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トランジスタ


■点接触トランジスタ

トランジスタは1948年6月、アメリカのベル研究所のウィリアム・ショックレー、ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテンの3人によって発明されました。

ゲルマニウムに金属板を貼り付け、その反対側にリン青銅、ベリリウム銅の電線を押しあて、これらをそれぞれベース、コレクタ、エミッタと名付けました。

また2本の金属線を押し当てることから点接触トランジスタ(Point Contact Transistor)と呼ばれました。

ベース、コレクタ、エミッタの働きに関しましては次の項に書きます。

トランジスタは真空管に代わる新しい増幅素子と一大センセーション・・・・・は巻き起こしませんでしたが(笑)、これに注目して世界初のトランジスタ・ラジオを開発したのは日本のソニーです。しかし発売したのはアメリカのリージェンシー社がわずかに早かったようです。

リージェンシーはゼネラルエレクトリック社製のトランジスタを使ってラジオを製品化しました。しかしソニーの場合、トランジスタは自社製だったのです。

日本最初のトランジスタラジオTR-55


■接合型トランジスタ

点接触トランジスタにはいくつかの欠点がありました。ゲルマニウムを使っているため温度の上昇で特性が変わる、点接触のため振動等にも弱い・・・・。

このためN型半導体とP型半導体を使ってN-P-N、あるいはP-N-Pのようにある型の半導体を他の二つで接合したものが開発されました。接合型(ジャンクション)トランジスタです。

もちろん端子はコレクタ、ベース、エミッタの三つがあります。

左の図はN-P-Nトランジスタです。
このようにベースにプラス、エミッタにマイナスの電圧を与えますと、P→Nの接続ですから、電流(ベース電流)が流れます。

これはエミッタ(N型)からベース(P型)へ電子が移動するためです。
しかしこの時、すべての電子がベースをとおって電源へ移動するわけではなく、かなりの量がベースを突き抜けてコレクタへ移動してしまいます。

するとエミッタ→コレクタへ電子が流れるわけですから、コレクタ→エミッタ間でも電流が流れます。コレクタ電流といいます。

これがトランジスタの動作原理です。
コレクタ電流はベース電流よりはるかに大きく、またベース電流で制御することができるのです。
コレクタ電流÷ベース電流 を電流増幅率(hfe)といい、トランジスタの重要な要素の一つになります。

トランジスタの現物です。


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