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IC(製造工程1)


では、ICはどのようにして作られるのか。

■ICの製造工程

製造工程は下記のようなります。非常に高度な技術で複雑な工程です。全部を紹介するのは無理ですのでグレーに着色した部分を紹介します。

 

■フォトマスクの製造工程

フォトマスクというのはICのモトになる回路のことです。これは写真で言えばネガに相当するもので、このパターンをシリコンウェハーに紫外線を使って焼き付けるのです。



ではまず、シリコン・ウェハーの製造から・・・

◆多結晶シリコンから単結晶シリコンを作る(多結晶→単結晶成長)

天然のシリコンは分子構造がバラバラの多結晶状態(左側)です。これを分子がきちんと整列している単結晶状態(右側)にしなくてはなりません。
多結晶シリコン 単結晶シリコン

そのための製法はいくつかありますが代表的なのはCZ(Czochralski )法です。

石英坩堝(るつぼ)にシリコンを入れ、約1420℃で加熱します。シリコンが溶けたら、釣り糸を垂れるように種シリコンを溶けたシリコンの中に入れ、回転しながら引き上げます。

 

石英坩堝内の多結晶シリコン
(三菱住友シリコン)
このようにしてできあがったものが単結晶シリコンインゴットです。ここでシリコン以外の不純物は取り除かれ、シリコンの純度は99.9999999999%ほどになります。9が12個並びます。

単結晶シリコンインゴット
(住友シリコン金属)
↑ただ今引上げ中

◆切断

この単結晶シリコンインゴットを規定の長さに切断し、規定の直径になるように外周を研削します。直径は現在(2002年)、最大300mmです。

次にインゴットを固定して薄く切断します。
切断方法には、回転する輪(内側にダイヤモンド゙の刃が付いている)で切断する方法(スライシング・マシン)。

それにエンドレスで高速移動するピアノ線に研削剤を塗布して押し当てて切断する方法(ワイヤー・ソー)があります。これはゆで卵切りに似ています。

スライシングマシン(東京精密)
  ワイヤー・ソー(日平トヤマ)

◆シリコンウェハーの完成

こうして切断されたのがシリコンウェハーです。この後も様々な工程を経て製品(まだ最終製品ではありませんよ)となるのです。

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