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アマチュア無線


1922年11月アメリカのウエスチング・ハウス社はアメリカ商務省の正式免許を受けて最初のラジオ放送局となりました。

1865年、イギリスの物理学者マクスウエル(1831〜1879)が電磁波の存在を理論的に予言。
1888年ドイツの物理学者ヘルツ(1857〜1894)によってその存在が実験で証明されました。さらに1901年マルコニーは大西洋間の横断通信実験に成功しました。

当時は通信といっても、現在のような『音声通信』ではなく、詳しい説明は避けますが火花放電による火花電波でした。トン・ツーをくりかえすモールス信号のようなものと考えてください。そして1907年ド・フォレによって3極真空管が発明されるとその応用として、無線通信は飛躍的な発展をとげるようになりました。


日本では1922年3月、上野公園で開催された平和記念博覧会場と東京朝日新聞本社との間でニュースや音楽の実験放送を行いました。これが日本で最初のラジオ放送(試験放送)です。

「JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります」

1925年3月22日、東京市(当時は市)の芝浦にある愛宕山から東京放送局の第一声が放送されました。本放送のはじまりです。

当時、ラジオを聞くにはまず受信機の所持許可を逓信省に申請し、許可を受けて初めてラジオを所有することができました。おまけにラジオを聞くには東京放送局で聴取許可を受ける必要がありました。二箇所の許可が必要だったのです。

東京放送局が本放送を開始した時のラジオの台数は約5000台、しかしその年の9月には75000台を超えたといいます。

当時の最新エレクトロニクス素材である真空管の価格は受信用の物でも1本5円〜8円、 米15Kgの価格が5円の時代です。一般の人はもっぱら鉱石ラジオを使用していました。

開局当時の東京放送の出力は220W。サービスエリアは約40Kmでした。

さてラジオについて長々と書きましたが、少数のアマチュア愛好家達は自分でラジオを作りはじめます。参考資料はわずかに出回っているアメリカからの技術誌や大正13年以来現在でも発刊されている技術雑誌、無線と実験(誠文堂新光社)などでした。

その後の彼等は大きく分けて2つに分かれます。いかにラジオの音質を良くするかと考えた人は後にオーディオ・ファンに、いかに高感度なラジオを自作するか、あるいは自分で電波を発信したいと考えた人はアマチュア無線に進んだのです。

そして1926年、早くも日本アマチュア無線連盟(JARL・・・The Japan Amateur Radio League.Inc)が誕生します。


アマチュア無線は電波法の下にありまして、次の4種類の資格があります。いずれも試験に合格しなければなりません。受験には年齢制限はありませんので、小学生でも1級資格を持っている人もいるかもしれません。

資格 制限事項
第1級アマチュア無線技士 アマチュア局に許される全ての操作範囲
第2級アマチュア無線技士 オール・バンド、空中線電力100W以下
第3級アマチュア無線技士 8MHz以下、21MHz以上空中線電力50W以下
第4級アマチュア無線技士 8MHz以下、21MHz以上空中線電力20W以下

私が現役(?)のころは1級、2級以外は電話級、と電信級がありました。
私が持っているのは電話級でして、普通の会話形式の通信ができます。電信級とはいわゆるモールス信号専門の資格です。周波数は3.5MHz、7MHz、21MHz、28MHz、50MHz、144MHzが普及していました。

かつてのアマチュア無線用の受信機です。
この機械はかつての愛用機です。トリオ、現在のケンウッド製で9R59Dといいました。この写真はあるホームページより拝借しました。

私の機械は引越しするとき、すでに故障していたので処分してしまいました。
大変後悔しています。

 

上記9R59Dキットの説明書です。
なぜかこれだけは持っていました

 

当時のカタログも見つけました。
懐かしいです♪

 

同じくトリオのトランシーバー(送受信兼用器)TR1000、通称トラセンです。重量3.8Kg。重いです。これでも当時のヒット商品です。

仕様
周波数50MHz
重量  3.8Kg
出力  1W
定価  27,500円
発売  1965年12月


古い話で恐縮です。
私が持っている免許、電話級アマチュア無線技士はわずか10Wの出力しか許されないものでした。
それでも電波状態の良いときなら、関東はもとより遠く関西地方の方と交信することができたものです。

私は今ではアマチュア無線は全然やらなくなりましたが、インターネット、ホームページ。特に掲示板は「別の意味でのアマチュア無線」といえるでしょうか。


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