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見る


見るといえば代表はテレビですね。まずしくみを簡単に書きましょう。下の絵は放送局からの電波が私たちの家まで届く様子を描いています。
あたり前のことですが、テレビ放送の基本的要素は音声と画像になります。

画像は赤、緑、青の三原色に分解されて電気信号となり、音声と一緒に電波に乗るのです。

下の図はテレビの構成(ブロック図)です。アンテナで受信したテレビ電波はチューナーで任意の放送を選ぶことができます。

選ばれた電波は映像信号と音声信号に分離されそれぞれブラウン管やスピーカーを通して見聞きできるのです。

■ブラウン管

音声信号の処理はラジオと似ていますが映像処理は少々複雑です。
ここでは最も一般的なブラウン管について若干説明します。

簡単な絵ですが、ブラウン管の構造はこのようになっています。

映像信号は電子銃に入り、電子銃からは信号にしたがって電子が放出されます。
電子はブラウン管の画面の内側にある蛍光面に当たって光を発します。

我々はその光を映像として見ているのです。

カラーテレビでは青・赤・緑の3種類の電子が放出され、蛍光面もそれぞれの色に光ります。


もう少し詳しく書きましょう。

電子銃から放出された電子は蛍光面との中間にある偏向板を通り抜けてブラウン管の届きます。

偏向板には水平と垂直の2種類があって、加えた電圧の具合で電子の向きを変えるのです。

偏向板が上下左右にありますからそれぞれの電圧次第で、ブラウン管の任意の位置に電子をあてることができます。


ではどのようにしてブラウン管に画像が映るのか

例えば、ブラウン管に左のようなTの文字が映っているとします。

まずお断りしておきますが、テレビ画面は美術館で絵画を見るように全体の画像を一度に見ているわけでないのです。

目には全体の像が映っているように見えますが、ブラウン管が映しているのは常に映像のごく一部だけなのです。

ブラウン管を左のように縦横それぞれ5個、合計25個のます目に分割しましょう。(25個のます目というのは説明しやすくするためで、実際にはずっと多くのます目があります。)
電子銃から放出された電子はブラウン管の左上から右へ順に当たっていきます。ブラウン管のどの点を発光させるか、左から右へ、上から下へ移動しながらチェックして行くのです。

この左右上下のチェックを走査スキャン)といいます。

左をよく見てください。
最初は1-Aから1-Eまで走査しています。チェック点(黄色)が移動していますね。

1-Eの次は2-Aではありません。3-Aです。このように一行おきに走査していきます。これを飛び越し走査といいます。そして5-Eの次に2-Aになり、4-Eが終わると一回の走査が終了します。
左は飛び越し走査の様子を描いたものです。
まず青い線のように左から右、上から下へ走査し、次(赤い線)は青い線の中間を走査します。

ではこのTという映像はどう映るのか。

わかりにくくて申し訳ないですが、たとえばこうなります。
左の図で黄色は実際には白く発光していると考えてください。

走査が進むと、3-C、2-B、2-C、2-D、4-Cのところで電子銃から電子が放出され黒く発光しています。

この画面はかなりゆっくり走査していますが、一画面1/30秒の速度なら、目の残像作用によって、一つの文字として認識されるのです。

普通のテレビのます目は1から5、AからEの合計25個なんてものじゃありません。縦525、横350ものます目があるのです。

このます目の数を増やせばどうなるでしょう?
そうです。解像度が上がるのです。
ハイビジョンでは縦のます目(走査線数といいます)は1000本以上になるのです。

そして1回の走査に要する時間はわずか1/30秒なのです。映画は1/24秒で一画面ですが、テレビは1/30秒です。


このように偏向板は走査とともに、必要なところで必要な場所に電子を当てる役目をしています。

説明が遅れましたが、電子の飛ぶ方向は偏向板に加えられた電圧で変えることができます。

左のような波形をのこぎり波といいます。このように水平偏向板にのこぎり波を与え、次第に電圧を上げて行きます。すると走査するチェック点がブラウン管の左から右へ移動します。右端に行ったときが電圧が最大の時です。

次の瞬間、のこぎり波の電圧は0になります。同時に垂直偏向板の電圧を変えてチェック点を一段下げるのです。

水平方向にしても垂直方向にしても、走査のタイミングが重要になります。このタイミングを同期といいまして、それぞれ水平同期垂直同期といいます。
この同期を微調整するものはテレビの裏側についています。


■カラー表示

私達はなぜ色を色として認識できるのか。
視神経がそうなっているからだ、といえばそれまでですが・・・(笑)

光のスペクトルです。太陽光線をプリズムにとおすと、あるいは虹の色はこうですね。(虹はあまりはっきり出ませんが)

私達に見える光を可視光線といいますが、赤(波長が長い・・周波数が低い)から青紫(波長が短い・・周波数が高い)までを見ることができます。(光技術ハンドブック(朝倉書店)より)

ちなみに赤より波長が長い(目に見えない)光を赤の周波数領域の外という意味で赤外線といいます。同様に青紫より波長が短い光は紫外線です。

ま、それはさておき、熟したトマトに太陽光線があたると赤く見えます。
なぜ赤く見えるのか。
トマトの表面の色は赤い光を反射し、赤以外の光を吸収する性質があるからです。

光の三原色というものがあります。赤、青、緑を指します。

この三色の中の二色、あるいは三色を適当に混ぜ合わせると、すべての色を作ることができます。
三色を混ぜて作られる色が白です。太陽光線はこの白色なので、三原色すべてが混ざっているので私達はいろんな色をみることができるのです。

赤と青を混ぜればマゼンダ、緑と青でシアンになります。カラープリンターもこのインクがあります。

さて、カラーブラウン管です。

カラーブラウン管には電子銃が3本ありまして、赤、緑、青(RGBです)の専用電子銃になっています。
ブラウン管の蛍光面にもRGBに反応する蛍光色が塗ってあります。という具合に極めて小さい部分が発色するのです。
それぞれの発色部は近接していますので、
が発色すればマゼンダに、ならシアンに見えるのです。


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