Index ゴロピカ工房 目次


■発生

空気は絶縁体で、普通は電気を流しませんが、時には電気が流れます。それが雷です。

空の中に上昇気流が発生すると雲の上方にプラス電荷がたまり、下方にマイナス電荷がたまります。
雲の発達にともない その電荷が強くなり、各々の電荷はそのままの状態では存在できなくなりプラス電荷マイナス電荷が引き合い空中放電(ショート)がおこります。これが雷です。この空中放電が雲と地上の間に発生するものがいわゆる落雷です。

雷が発生するとき、一瞬にしてエネルギーの放出がおこるため、激しい光(稲妻)と音(雷鳴)をともないます。

絶縁体とは普通電気を流しませんが、ものには限度があります。
一定以上の電圧を与えれば電気を流すようになるのです。これを絶縁破壊といいます。
よーするに、1kgや2kgの荷物なら平気でもてますが、数10kgの荷物を背中に背負えば立っていられないのと同じことです。

電界強度というものがあります。
これは絶縁体にかかる電圧がある限度以上になった時、絶縁体が電気的に破壊し絶縁性を失って電流を流すようになる現象のことをいいます。空気中をはじめとする気体中での絶縁破壊が放電です。

空気中に 二つのパネルを平行に置いたとしましょう。下の図です。電圧をV、パネルの面積をSとします。

この時、電界強度は 電圧(V) ÷ 距離(r) になります。

距離の単位はmmです。つまりこの値は平行板間の1mmあたりの電圧を意味します。単位は (V/mm)です。

この電界強度の大きさに間にある物体の絶縁性が耐えられなくなった時、絶縁破壊が起こります。間の物体が空気だったら、これが雷なのです。
ちなみに雷は3000V/mmで起こるといわれていますが、実際には色々な要素(温度、気圧、地形等)がありますのでもっと低い電圧でも起こります。


■雷発生時の注意

家の中は安全かといえばそうでもないのです。家の中で安全なのは、壁や電線がコンセントにつないである電気器具から1m以上離れた場所なのです。

なぜなら、雷の電流は表皮効果といいまして、物体の内部ではなく、表面を流れる性質があるのです。つまり家の内外を問わず壁の表面を流れるということです。

このため、軒下で雨宿りするのも危険です。


高い木も大変危険です。電流は表皮効果から木の幹から地面を伝わることもあるので木からは2m以上離れるのが安全といわれています。

避雷針は危険物(ガスタンク等)用なら左右45度、一般用なら左右60度が安全といわれています。もちろん絶対なものではありません。

■直撃雷と誘導雷

さて、雷には直撃雷と誘導雷の二種類があります。

◆直撃雷

電線や建造物、アンテナ、機器等へ直接落雷した雷のことで、電流・電圧ともに極めて大きいものです。

≪被害状況≫

・建築物の一部損壊、火災
・大電流スパークによる火災・爆発
・電気設備の絶縁破壊
・人体傷

◆誘導雷

電線や建造物、アンテナ、機器等の近くに落雷した時に、落雷電流の影響で発生する電流・電圧を指します。

≪被害状況≫

・電話交換機の損傷による通信不能
・コンピュータ電源装置破壊によるデータ、プログラムの損失


直撃雷と誘導雷を比較しました。

  直撃雷 誘導雷
夏季雷 冬季雷
電圧 数1,000万V 数100万V 高圧配電線
数10kV〜数100kV

低圧配電線
数kV〜数10kV
電流 10〜30kAが多い 数1,000A程度が多い 1,000A以下がほとんど
エネルギー 大きい 極めて大きい
夏雷の数100倍
さほど大きくない
頻 度 少ない 少ない 多い

では雷がなっているときの注意事項を書きます。○はそのとおり、×は間違っているものです。

1. 高く劣った物には落雷しやすい。
  たとえ絶縁されたプラスチックの柄でも人が二人並び片方が傘をさしているとそちらに落雷する。
ですから雷のとき、野球のバットやゴルフクラブを振り回すのは危険なのです。
 
2. 金属を身につけていると落雷しやすい。×
  金属が身体から上に出っ張っていない限り、無関係であることが実験的に認められている。
 
3. 長靴やゴム合羽のような絶縁的で身体をおおっていると落雷しにくい。×
  全く関係がないことが実験的に証明されている。
 
4. 近くに落雷があったとき、地面にひれ伏しているのは危険。×
  いくつかの落雷事例から、落雷点から数m以上離れ、落雷点を横に見る位置であればほぼ安全。
 
5. 直接落雷を受けた人は死亡する。×
  直接落雷をうけても 統計的に20%の人が命をとり止めている。
 
6. 高い物の先端を45度に見上げる範囲は安全である。×
  周囲が開けている場合には、60度に見上げる範囲内に落雷することもある。
 
7. 高い建物等に落雷がある時、それは必ず先端からである。×
  高い構造物等の先端に落雷しやすいが、途中に落雷することもある。
 
8. 高い樹木の下は安全。×
  木に近すぎるとかえって危険、幹、枝や葉からも最低2m以上離れること。

■我家の雷対策

・・・と言うほどのものではありませんが。

雷が激しかった時、パソコン内臓のモデムが故障したことがあります。
これは落雷ではなくて雷サージとはいいまして、雷によって間接的に発生する異常電圧を示します

パソコンにつながるコンセントの中間に左のような雷を防ぐ部品をとりつけました。
雷サージからパソコン等を守ります。守る回数は1回だけ。役目を果たすとこの部品は天に召されるとのことです。
ちょっと見にくいですが、右上にランプが点灯している間はOKのようです。

(サンワサプライで600円位だったかな)


Index ゴロピカ工房 目次