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オームの法則


■電圧と電流の関係

ある導体にVボルトの電圧を与えた時、Iアンペアの電流が流れたとします。
この時、V と I には

電流(I) = 電圧(V) ÷ 抵抗(R) 

という式が成り立ちます。

この式から電流は加えた電圧に比例することがわかります。
では抵抗(R) とは何かといいますと、その物体の電流を流しにくい度合いを指すのです。
電気上ですから電気抵抗ともいいます。単位はΩ(オーム)です。

先ほど 電流は加えた電圧に比例することがわかります と書きましたが、正確にはこういいます。

電流は加えた電圧に比例し、抵抗に反比例する

これをオームの法則といい、電気回路におけるもっとも重要な公式になります。
電圧、電流、抵抗のうち2つが判明していれば残りの1つも計算で簡単に求めることができます。

電流(I)=電圧(V)÷抵抗(R) ですから

電圧(V)=抵抗(R)×電流(I)
抵抗(R)=電圧(V)÷電流(I)

一方電力(P)=電圧(V)×電流(I) ですから先ほどの電流(I)=電圧(V)÷抵抗(R)と組み合わせて

電力(P)=電圧(V)×電流(I)=抵抗(R)×電流(I)×電流(I)=I2×

あるいは
電力(P)=電圧(V)
×電流(I)=電圧(V)×電圧(V)÷抵抗(R)=V

となります。


■比抵抗

電気抵抗はたとえ導体であっても完全に0ではなく、ごくわずかですが存在します。長さ1cm、断面積1mm2 の抵抗を比抵抗といい、この大小で導体の抵抗の大きさを比較できるのです(比抵抗は温度等の測定条件で変わります)

主な金属の比抵抗はつぎのとおりです。(単位は10-6cm・Ω)

1.59
1.92
2.44
アルミニウム 2.65
ニッケル 7.8
白金 10.6

オリンピックではありませんが、この世界のチャンピョン(つまり一番電気を流しやすい金属)は銀なのです。電線にはもっぱら銅線が使われますが、銀を使ったらコストが・・・。

《注意》
電気抵抗が完全に0になる場合もあります。超伝導といいます。


◆おまけ1(オームの法則)

電圧と電流のを水路に例えると、水圧が増せば、それに比例して水の流量も増えるようなものです。あるいは注射器では、ピストンを押す力が増せば、針先から出てくる薬液の量も増えます。
針の太さは抵抗です。針が細ければ細いほど薬液は流れにくくなります(抵抗が大きい)


◆おまけ2(電池の並列接続と直列接続)

理科の実験で乾電池に豆電球をつないだことがあると思います。

乾電池の電圧をV、豆電球の抵抗をRとすると電流は

電流(I)=電圧(V)÷抵抗(R) 

で求められます。

乾電池を2個、左のようにつないだものを直列接続といいます。この場合、電圧は1.5+1.5 = 3Vになるのです。

電圧が2倍になりますから、電流も2倍になります。これがオームの法則なんです。

電流が増えて明るくなりますね。

2個の乾電池を直列と違って、横方向につないだものを並列接続といいます。この場合、電圧は2倍の3Vにはなりません。1.5Vのままです。

このつなぎ方のメリットは電圧を大きくすることではなく、電流の持続時間が2倍になることです。

そうなんです。
この場合は豆電球が点灯する時間は普通(上の二つの例)の2倍になるんです。


◆おまけ2(再びオームの法則)

ここに500Wの電気製品があったとします。テレビでもラジオでも、なんでもかまいません。
電源を100Vで使用するならここに流れる電流は、電力(P) = 電圧(V)×電流(I)を逆算して、電流= 5 になります。つまりこの電気器具には5アンペアの電流が流れるのです。

さらにこの電気器具の抵抗は電圧(V)÷電流(I)ですから

抵抗(R)=電圧(V)÷電流(I) = 100 ÷ 5 = 20Ω と言うことになります。

電力(P)= 電圧(V)×電圧(V)÷抵抗(R) でした。

100(V)×100(V)÷20(Ω) は500(W)です。答えは一致します。


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