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エンクロージャー


■位相

普通スピーカーは木の箱(エンクロージャといいます)に取り付けられています。
この箱は、単に装飾的な意味もありますし、スピーカーを保護する役目もあります。

しかし、スピーカーのユニットを箱から取り出して音を出してみればすぐにわかりますが、あれ? このスピーカーはこんな貧弱な音なの? と驚くような(がっかりするような)音になってしまいます。
そのわけは・・・・・

スピーカーのコーン紙が振動すると音が出ますね。その様子が上の図の赤い線です。
スピーカーの前(ここでは右側)に音が出るということは、後ろ(ここでは左側)にも音が出るんです(左の赤い線)

左右の赤い線を見比べてください。
大きさ(山から谷への距離)は同じですが、山と谷の位置が正反対になっていますね。

このことを位相が180度違う、といいます。
では何かの都合で、後ろの音が反射して前に出たらどうなるでしょう。

この場合(左のような)、正反対(180度違うということは正反対なのです)の位相の音が合成されることになり、プラスとマイナスが合成されて理論上は音が消えてしまうのです。

実際にはそんなことはありませんが、これが音が貧弱になる理由の一つなのです。
エンクロージャーはスピーカーの背面はふさがれていますね。これは背面から前面へ音が回り込まないようにするためなのです。

スピーカーをエンクロージャーに入れれば・・・

左の図はエンクロージャーに入っているスピーカーの断面図です。

音声はスピーカーの前方に出るだけで背後はエンクロージャーがあるため、前面に回りこむことはありません。


■エンクロージャーの種類

左の上は完全密閉型といいます。エンクロージャーの基本となるものです。

下側はバスレフ型といい、エンクロージャーの前面(バッフル板という)に四角や丸い穴があいています。

スピーカーの課題の一つに低音を出す、というのがあります。
バスレフ型はスピーカーの背後に出る音の位相を逆転させて低域の位相を前面に合わせるものです。

逆の位相同士だと音は小さく(理論上消える)なりますが、同じ位相ですと大きくなるのです。

この方式も多用されています。

これはバックロード型といいます。
書くのが面倒なので写真を拝借しました(笑)

ホーンスピーカーの原理を別に書きましたが、これはエンクロージャーの中に仕切り板を張りめぐらし、ホーンになるようにしたものです。
このホーンは低域に共振するように設計されており、スピーカーから直接出てくる低域と合わせて、低域を補強するように働きます。


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