もリズム感もいい。
イーデンは最近聴きはじめたのでオリジナル曲はよくわからないが、スタンダードはGirl Talk、Them There Eyes、My Funny Valentine、The Way You Look Tonight・・どれもよかった。でも欲を言えば、Way You Look Tonight はもうちょっとスローでやってほしかったな〜。アンコール1曲目のThem There Eyes は客の拍手のテンポに合わせて歌う。
おそらくその場でとっさに何を歌うか決めたのだろう。ピアノが後からついて来た。
こりゃ、まあ、大したもんだね♪●2009年12月12日
今回の日本公演最終日は前橋市だった。
こりゃ行かなくては・・とmiyukiさんを誘って再び聴きに行った。今回のバックはピアノの David Morgenroth に加えて俵山昌之(b)、井川晃(drm)のトリオ。
リズムが強力になったぶんピアノの負担が軽くなったんだろう。前回の国立ライブも良かったけれど、今回はそれ以上に素晴らしかった。特に俵山昌之さんにはびっくり。いささか教科書的だけれど素晴らしいベーシストだ。イーデンは今回はかなりリラックスしているようで、聴衆のThank You! という掛け声にドウイタシマシテ と返したり、歌の途中で日本語で童謡を歌ったり。こういうところのサービス精神って、アチラの方は日本人とは根本的に違うと思うね。
帰り際、国立でのツーショット写真を見せたら、Oh〜!!と喜んでいたイーデンだった。
数日後、私は某ジャズスナックで13年前、高崎でイーデンを聴いていたことを教えられることになる・・・・(激汗)
■CD棚を作る(2009年4月19日)
CD棚を作りました。
こんなのは家具屋やホームセンターに行けばいくらでも売ってますが、出来合いのモノは収納枚数が少ない、色が気に入らないという欠点があります。
だから自作することにしました。
モトの板は910×1820×15mm のいわゆるサブロクサイズのシナ合板。
近所のホームセンターに行って図面を渡して切ってもらいました。私のようなシロウトが木を切るなんて・・・できないことではありませんが、±1mm以下の精度の加工なんて到底無理な話ですから。どう言う寸法にすれば一定の板から最大枚数が収納できる棚ができるか・・・あれこれ考えましたが結局左のようなサイズにしました。1段58枚、10段で580枚のCDが収納できます。
概略図 方眼紙に描いた切断図 さて切ってもらった板はボンドと木ネジで組み立てて行きます。木ネジが埋まった跡はパテで埋めてから平らになるようにヤスリがけ。相当へたばります(^。^)
それが終われば塗装です。塗ってはケバを取るためヤスリをかけて、最後は耐水性のヤスリで水をかけながらゴシゴシ。重ね塗りすること5回で、木ネジの跡は全然目立たなくなりました。
塗装前(逆さま) 塗装1回目 3回目 5回目(ネジは全然目立たない)
最後に裏板を取り付けて出来あがり。床面積が狭いので転倒防止のため、壁とはL型の金具で固定しました。
はじめての木工にしては、我ながらけっこう上手くできたと思います。この棚の上半分はリーダーがピアニスト、下半分はサックス奏者です。順番は左から名前でABC順に収めています。
実はCDはこの棚1台では収まりきれません。
もう1台、いや2台は作らなければならないかな。面倒ですが(^。^)
■25-25プレゼンツ(2009年3月15日)
昨日は横浜で25-25さんが主催するライブに行きました。
参加者はマッハさん、ねひつじさん、マダムさん、ドラさん、夜半亭さん、HITMAN さん。
25-25さんのご配慮で我々は最前列。しかも私はド真ん中。◇川嶋哲郎さん(ts、ss、fl)
時々目が合う。
こんなおっさん(私)と目が合っては、やりにくいかな〜などと思いつつ目をそらす私(笑)
私はこの人の重量感ある音色がとても好きです。
フルートは時折りドルフィーを思わせるフレーズが出てくる。
処女航海、夜千はまさに絶品。◇赤松敏弘さん(vib)
以前群馬で聴いたのは何年前だったか。
あの時もよかったけれど、また一段とウデを上げたような気がする。
実にいい。正直言って川嶋さんの音色にはヴァイブは合わないんじゃないかなあ、と演奏前はそう思ったが、シロウトが余計なこと考えるもんじゃないね。
◇小山太郎さん(drm)
この人のことは全然知らなかった。
エルビンとアンソニーを合わせたようだ。
ぐいぐい攻め込んでくる。
素晴らしい、いや、すごいドラミングだ。◇生沼邦夫さん(b)
1stはちょっと調子が出なかったかな。
ちょっと溶け込んでいないような気がしたが、でも2stになって本領発揮ってところか。
Yesterdays、ポール・チェンバースよりいいんじゃないか?演奏も良かったし、休憩時間には4人の方々とは話もできたし、大満足の1日だった。
■初ライブ(2009年1月11日)
昨夜はシングス@国立で、ドラさんが主催する鈴木道子さん(vo)のライブだった。
他のメンバーは米田正義さん(p)、山田晃路さん(b)
13:00
新宿駅で下車。新宿なんて最後に行ったのはいつだったか。
大学卒業してから、何回かピットインに行ったのが最後だったか。ならば約30年ぶりか(^.^)
ディスクユニオン新宿ジャズ館で、ウワサに聞く1F・2FのBGMを聴きながら6枚ほど購入。
4312M。なるほどいい音だ。でも小口径の悲しさ。低域はちょっと、いや、かなり苦しい。
ちなみにアンプはLUX。これは見覚えがあるアンプだ。発売当初、けっこう評判になったような。
でも型番は・・店員も答えられなかった(笑)●買ったCD
JC On The Set / James Carter
Back to The Tracks / Tina Brooks
Jazz in The Moovie / Kenny Clarke = Francy Boland Big Band
Off Limits / Kenny Clarke = Francy Boland Big Band
Live At Bradley's / Kenny Barron
Out Front / Booker Little
●買った覚えのないCD
ホテルに戻ってからCDを見たら、買った覚えのないCDが入っていた。
一枚のビニール袋に一緒に入っていたので、ちょっと見ただけではわからなかった。どうやら店員さんが検盤してからビニール袋に戻す時、関係ないCDまで一緒に入れてしまったのだろう。
こりゃもうけた♪ と思ったらジャケだけで中身がなかった・・・文句も言えない(~_~;)
Drop This Thing / Andre Pzza というものです。この人、私は知りません。
15:30
国立でマダムさん、ねひつじさん、三沢さんとお茶会。
18:00ごろシングスに入る。
19:00
開演。失礼ながら、それほど広くもない会場は満員で、暑い。汗が出て来る。
1ステージ。鈴木さんは、ちょっと固くなっているのか、PAなしなのでやりにくいのか、これは??という感じ。しかし2ステージになるとリラックスしてきたようで、乗ってきた。
声や歌い方はアニタをもう少し黒人的にしたような雰囲気。特にThey Can't Take That Away from Me
一語一語丁寧に歌う。説得力に富む。
声の帯域は決して広くはない。高いところで音程が外れそうになるが、さすがにプロは上手くカバーする。正直いって私は黒人風、ゴスペル調はあまり好きではないのだが、知らず知らずに引き込まれて行く。
曲目。順不同&覚えているものだけですが。
I Remember You
They Can't Take That Away from Me
I Didn't Know What Time It Was
East Of The Sun
You've Changed
Hush-A-By
Misty
On The Sunny Side of The Street
その後No Trunksでお酒を飲みながらおしゃべりしているとドラさんがやって来た。
ライブを主催する苦労話も聞きながら過ごしているうちに零時を回ってしまった。
ドラさん、お疲れ様でした
素敵なライブを、ありがとうございます♪