我的爵士楽愛好法(2)

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我的爵士楽話(その2)

(爵士楽とは中国語でジャズのことです)


■ 大急ぎのジャズ史

 

●ニューオリンズからスィングへ

初期のジャズは、ブラスバンドに毛の生えた程度の単純、素朴なものだったと思います。楽器編成は、トランペット、トロンボーン、クラリネット、チューバそれにバンジョーと言ったところでしょう。
しかし、ダンスホールで演奏するようになると、ピアノやドラムが加わることになります。リズムは黒人独特とはいえ、2ビートを基本とするものでした。

ジャズは4ビートでスィングのリズムが基本ですが、その開拓者は天才、ルイ・アームストロングです。彼はトランペットだけにとどまらず、あらゆる楽器に、またボーカルに、ソロのとり方に多大な影響を与えたのです。

 

JASS AT OHIO UNION / GEORGE LEWIS

ストーリー・ビルが閉鎖された後もニュー・オリンズに残ったジョージ・ルイス達は、当時のスタイルそのままの演奏を続けていて、1940年代になって再認識され「生きている化石」的な扱いをされました。

HIS GREATEST YEARS / LOUIS ARMSTRONG

キング・オリバー楽団を去ったルイは自己のバンド、ホット・ファイブ、ホット・セブンを作り、その後のジャズに決定的な影響を与えるようになりました。

GIANTS of JAZZ / FRANK TESCHEMACHER

1932年、自動車事故で27才で世を去った白人クラリネット奏者、フランク・ティッシュメーカーの演奏集です。
またベニー・グッドマンがアルト・サックス、バリトン・サックスを吹くセッションも入っています。

LOUIS IN LOS ANGERLES / LOUIS ARMSTRONG

1930年代の前半、ルイはビッグ・バンドをバックに演奏することが多くなりました。
中でも Shine は名演として知られています。
ライオネル・ハンプトンがドラムを演奏しています。

 


● スィング・ブームの到来

1930年代の後半、不況が回復した後、ジャズ界は空前とも言えるビッグ・バンド・ブームを巻き起こします。その中心になったのは白人のベニー・グッドマンでした。

ビッグ・バンドがジャズ界の主流だったのは、この時代、ジャズはまだダンス音楽の枠から抜けられなかったことによるでしょう。

1935年ラジオ番組、Let’s Dance のレギュラーとなったグッドマン・バンドはその夏、爆発的人気を呼ぶに至りました。
1937年のメトロノーム誌の人気投票をには

1位:ベニー・グッドマン
2位:トミー・ドーシー
3位:カサロマ

と出ています。(私はカサロマって知りません。何でしょう?)

 

CARNEGIE HALL JAZZ CONCERT / BENNY GOODMAN

スィング・ブームが最高点に達したときの歴史的名演。
グッドマン楽団だけでなく、ベイシー、エリントン楽団からも応援を得てコンボ演奏や、ジャムセッションも行われています。

ORIGINAL GLENN MILLER / GLENN MILLER

グレン・ミラーの人気はグッドマン以上でしたか。
これは新生グレン・ミラー楽団ではなく、オリジナル演奏集です。

BEST of DUKE ELLINGTON / DUKE ELLINGTON

一応エリントンに敬意を表して(笑)
グッドマンやミラー達白人バンドにはない強烈な個性に溢れています。

PRES and TEDDY / LESTER YOUNG and TEDDY WILLSON

モダン・ジャズ奏法を示唆したレスター・ヤングとスィング時代最高のピアニスト、テディ・ウィルソン。2人は親友同士でした。

 


● バップの芽生え

1939年、第2次世界大戦が勃発すると若者は応召され、戦場に赴くようになります。
当然その影響はジャズメンにも及び、オーケストラの解散、ダンス・ホールの閉鎖も目立つようになります。
グレン・ミラーのように自己のバンドを解散し、軍に志願する者も現れてきました。

一方、極度にコマーシャライズされたスィング・ジャズは形式的に行き詰まり、その状況を打破しようと考えたミュージシャンの中から、自然発生的にそれまでとは別のスタイルが生まれてきました。
そのキッカケを作ったのは、テナー・サックスのレスター・ヤングとギターのチャーリー・クリスチャンです。

この2人の演奏方法はチャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、バド・パウエル等によって推進され、ここに最初のモダン・ジャズとも言える「バップ」が誕生しました。

 

THE HARLEM JAZZ SCENE-1941 / CHARLEY CHRISTIAN

ミントンズ・プレイハウスにおけるライブ演奏。
若き日のガレスピー、モンク達の演奏も聴けます。

BE BOP ERA / DIZZY GILLESPIE

「バップの王様」ディジー・ガレスピーがRCAに残した演奏集。良く言えばバップの真髄、悪く言えば乱痴気騒ぎです(笑)
しかし、ガレスピーのラッパはものすごいです。

BUD POWELL TRIO / BUD POWELL

モダン・ピアノの父、バド・パウエルの最高傑作。

NOW 'S THE TIME / CHARLIE PARKER

天才、チャーリー・パーカーのダイヤル、サボイ・セッションと並ぶ名演奏です。

 


● ハード・バップ

1950年代中期はジャズの全盛時代です。
まさに百花繚乱。スター・プレイヤーが続出しました。
スタイルもバップのように、トゲトゲしさはなくなっています。

 

Walkin' / Miles Davis

これはマイルスにとって、オリジナル・クインテット結成以前の最良の演奏です。

In Concert / Clifford Brown & Max Roach Quintet

パーカー、ガレスピー等が推進したバップの技法を完成させたのはクリフォード・ブラウンでしょう。
I Can't Get Started の素晴らしさに思わずため息。

Bohemia After Dark / Kenny Klark

有名な「ボヘミア・アフター・ダーク」の初演版です。

Club St.German / Art Blaky

アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの代表的演奏。
一大ファンキー・ブームを巻き起こした作品です。

 


● それから・・・・

さしもの隆盛を誇ったハード・バップも行き詰まり、従来にはない方法で演奏する人が出てきます。
代表は「モード手法」を開発したマイルス・デイビスとコードの制約を取り払ったオーネット・コールマンでした。

 

Kind of Blue / Miles Davis

モード手法を完成させた記念碑的作品。
So What はその後ジャズのスタンダードにもなりました。

The Shape of Jazz to Come / Ornet Coleman

一大センセーションを巻き起こした問題作。
今日では、どこがフリーなのだ? と思ってしまいますが、発表当時は天変地異のような話題を呼んだようです。

Waltz for Deby / Bill Evans

ピアノにおける最大のモード奏者、ビル・エバンスの代表作です。

Bitches' Brew / Miles Davis

良くも悪くも話題となり、その後のジャズ、ポップス界の流れを決定付けた話題作。

 


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